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特定技能の賃金・給与の相場と決め方・賃金に関する注意点

「特定技能」とは、一定以上の技能をもつ外国人材が日本に在留し、就労するための制度です。
2019年に創設され、現在では介護や建設といった12の産業分野について、特定技能1号・2号資格の有資格者が活躍しています。
 
この記事では、特定技能外国人に支払う賃金について、相場や具体的な決め方のルール、割り増し賃金や手当・賞与に関する注意点を紹介します。
給与交渉を受けた際のポイントについても取り上げていますので、特定技能外国人の受け入れを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.特定技能とは
  2. 2.特定技能の賃金の相場
  3. 3.特定技能の賃金の決め方
    1. 3.1.日本人と同等額以上
    2. 3.2.最低賃金
  4. 4.特定技能に関する注意点
    1. 4.1.割り増し賃金に関する注意点について
    2. 4.2.手当や賞与の支給
    3. 4.3.控除に関する説明
  5. 5.特定技能者から給与交渉を受けた際のポイント
  6. 6.法令を遵守し最新の情報を確認する

特定技能とは

特定技能資格は、一定以上の技能をもつ外国人材が取得できる1号資格と、さらに熟練した人材が取得できる2号資格に分かれています。
 
それぞれの資格の対象分野・技能水準は以下のとおりです。
 
【特定技能1号と2号の特徴】


特定技能1号

特定技能2号

対象分野

12分野

11分野
※介護以外

在留期間

上限5年
(1年を超えない範囲)

上限なし
3年・1年または6ヶ月ごと更新

技能水準

相当程度の知識と経験を有する

熟練した技能を有する

日本語能力水準

生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した外国人は試験等が免除)

試験等での確認は不要

転職の可否

可能

可能

家族の帯同

基本的に認められない

可能

受入れ機関又は登録支援機関による支援

対象

対象外

上記の12分野は介護/ビルクリーニング業/建設業/素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業/造船・舶用工業/自動車整備業/航空業/宿泊業/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業です。
 
特定技能2号は2分野のみに限られていましたが、2023年に介護を除く11分野まで拡大されました。

関連記事:特定技能とは?採用方法や企業にとってのメリットを解説

特定技能の賃金の相場

特定技能の賃金の相場は、令和4年に厚生労働省が発表した「外国人労働者の在留資格区分別賃金及び対前年増減率」によると以下のとおりです。
 
【特定技能の賃金の相場】

在留資格区分

賃金

対前年増減率

年齢

勤続年数

外国人労働者計

248,400円

8.9%

34.1歳

3.6年

専門的・技術的分野

299,600円

-8.2%

31.9歳

3.3年

特定技能

205,700円

5.5%

29.0歳

2.4年

身分に基づくもの

280,000円

3.7%

43.8歳

5.6年

技能実習

177,800円

8.3%

27.9歳

2.4年

その他

220,900円

16.5%

31.0歳

2.8年

厚生労働省が発表した令和4年度の外国人労働者の賃金のうち、特定技能者の賃金は29歳・3年以上の勤続年数で205,700円でした。※
 
※参照元:厚生労働省「外国人労働者の在留資格区分別賃金及び対前年増減率」

特定技能の賃金の決め方

特定技能外国人を雇い入れる際、事前に特定技能雇用契約を締結します。
特定技能外国人については、日本人と同等以上の賃金かつ最低賃金に関する規定が定められているため、事業者側が自由に給与を設定することはできません。
 
ここからは、事業者が守らなければならない特定技能の賃金に関するルールを確認していきましょう。

日本人と同等額以上

特定技能の賃金は、特定技能外国人が勤務する事業所や会社に勤める日本人と同等以上でなくてはなりません。
ここでいう日本人とは、対象となる特定技能外国人と同じ技術をもち、職種や経験が同一の日本人を指しています。
 
給与規定が設けられていない職場の場合は、対象となる特定技能外国人と同等の技能レベルをもつ日本人の従業員と給与を比較して決定することになっています。
特定技能外国人と同じ業務についている日本人の従業員を参考に給与を決めるといった方法です。
 
厚生労働省では、2020年より「同一労働同一賃金のガイドライン」を策定し、外国人労働者ごとに待遇の差がつかないようにルールを定めました。
基本給だけではなく昇給や賞与などの支払いについても、特定技能外国人に支払う給与は明確な基準をもって査定しなければなりません。

賃金規定や比較対象の日本人がいない場合はどうする?

賃金規定がなく、比較対象にできる日本人も在籍していない職場については、他社に勤務している特定技能外国人の給与や報酬額と比較します。
 
ここでいう他社とは、同業他社のことであり出入国在留管理庁が保有する「近隣同業他社」です。
さらに、以下の要素も鑑みて個々の特定技能外国人の給与を決定します。
 
【賃金規定や日本人がいないケース】

  • 日本語能力:日本語能力試験の取得資格や日本語会話の能力で判断
  • 技能レベル:技能実習からの経験や勤続年数、面接時の実技試験などで判断

日本語と職務に関する技能レベルから給与水準や昇給の基準を判断できます。

最低賃金

最低賃金とは、日本人・外国人を問わず労働者への賃金の最低額を保障するための制度です。
最低賃金には産業別最低賃金と地域別最低賃金の2種類があり、それぞれの金額を確認のうえ、高い賃金の方を選んで労働者に支払う必要があります。
 
一例として、地域別最低賃金が950円で『特定(産業別)最低賃金』が1,000円なら、特定技能外国人に支払う賃金は1,000円です。
最低賃金は定期的に更新されるため、厚生労働省のホームページから新しい賃金水準を確認してお きましょう。

最低賃金を下回る場合の罰則について

万が一最低賃金を下回る給与を支払った場合は、労働基準法違反として罰則が適用されます。
 
仮に、最低賃金額より低い賃金を使用者(雇用主)と労働者(外国人)の双方が合意したうえで定めたとしても、法律によって無効とされます。
最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。※
 
※参照元:厚生労働省「最低賃金制度とは」

特定技能に関する注意点

次に、特定技能外国人に支払う割り増し賃金・手当や賞与の支給・控除に関する説明といった注意点を確認していきましょう。

割り増し賃金に関する注意点について

割り増し賃金とは、残業や休日出勤といった時間外労働が発生した際に支払う賃金です。
労働基準法では以下のケースについて、割り増し賃金の支払いを行わなければならないと定めています。
 
【割り増し賃金が適用されるケース】

種類

支払う条件

割増率

時間外
(時間外手当/残業手当)

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき

25%以上

時間外労働が限度時間(1ヶ月45時間・1年360時間等)を超えたとき

25%以上

時間外労働が1ヶ月60時間を超えたとき

50%以上

休日(休日手当)

法定休日(週1日)に勤務させたとき

35%以上

深夜(深夜手当)

22時〜5時までの間に勤務させたとき

25%以上

事業者は3つの割り増し賃金の適用ケースについて把握するとともに、割り増し賃金を正確に適用するために、タイムカードなどを使って労働時間を把握する工夫が必要です。

手当や賞与の支給

事業者が従業員に対して手当や賞与の支払いを行っている場合は、特定技能外国人に対しても日本人と同等以上の金額を支払います。
給与と同じく、「日本人従業員にだけ支給されて、特定技能外国人には支給されない」といったケースは法令違反となります。

控除に関する説明

日本人と同じように給与から控除される住民税や厚生年金、雇用保険に関しては事前に説明を十分行ってください。
特定技能外国人が控除の仕組みを理解せず給与を受け取り、不満を抱くことのないように、控除されるものの名称・仕組み・理由などを相手が理解できる言語で伝えましょう。

特定技能者から給与交渉を受けた際のポイント

特定技能者から給与を上げてほしいと交渉を受けた際には、日本人従業員の給与とのバランスも取らなければならないことを伝えたうえで、事前に定めていた昇給基準を特定技能者自身に伝えておくことが大切です。
 
理由なく昇給させる、理由を説明せずに交渉を断る、昇給基準を伝えないといったケースは不満を抱く原因となるため、通訳など特定技能外国人が十分に理解できる言語で納得してもらえるように説明しましょう。

法令を遵守し最新の情報を確認する

今回は、特定技能外国人に支払う賃金についてのルールや決め方、注意点について紹介しました。
 
外国人労働者の待遇を改善するためのルールが策定されたことから、特定技能外国人に支払う給与・賞与・手当はすべて日本人の従業員と同等以上でなくてはなりません。
 
特定技能所属機関は法令を遵守していることが前提のため、事業を行うにあたって必要な法令には違反しないように注意が必要です。
賃金の相場については産業分野、それぞれの年度の最低賃金によって異なるため、最新の情報を参考にして給与体系を設定しましょう。

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株式会社スタッフ満足 新井 宏典
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