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特定技能の費用相場は?初期・月額の内訳とコストダウンのポイント

人手不足を補おうと特定技能という選択肢を検討し始めたとき、最初にぶつかるのが「何にいくらかかるのかが整理できない」という問題です。紹介手数料だけでなく、送り出し機関への費用、在留資格の申請費、登録支援機関への月額委託料と、項目は多岐にわたります。支援会社に問い合わせる前に、まず自分で相場感を把握しておきたいという方は多いのではないでしょうか。

この記事では、採用ルート(海外採用・国内在留者・技能実習からの移行)ごとの初期費用の相場から、就労後にかかる継続費用の内訳、企業と本人の負担区分、コストを抑える方法まで、費用に関する情報をひとつにまとめて解説します。読み終えたあとには、採用にかかるトータルコストの見通しが立ち、経営層への採用予算の説明を自分の言葉でまとめられる状態になるはずです。

※本記事は公開日時点の情報をもとに作成しています。制度・費用の最新情報は出入国在留管理庁など公的機関にてご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 採用ルート別の初期費用
  2. 就労後にかかる費用
  3. 企業負担と本人負担の区分
  4. 採用コストを抑える方法
  5. まとめ:特定技能の費用は採用ルートと継続コストで考える
  6. よくある質問

採用ルート別の初期費用

特定技能外国人の採用にかかる初期費用は、どのルートで候補者を探すかによって大きく変わります。海外から新規採用する場合、国内在住の外国人を採用する場合、在籍中の技能実習生を移行させる場合の3つのルートで、費用の構成と総額が異なります。自社の状況(既存の技能実習生の有無・採用時期の余裕・許容できるコスト水準)を整理した上で、どのルートが適切かを判断することが採用計画の起点になります。

海外からの新規採用

海外在住の候補者を送り出し機関経由で採用するルートです。候補者の選択肢が最も広く、業種・スキル・国籍を選びながら採用できる点が強みですが、費用と期間が3ルート中最も大きくなります。

主な費用項目は次の4つです。

  • 送り出し機関手数料:20〜60万円程度。送り出し機関が候補者のリクルーティング・日本語教育・書類手続きを行う対価として発生します

  • 人材紹介料:30〜60万円程度。採用支援を担う人材紹介会社へ支払う成功報酬。会社によって金額に大きな差があります

  • 渡航費:4〜10万円程度。航空券・国内移動など来日にかかる費用です

  • 在留資格申請費:10〜20万円程度。行政書士と連携した在留資格手続きの費用として発生します

これらを合算した初期費用の目安は70〜200万円以上です。候補者が使用する送り出し機関の質や国によって手数料は大きく異なるため、人材紹介会社に具体的な見積もりを確認することが欠かせません。採用確定までの期間は4〜6ヶ月程度かかることも、資金計画に組み込んでおく必要があります。

国内在住外国人の採用

日本国内にすでに在留している外国人(留学生・技人国・特定活動など)を採用し、特定技能への在留資格変更を経て雇用するルートです。渡航費と送り出し機関費が発生しないため、海外採用に比べてコストを抑えられます。

主な費用は人材紹介料(30〜60万円程度)と在留資格変更申請費(10〜20万円程度)が中心で、初期費用の合計は50〜120万円が目安です。採用から就労開始までの所要期間は2〜4ヶ月程度と、海外採用より短く見込めます。

ただし、在留資格の変更申請には本人の日本語能力・技能水準が要件を満たしていることが前提となります。候補者がすでに特定技能試験(もしくは技能実習2号修了)の要件を満たしているかどうかを、採用前に確認することが必要です。

技能実習からの移行

現在自社に在籍している技能実習2号修了者を、特定技能1号に在留資格変更するルートです。紹介料・送り出し機関費・渡航費がすべて不要で、発生する費用は在留資格変更申請費(10〜20万円程度)のみです。初期費用の合計は15〜30万円と、3ルートの中で最も抑えられます。

すでに職場環境・業務内容を把握しているスタッフを継続雇用できるため、採用後の定着率も高い傾向があります。在籍中の技能実習生がいる企業にとって、コスト面・定着面の両方で優先して検討する価値があるルートです。

ただし、技能実習制度の今後のスケジュールについては把握しておく必要があります。技能実習制度は2026年12月末で新規入国を終了し、2027年4月1日から育成就労制度へ全面移行します( 育成就労制度|出入国在留管理庁 )。

現在すでに在籍中の技能実習生を移行させることは可能ですが、これから技能実習生を新規入国させて将来的に特定技能へ移行させる計画には、育成就労制度の仕組みへの理解と対応が必要になります。

関連記事: 【27年4月施行】育成就労制度とは?技能実習との違いや企業が準備すべきことを解説

就労後にかかる費用

採用が決まり就労が始まった後も、継続的に費用が発生します。月単位で積み上がる委託料と、更新ごとにまとまって発生する費用の2つを把握しておくことで、1年・3年・5年単位のトータルコストを試算しやすくなります。採用前に月額費用と更新費用を合算して予算計画を立てておくことが、後から「想定外の費用がかかった」という事態を防ぐことにつながります。

登録支援機関への委託料

特定技能外国人を受け入れる企業には、義務的支援10項目の実施が法令で定められています。事前ガイダンス・生活オリエンテーション・定期面談・相談対応などが含まれますが、社内でこれを実施できる体制がない企業の多くは、登録支援機関に委託しています。

委託した場合の月額費用について、出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する実態調査(令和4年)」によると、業界の平均委託料は月28,386円で、全体の約90%の企業が月3万円以下で委託しています。

参考: 特定技能在留外国人数の公表等|出入国在留管理庁

登録支援機関の料金体系には月額固定型と項目別課金型の2種類があります。月額固定型は支援内容が包括されているため費用が読みやすい一方、項目別課金型は不要な支援を除いて費用を抑えられる場合もあります。見積もりを取る際は、どの項目が含まれているかを確認するようにしてください。

なお、建設業については登録支援機関への委託料とは別に、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)の年会費(24万円/年)および受け入れ負担金(1.25〜2万円/月程度)が発生します。建設業分野での受け入れを検討する場合は、これらを月額費用の算出に含めるようにしてください。

在留資格の更新費用

特定技能1号の在留資格は1年・6ヶ月・4ヶ月ごとに更新が必要で、通算の上限は5年間です。

更新のたびに書類準備と申請手続きが発生し、行政書士と連携した在留資格手続きの費用として1回あたり4〜8万円程度を見込んでおく必要があります。1年更新が続いた場合、5年間で複数回の更新費用が積み上がります。月額の委託料とは別に、更新年の支出として予算に組み込んでおきましょう。

更新の時期を把握し忘れた場合、在留資格が切れた状態での就労は不法就労となる可能性があります。就労開始時点から在留期限をカレンダーに登録し、期限の3〜4ヶ月前には手続きを開始できる管理体制を整えておくことが必要です。社内担当者が変わっても管理が引き継がれるよう、文書化しておくことを推奨します。

企業負担と本人負担の区分

特定技能外国人を採用する際の費用には、企業が必ず全額負担しなければならないものと、本人に一部負担させることが認められているものがあります。この区分を誤ると、費用を不当に本人へ転嫁したとして、特定技能雇用契約の基準を定める省令(令和元年法務省令第5号)違反となる可能性があります。採用を進める前に、どの費用が企業負担でどれが本人負担可能なのかを整理しておくことが必要です。

全額企業負担となる費用

省令の規定により、義務的支援10項目の実施にかかる費用は全額企業負担です。事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談対応・定期面談など、支援計画に定められた活動の実施費用を本人に転嫁することは認められていません。

参考: 特定技能運用要領・各種様式等|出入国在留管理庁

住居については、企業が借り上げた物件の敷金・礼金・保証金・仲介手数料も企業負担です。これらの費用を本人に請求することは認められないため、住居契約の費用負担に関する取り扱いは特に注意が必要です。

また、保証金の徴収や違約金の設定も禁止されています。「途中帰国した場合に費用を返還させる」「就労期間の途中で退職した場合にペナルティを課す」といった取り決めは、省令違反となる可能性があります。採用前に雇用契約書や覚書の内容を精査することが必要です。

本人負担にできる費用

渡航費については、本人と合意がある場合に限り本人負担とすることが認められています。ただし実際には、採用市場での競争上、企業が全額負担するケースが増えています。本人負担とする場合は必ず事前に書面で合意を取得するようにしてください。

住居の家賃相当額については、実費相当額の範囲内で給与から控除することが認められています。控除できるのは実費相当額のみで、それを超えた額を請求することは認められていません。

参考: 出入国在留管理庁「特定技能に関するよくある質問(Q&A)」

個別の費用項目についての判断が難しい場合は、行政書士や専門支援機関への確認を推奨します。

採用コストを抑える方法

採用費用の全体像を把握した上で、コストを適切に抑える手段を3つ紹介します。いずれも「費用をゼロにする」ことが目的ではなく、「同じ採用成果をより少ないコストで得る」ための選択です。自社の状況に合わない手段を無理に選ぶと、かえって手間やリスクが増えることがあります。

在籍中の技能実習生を特定技能に移行する

3ルートの中でコストを最も抑えられるのが、現在自社に在籍している技能実習2号修了者を特定技能1号に移行させる方法です。紹介料・送り出し機関費・渡航費が一切発生せず、在留資格変更申請費(10〜20万円程度)のみで移行できます。業務内容・職場環境にすでに慣れているスタッフを継続雇用できるため、定着率の観点からも現実的な選択肢です。

在籍中の技能実習生がいる企業にとって、まず検討すべきコスト削減手段です。ただし前述のとおり、技能実習制度は2026年12月末で新規入国を終了するため、これから技能実習生を新規採用して数年後に特定技能へ移行させる計画は、育成就労制度の仕組みへの理解と対応が必要になります。

支援業務を自社で対応する

登録支援機関に委託せず自社で義務的支援を実施する場合、月額2〜4万円程度の委託料が不要になります。社内に外国人材の対応経験者がいる、または専任担当者を置ける環境があれば、内製化を検討する価値はあります。

ただし、支援業務を内製化する前にいくつかの点を慎重に判断することが必要です。支援担当者の人件費・移動費・書類作成の時間コストを合算すると、委託料を上回るケースは珍しくありません。また、入管法令に基づく支援計画の策定・実施・報告には専門知識が求められるため、対応漏れが発生した場合には法令違反となる可能性があります。「委託料を節約したい」という理由のみで内製化を選ぶのは慎重な判断が必要で、自社の体制と実務対応能力を現実的に評価した上で判断することを推奨します。

助成金制度を活用する

特定技能外国人の受け入れに活用できる助成金・補助金制度が存在します。要件を満たした場合、採用にかかるコスト負担を一部軽減できる場合があります。

助成金の金額・申請要件・対象期間は年度ごとに変更されるため、厚生労働省・JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の公式情報で最新の要件を確認することが必要です。

関連記事: 【2025年最新】特定技能外国人の受け入れで使える助成金・補助金制度まとめ

まとめ:特定技能の費用は採用ルートと継続コストで考える

特定技能採用の費用は「海外新規採用なら初期70〜200万円以上」「国内採用なら50〜120万円」「技能実習移行なら15〜30万円」と、ルートによって大きく異なります。就労後も登録支援委託料(業界平均月2.8万円)と在留更新費(1回4〜8万円)が継続的に発生するため、初期費用だけでなく5年間の総コストで試算することが予算説明の精度を高めます。

コストを抑えるなら技能実習生の移行活用と助成金の組み合わせが現実的な選択肢です。経営層への説明には、採用ルート・継続費・企業負担と本人負担の区分を整理した上で、採用成功報酬型で紹介料30万円(業界平均の約半額)・登録支援月額16,000円を明示しているスタッフ満足のような会社も比較材料に加えてみてください。入社後1年以内の退職補償制度(ミャンマー・スリランカ出身者対象)を設けている会社かどうかも、コスト計画の安定性を左右する確認ポイントです。

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よくある質問

Q. 採用費用はいつの段階で発生しますか?

入社決定時に紹介手数料などの初期費用が一括で発生し、入社後は登録支援委託料と在留更新費が継続してかかります。初期費用は採用ルートで大きく異なるため、月次費用とあわせて採用計画の段階から試算しておくことが必要です。

Q. 複数名を同時採用すると費用は割安になりますか?

人材紹介会社によっては複数名採用で手数料の割引交渉が可能です。ただし、登録支援委託料は1名単位で発生するため、在籍中の月次コストは人数に比例します。初期費用と継続費用を分けて確認したうえで交渉するのが有効です。

Q. 採用した外国人が早期退職した場合、費用は戻ってきますか?

紹介会社によっては早期退職時の返金保証(補償制度)を設けています。スタッフ満足では入社後1年以内の退職補償制度を設けており(ミャンマー・スリランカ出身者対象)、対象者が退職した場合は再紹介で対応します。契約前に返金条件・期間・対象範囲を確認してください。

Q. 見積もりを取るとき、どの費用項目を必ず確認すればよいですか?

「紹介手数料」「登録支援委託料(月額・対象範囲)」「在留資格変更・更新の申請代行費」「渡航・入国サポート費」の4項目を比較します。項目ごとに含まれるサービス範囲が会社によって異なるため、金額だけで比較すると誤差が生じます。

Q. 日本人採用と比べてトータルコストはどちらが高いですか?

初年度は紹介手数料や入国サポート費が加わるため日本人採用より高くなる場合があります。一方、2年目以降は月次コストが安定し、技能実習移行の場合は初期費用が抑えられます。定着率や補償制度の有無も含めた中長期の比較が判断の基準になります。

株式会社スタッフ満足 新井 宏典
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