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特定技能「外食業」の概要と受け入れ企業側の要件・取得要件を解説

人手不足により特定技能外国人の採用を検討している企業や、特定技能外国人を採用するため、情報収集を行っている企業さまも多いでしょう。
 
そこで本記事では、特定技能外国人の採用に関する基本情報から、受け入れ企業としての要件、必要な支援体制の構築に至るまで、幅広い情報を提供しています。

採用に関する不安や疑問点を解消したい企業さまは、ぜひ参考になさってください。

目次[非表示]

  1. 1.在留資格「特定技能」の概要
    1. 1.1.特定技能1号
    2. 1.2.特定技能2号
    3. 1.3.特定産業分野
  2. 2.特定技能「外食業」とは
    1. 2.1.対応する業種・業務、対応できない業務
  3. 3.特定技能「外食業」分野ができた背景
    1. 3.1.低賃金の問題
    2. 3.2.労働環境の厳しさ
    3. 3.3.「外食業」分野ができた背景
  4. 4.受入れ企業(特定技能所属機関)側の要件
    1. 4.1.受入れ体制の基準
    2. 4.2.受入れ企業の義務
    3. 4.3.支援体制の構築
  5. 5.特定技能「外食業」の取得要件
    1. 5.1.「日本語能力試験」と「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格する
    2. 5.2.HACCP(ハサップ)についての知識も問われる
  6. 6.特定技能外国人の採用までの流れ
  7. 7.外国人は人手不足解消の大きな要となる


在留資格「特定技能」の概要

特定技能とは、日本の産業分野において、人材不足の状況を改善するため、一定の専門性や技能を持った外国人労働者を受け入れるための在留資格です。
この制度は、2018年に改正された出入国管理法に基づき設けられ、2019年4月から実施されています。
 
資格を取得するためには、外国人は在留目的を明確にし、地方出入国在留管理官署に申請し認定を受ける必要があります。
また、特定技能は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つのタイプに分かれており、特定技能1号は12の産業分野(かつての14業種から変更)、特定技能2号は介護を除く11の産業分野に対応しています。
 
※参照元:公益財団法人 国際人材協力機構


関連記事:特定技能とは?


特定技能1号

特定技能1号は、特定の産業分野に属し、相当程度の知識や経験が求められる技能を必要とする業務に従事する、外国人のための在留資格です。

在留期間は1年を超えない範囲内で、法務大臣が指定する期間ごとに更新可能です。
最大5年間までの滞在が認められています。
技能水準は試験等で確認され、技能実習2号を完了した外国人については、この試験が免除されます。
 
また、日本語能力も生活や業務に必要なレベルで試験等により確認されます。
特定技能1号では、基本的に家族の帯同は認められていません。
受け入れ機関や登録支援機関による支援が求められる点も特徴です。

特定技能2号

特定技能2号は、より熟練した技能が要求される業務に従事する、外国人を対象とした在留資格です。
在留期間は3年、1年、または6ヶ月ごとに更新が可能です。
技能水準に関しては試験等による確認が必要ですが、日本語能力の確認は不要とされています。
 
家族の帯同は、特定の要件を満たせば可能であり、配偶者や子どもの同伴が認められています。

なお、特定技能2号では、特定技能1号のような受入れ機関や登録支援機関による支援は対象外とされています。

特定産業分野

特定技能外国人を受け入れる分野は、国内での人材確保が困難で、生産性向上や人材確保のための取り組みを行っても、人材不足が続いている特定産業分野です。

具体的には、以下12の分野が指定されています。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

特定技能1号は12分野での受け入れが可能であり、2023年8月31日の関係省令施行により、特定技能2号の受け入れ分野も上記11分野(介護を除く)で可能となりました。
 
※参照元:公益財団法人 国際人材協力機構


関連記事:特定技能は12分野14業種!職種一覧と1号・2号の違い


特定技能「外食業」とは


特定技能「外食業」は、日本国内の飲食サービス業において、一定の専門性や技能を有する外国人労働者を受け入れるための制度です。
日本標準産業分類に基づき、食堂、レストラン、ファーストフード店など、幅広い飲食業での就労が可能です。
 
制度の細かな条件を以下にまとめました。

雇用形態
報酬要件
受け入れ人数
直接雇用限定
日本人と同様の賃金が支払われる

5年間で最大53,000人

派遣形態の雇用は認められておらず、直接雇用に限定されています。
また、外食業での外国人労働者は、調理、接客、店舗管理など、飲食店運営に関わる幅広い業務に従事することができますが、風営法に規定されるような接待業務は禁止されています。
 
報酬に関しては、外国人労働者にも日本人と同等の待遇を保証することが求められています。
外国人に対する低賃金での雇用を禁止し、公正な労働環境を確保するための措置です。
能力が同等であれば、外国人にも日本人と同様の賃金が支払われます。
また、給与の支払いは銀行振込によって行うことが義務付けられています。
 
受け入れ見込み数は、5年間で最大53,000人と定められており、数値は今後5年間の受入れ上限として設定されています。

対応する業種・業務、対応できない業務

外食業に従事する外国人は、一般的な業務のほとんどを行うことが可能です。
対応する業種や業務、対応できない業務について、以下の表にまとめました。

対応する業種

食堂・レストラン・料理店・喫茶店・ファーストフード店・テイクアウト専門店・宅配専門店・仕出し料理店など

対応可能業務

対応できない業務

飲食物の調理・接客・店舗管理
(食材の仕込み、加熱調理、非加熱調理、調味、盛り付け、飲食料品の調製、席への案内、メニュー提案、注文の受付、配膳、下膳、カトラリーセッティング、代金の受取り、商品の受け渡し、食器・容器の回収、予約受付、客席のセッティング、苦情対応、給食事業所での提供先との連絡・調整など)

原料の調達、受入れ、配達作業等に特化して従事すること

また、特定技能外国人が従事する業務は、フルタイム(労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であり、週労働時間が30時間以上)であることが求められています。
これにより、継続的な育成やスキルの蓄積を行うことができ、日本人と同様の業務内容で働くことが可能です。

特定技能「外食業」分野ができた背景

特定技能「外食業」分野の設立は、外食業界における深刻な人手不足に対応するための重要な措置です。
外食業界では、従業員が直面する多くの課題があり、それが人材不足を引き起こしています。

低賃金の問題

まず、外食業界では低賃金の問題があります。
平均年収が他の業界と比較して低く、下位に位置しています。
そのため、特に若年層の労働者は、より良い給与条件を求めて他業界へ流出してしまう傾向にあります。
 
また、外食業界の人件費は高く、人材の確保と維持に相応のコストがかかる一方で、材料費やテナント料などの定期的な出費も経営に負担をかけています。

労働環境の厳しさ

労働環境の厳しさも、外食業界の人手不足の原因となっています。
長時間の拘束にもかかわらず、給料水準は低く、休暇の取得も困難です。
例えば、外食業界の年間休日は平均97日程度で、他業界の平均108日と比べても少ない状態です。
 
このような厳しい労働環境は、従業員の体と心の負担を増やし、疲弊して退職するケースも少なくありません。
人手不足が進むと、残された従業員にさらなる負担がかかり、労働条件の悪化を招く悪循環が生じています。

「外食業」分野ができた背景

このような状況を背景に、外食業界での人手不足解消のためには、新たな手段が必要とされていました。
 
そこで、外食業界の人材不足に対応する一つの解決策として、外国人労働者の受け入れが注目され、特定技能制度の対象分野として外食業が設定されました。
当時の特定技能制度対象は14分野でしたが、外食業界の深刻な人手不足の状況を反映し、制度に含まれることになったのです。
 
以降、外国人労働者が日本の外食業界で活躍する道が開かれ、業界全体の人材不足問題の緩和に寄与することが期待されています。

受入れ企業(特定技能所属機関)側の要件

特定技能外国人を雇用する際、受け入れ企業(特定技能所属機関)は、いくつかの要件を満たす必要があります。
これらの要件は、外国人労働者の適切な雇用と支援を保証し、福祉と権利を守るために設けられています。

受入れ体制の基準

受入れ体制の基準としては、まず外国人と結ぶ雇用契約が適切でなければなりません
また、報酬額が日本人と同等以上であることが含まれます。
さらに、機関自体が適切であることも求められ、具体的には過去5年間に出入国や労働法令違反がないことなどが条件とされています。
 
そのほか、外国人労働者を支援する体制の整備が必須であり、必要な支援を登録支援機関に委託することも可能です。
具体的には、外国人が理解できる言語での支援が含まれます。

受入れ企業の義務

受入れ企業にはいくつかの義務があります。

外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、報酬を適切に支払うことが求められます。
また、上述したように外国人への支援を実施することが義務付けられており、支援を登録支援機関に委託することも可能です。
加えて、出入国在留管理庁への各種届出も受入れ企業の責任とされています。

支援体制の構築

受入れ企業は、特定技能外国人を適切に支援する計画を立てることが要求されています。
具体的には、生活オリエンテーションなどを含む支援内容となります。

また、特定技能制度の適切な運用を図るため、分野ごとに所管省庁が設置する協議会への加入が必要です。
構成員の連携や制度の周知、法令遵守の啓発などが含まれ、初回の受け入れから4ヶ月以内に加入することが規定されています。

特定技能「外食業」の取得要件

特定技能「外食業」を取得するためには、一定の要件を満たす必要があります。
これらの要件は、外食業界における特定技能1号の受け入れに限定され、学歴や職歴は関係がありません。

特定技能1号を持つ者だけが対象となり、18歳以上の男女であることが基本的な要件です。
加えて、日本語能力試験と技能水準試験に合格する必要があります。

「日本語能力試験」と「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格する

まず日本語能力試験に合格することが必須です。国内の場合、日本語能力試験N4以上の合格が求められます。
国外の場合も日本語能力試験N4以上の合格、または国際交流基金日本語基礎テストに合格している必要があります。
 
加えて、外食業特定技能1号技能測定試験に合格することが必要です。
試験は、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)により実施され、申込はOTAFFのホームページから行います。
 
また、特定技能を取得するルートは2種類あります。
一つは、外食業特定技能1号技能測定試験および、日本語能力試験に直接合格する方法です。
もう一つは、技能実習2号を修了し、特定技能1号へ移行する方法です。
特に外食業分野への移行対象は「医療・福祉施設給食製造職種」に限られ、国籍は関係ありませんが、海外現地での試験実施状況や国ごとの採用ルールに注意が必要です。
また、短期滞在ビザで来日し、日本で受験する方法もあります。
 
「医療・福祉施設給食製造職種」の技能実習2号を良好に修了した場合は、外食業の業務で必要な専門性・技能を有すると評価され、技能試験と日本語試験の免除が可能です。
ただし、医療・福祉施設給食製造技能実習評価試験の実技試験に合格していない場合、技能試験及び日本語試験を受験し合格するか、実習実施者が作成した技能等の修得を評価した文書の提出が必須となります。

これらの要件を満たすことで、特定技能「外食業」の在留資格の取得が可能となります。

「日本語能力試験」について

特定技能「外食」の資格取得には、日本語能力の証明が必須です。
「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(200点以上)」、いずれかの合格が求められます。
どちらの試験を受験しても構いませんが、いずれも日本語の基礎知識と実践的なコミュニケーション能力が問われます。
 
日本語能力試験では、日本語の文字や語彙、文法の知識だけでなく、その知識を利用してコミュニケーション上の課題を遂行できるかどうかが評価されます。
具体的には、言語知識を測る「言語知識」試験、読解能力を測る「読解」試験、聴解能力を測る「聴解」試験の3つの要素によって、日本語のコミュニケーション能力が総合的に評価されます。
 
※参照元:日本語能力試験

「外食業特定技能1号技能測定試験」について

外食業特定技能1号技能測定試験は、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)によって運営され、日本国内だけでなく海外の複数の国々でも実施されています。

以下の表は、試験内容や受験資格、受験料などを簡単にまとめたものです。

試験内容

接客全般・飲食物調理・衛生管理

受験資格

在留資格所有者で17歳以上

受験料

7,000円

合格基準

満点の65%以上の得点率

学習方法

一般社団法人日本フードサービス協会が提供する外食業技能測定試験学習用テキストの活用を推奨
 
試験内容は以下の3分野に焦点を当てています。


受験者は、希望職種に合わせて試験内容を選択できるようになっています。

受験資格は在留資格を持っており、試験日に17歳以上であることが条件です。
短期滞在ビザを持つ外国人も受験可能ですが、不法滞在者は受験できません。
 
受験料は個人負担で7,000円と定められており、受験者が費用を支払う必要があります。
ただし、企業が受験料を負担することも可能です。
合格基準は、満点の65%以上の得点率です。また、カンニングなどの不正行為を行った場合、5年間の受験資格剥奪などのペナルティが科されます。
 
試験の学習方法については、一般社団法人日本フードサービス協会が提供する外食業技能測定試験学習用テキストを活用することが推奨されています。
このテキストは、試験に必要な知識や技能を網羅しており、受験者が試験の準備を行う上で大いに役立つでしょう。
 
試験は年に3回程度実施され、1月、6月、10月頃に行われることが多いです。
申込はOTAFFのホームページから行い、事前にマイページでの登録が必要です。
試験は日本国内の複数会場と、海外のフィリピン、インドネシア、ネパール、ミャンマー、カンボジア、タイ、スリランカなどで実施されています。

詳しい情報は法務省のホームページで確認しましょう。

HACCP(ハサップ)についての知識も問われる

特定技能「外食業」の取得において、HACCPの基本知識と具体的な運用方法についての知識を身につけることが求められます
HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、食品の安全性を確保するための国際的な基準です。
食品製造・加工における安全性を高めるため、食品業者が食中毒や異物混入などの危険要因を事前に把握し、それらを軽減、または除去するための管理方法を定めています。
 
2021年6月までにHACCPの導入が義務化されたため、大手食品メーカーから個人経営の居酒屋まで、幅広い食品事業者が対象となりました。
従って、外食業界で働く上でHACCPに関する知識は必須となり、特定技能「外食業」の取得要件として重要視されています。

特定技能外国人の採用までの流れ

特定技能外国人を採用する流れは、海外にいる外国人を日本に呼び寄せて雇用する場合に特に重要です。
外国人が試験に合格していることが前提となります。

  1. 「特定技能雇用契約」を締結
  2. 特定技能外国人の支援計画を作成
  3. 事前ガイダンスを実施
  4. 在留資格を申請&「在留資格認定証明書」を外国人に郵送する
  5. 外国人が現地で査証(ビザ)を申請
  6. 外国人が来日して就労スタート

 まず、企業はオンライン面接などを通じて採用する外国人を決定し、「特定技能雇用契約」を締結します。

続いて、企業は「1号特定技能外国人支援計画」を作成します。
外国人が日本での業務にスムーズに従事し、問題なく日常生活を送れるようにサポートを計画したものです。
計画書は外国人にも提供し、内容を十分理解し署名をもらう必要があります。
そのため、計画内容は外国人が理解できる言語で説明することが求められます。
 
次に、企業はテレビ電話などを利用し、外国人と事前ガイダンスを実施。
健康診断も受診させます。
ガイダンスは特定技能外国人支援計画に含まれるサポートの一環です。
 
その後、企業は在留資格認定証明書交付申請書を提出し申請します。
提出先は管轄の出入国在留管理庁となります。
「在留資格認定証明書」が交付され次第、海外にいる外国人本人に郵送します。
 
外国人は「在留資格認定証明書」をもって現地の日本大使館等で査証(ビザ)を申請し、受け取ります。
全ての手続きが完了次第、外国人は査証と在留資格認定証明書を持って来日し、就労を開始します。
 
上記のプロセスの中で、特定技能外国人支援業務は、登録支援機関に委託することも可能です。
事前ガイダンスや健康診断の手配、在留資格申請のサポートなど、煩雑な業務を代行してもらえるため、企業側の負担を軽減することが可能に。
委託を行うことで、企業は外国人労働者の採用に関する手続きを効率的に進めることができ、外国人労働者も安心して日本での生活と、就労をスタートさせることができるでしょう。

関連記事:特定技能外国人を採用する際の流れとかかる費用を解説

外国人は人手不足解消の大きな要となる

いかがでしたでしょうか。
外国人労働者に国内で働いてもらうには、採用企業側も外国人本人も、いくつかのステップを踏まなければいけないことが、お分かりいただけたかと思います。

スタッフ満足では、採用企業側、外国人の支援を行う登録支援機関としての役目を果たしています。
特定技能外国人の採用をお考えの場合は、ぜひスタッフ満足へお問い合わせください。

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