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ミャンマー人を特定技能で雇用するメリットや注意点をチェック

人材不足に困っているものの、なかなか日本人の採用が決まらないと悩んでいる企業さまもいるでしょう。そういった場合は、外国人の採用も検討してみてはいかがでしょうか。
 
人材不足が問題となっている産業分野での外国人採用を進めるため「特定技能」と呼ばれる在留資格があります。
ここでは「外国人の中でもミャンマー人の採用を検討したいが、わからないことや不安がある」といった企業さまのため、ミャンマー人の特徴や採用のメリット、注意点、採用の流れなどを解説します。
 
この記事を読むことによってどのような形で特定技能を活用した採用を行っていけば良いのかがわかるので、ぜひご覧ください。



目次[非表示]

  1. 1.特定技能のミャンマー人の現状
  2. 2.ミャンマー人の特徴
    1. 2.1.思いやりの精神が根づいている
    2. 2.2.性格が温和
    3. 2.3.叱られるのは苦手
  3. 3.特定技能でミャンマー人を採用するメリット
    1. 3.1.勤労意欲が高い
    2. 3.2.日本語レベルが高い
    3. 3.3.親日
    4. 3.4.介護職の人気が高い
    5. 3.5.平均年齢が低い
  4. 4.特定技能でミャンマー人を採用する際の注意点
    1. 4.1.海外労働身分証明カード(OWIC)の申請が必要
    2. 4.2.特定技能人材に対応していない送り出し機関がある
  5. 5.特定技能でミャンマー人を採用する流れ【現地在住】
    1. 5.1.求人票の許可・承認
    2. 5.2.送り出し機関が現地で採用活動を始める
    3. 5.3.雇用契約の締結
    4. 5.4.在留資格認定証明書の交付申請
    5. 5.5.海外労働身分証明カード・ 査証発給申請
  6. 6.特定技能でミャンマー人を採用する流れ【日本在住】
    1. 6.1.雇用契約の締結
    2. 6.2.パスポートの更新申請
    3. 6.3.在留資格変更許可申請
  7. 7.特定技能でミャンマー人を採用する場合の費用
    1. 7.1.ミャンマー現地から採用する場合
    2. 7.2.国内在住者を雇用する場合
  8. 8.特定技能を活用するメリットは多い

特定技能のミャンマー人の現状

まずは、日本ではどれくらいのミャンマー人が特定技能の在留資格で働いているのか紹介しましょう。
 
出入国在留管理庁が発表している令和5年6月末時点のデータを見ていきます。特定技能1号在留外国人のうち、ミャンマー人は8,016人です。
 
分野ごとに見てみると特に多いのは介護分野で2,877人、続いて飲食料品製造業分野が2,576人となっています。
この2つの分野が特に多く、次に多い分野である外食業分野では843人、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野では577人と一気に人数が少なくなるのが特徴です。
 
人数の少ない分野を順に見ていくと、漁業分野は0人、航空分野が20人、造船・舶用工業分野が23人でした。特定技能1号在留外国人数の総数は173,089人です。
このうち、ミャンマー人は全体の8.6%を占めています。全体の56.3%を占めるベトナム人や、14.6%を占めるインドネシア人と比較すると数は多くありません。

参考:出入国在留管理庁:特定技能在留外国人数[PDF]

ミャンマー人の特徴

ミャンマー人と触れ合ったことがなく、どういった国民性なのかわからないといった方も多いでしょう。

そこで、性格の特徴や国民性について紹介します。

思いやりの精神が根づいている

多くのミャンマー人は仏教徒であり、他社に対して思いやりの心を持っています。
仏教では徳を積むとの考え方があることから、それに反する行為は基本的に行いません。

また、家族を大切にする気持ちが強く、親や年長者を敬う心も強いです。

性格が温和

温和な方が多いことから、積極的に自己主張をするというよりも、おとなしく、控え目な印象の方が多いです。
感情にまかせて人前で怒るようなこともあまりありません。

協調性があり、性格は日本人とよく似ているともいわれます。

叱られるのは苦手

もともと温和な性格もあり、怒ることが少なく、だからこそ怒られることにも慣れていません。

基本的にミャンマーにおいて叱るのは両親や教員の立場にある人です。
そのため、例えば仕事中に何か大きなミスをしてしまったとしても、周りの人がいる前で大きな声で怒るとひどく傷付けてしまう可能性があります。

特定技能でミャンマー人を採用するメリット

特定技能でミャンマー人を採用している企業はたくさんあります。

ここでは、代表的なメリットを5つ解説します。

勤労意欲が高い

ミャンマー人には勤労意欲が高い方が多いです。
これは、ミャンマー人が持つ勤勉さが大きく関係しています。
 
また、ミャンマーは平均賃金が高いとはいえません。
そのため、日本でたくさん稼いで国にいる家族を支えたいという気持ちを持っています。
日々まじめに働くことによって家族は楽ができるという思いをモチベーションにしている方もいます。
 
近年、日本人は就職してもすぐに退職してしまうことが多く、企業によっては日本人従業員の勤労意欲の低さに問題を感じているケースもあるでしょう。
実際に日本人の勤労意欲は低いとされています。
 
総合人材サービスを展開するランスタッド株式会社が行った調査によると、自分の会社で昇進したいと考える日本人労働者はわずか29%であり、これは世界最低の数字でした。
キャリアアップを望んでいる割合も少なく、上を目指すというよりも現状維持のために働いている人が多い状況です。[1]
 
勤労意欲が高いミャンマー人を採用することにより、日本人従業員にとっての刺激になることも期待できます。

[1]参考:ランスタッド:【労働者意識に関するグローバル調査】世界でも最下位、日本人の出世欲低下が顕著にランスタッド・ワークモニター 2022年上半期が発表

日本語レベルが高い

ミャンマー人の中には、日本語レベルが高い方も多くいます。
外国人を採用する上で大きな問題になるのが、言葉の壁です。
言いたいことが伝わらないと仕事の指示も出しにくく、業務が滞ってしまう可能性があります。
 
ですが、ミャンマー語(ビルマ語)は、日本語の文法と似ていることから、日本語の上達が速いのが魅力です。
ミャンマー語は280音で構成されていて、その中には日本語の50音と似ているものもあります。
そのため、自国語の中から日本語と似ているものを選んで覚えられるのも日本語の上達スピードが速い理由です。
 
言葉の壁は採用する側だけではなく、労働者側からみても大きな問題になります。
何を言われているのかわからないと積極的に業務にあたることができません。
ですが、他国と比べると日本語の習得能力が高いため、言葉を覚えやすいといった理由から日本を選択する方もいるようです。

親日

ミャンマー人は、親日な国民性を持っています。現地では日本のアニメや漫画が人気です。
そのため、日本に来る前から日本に対して親しみを持っている方も多くいます。
 
日本に対して好意的な印象を抱いていることから、一緒に働くにあたり、働きやすさを感じるでしょう。

日本人従業員と良好な関係を築いてくれるような人材を採用したいと考えている場合にも向いています。

介護職の人気が高い

日本で特に人材不足が問題になっている分野として、介護の分野が挙げられます。
介護の仕事は体力も必要とすることから、十分な人材の確保が求められる分野です。
 
日本ではさまざまな分野でミャンマー人が働いていて、その中でも人気が高いのが、介護職です。これは、仏教の教えの中に「人のために重労働を行うことによって徳が積める」との考え方があるためといえます。
 
介護は、まさに人のために行う重労働が中心となる分野です。
そのため、自分から進んで介護分野などの職種を選択する方が多いです。

介護の分野は、日本人にとって人気とはいえません。
そのため、人材不足に悩んでいるのであれば、特定技能でミャンマー人を採用することも検討してみてはいかがでしょうか。

平均年齢が低い

ミャンマー人を採用する大きなメリットの一つに、平均年齢が低いことが挙げられます。
 
日本人の平均年齢は47.9歳です。[2]
企業によってはこれよりも平均年齢が高くなっているケースもあるでしょう。
 
一方で、ミャンマー人の平均年齢は27歳です。[3]
若年層に人口が集中しているので、パワフルな人材の採用につなげることもできます。
平均年齢が低いということは、若い方を採用できれば長く自社で活躍してもらえる可能性が高いともいえるでしょう。
 
特定技能は、2号に移行すれば更新の期限がなくなります。
そのため、更新し続けることにより、永住権の取得を目指すことも可能です。
また、2号は家族を呼ぶことも可能となっているため、将来的に家族とともに日本で暮らすため、永住権の取得を目指し特定技能2号を検討している方もいます。
 
若い人材の採用につなげたいと考えている場合にも、特定技能資格を有するミャンマー人の採用を検討してみることをおすすめします。

[2]参考:国立社会保障・人口問題研究所:表12-8 都道府県別人口の平均年齢,中位数年齢および年齢構造指数:2021年

[3]ミャンマー・ユニティ:なぜミャンマーなのか?


特定技能でミャンマー人を採用する際の注意点

ミャンマー人を採用するにあたり、注意点が2つあります。以下を確認しておきましょう。

海外労働身分証明カード(OWIC)の申請が必要

すべてのミャンマー人は、海外労働をする際に「OWIC(Overseas Worker Identification Card)」と呼ばれる海外労働身分証明カードの申請を行わなければなりません。
 
気をつけなければならないのが、発行には2週間~数ヶ月程度かかる点です。
 
まず、外国人が日本に上陸して行おうとしている活動が上陸条件に適合していることを認めた場合には在留資格認定証明書が発行されます。
特定技能として採用する場合も在留資格認定証明書交付申請を行って発行してもらうことになるのですが、有効期限は3ヶ月しかありません。
そのため、先にOWICの発行を済ませておかないと間に合わなくなってしまう可能性があります。注意しておきましょう。

特定技能人材に対応していない送り出し機関がある

送り出し機関とは、日本の技術や知識といったものを習得したい外国人を募集し、日本に対して送るための機関です。

ですが、ミャンマーにあるすべての送り出し機関が特定技能人材に対応しているわけではありません。
3分の1位程度しか対応していないため、事前に対応している認定送り出し機関の確認が必要です。

特定技能でミャンマー人を採用する流れ【現地在住】

現地在住のミャンマー人を特定技能で採用する際の流れはどうなっているのでしょうか。

以下のように進みます。

求人票の許可・承認

あらかじめミャンマー政府から認定を受けている送り出し機関と契約を締結しましょう。
続いて企業が求人票を作成します。求人票は送り出し機関を通じて提出され、審査、承認を受けることとなります。

送り出し機関が現地で採用活動を始める

求人票が承認されたら送出し機関が現地で採用活動を行います。

求人票の内容に沿って人材を探してもらうことになるため、内容はよく検討が必要です。
なお、面接は基本的にオンラインで行うことになるでしょう。

雇用契約の締結

求めている人材が見つかれば雇用契約を締結します。
契約を締結するのは、内定が確定し、業務内容や賃金などの労働条件に本人が合意してからです。

在留資格認定証明書の交付申請

受け入れ企業が在留資格認定証明書の交付申請を行います。
本社住所を管轄する出入国在留管理局に申請しましょう。

海外労働身分証明カード・ 査証発給申請

在留資格認定証明書が交付されたら、当該ミャンマー人に原本を送付しましょう。

在留資格認定証明書を受け取った本人が海外労働身分証明カード(OWIC)の申請を行います。
その後、本人が大使館や領事館などで特定技能に係る査証発給申請を行う形です。

特定技能でミャンマー人を採用する流れ【日本在住】

海外から呼び寄せるのではなく、すでにその他の在留資格を取得し日本で暮らしているミャンマー人を採用する方法もあります。

以下の流れで採用が進みます。

雇用契約の締結

求めている人材が見つかったら、雇用契約を結びます。
日本在住の方であれば現地の送り出し機関を通す必要はありません。

パスポートの更新申請

パスポートの更新申請が必要です。当該ミャンマー人本人が行います。

在留資格変更許可申請

地方出入国在留管理官署に対し、当該ミャンマー人が在留資格変更許可申請を行います。
 
なお、採用の流れは非常に複雑です。スムーズな採用につなげるためにも人材紹介会社に任せることを検討してみてはいかがでしょうか。
スタッフ満足でもご相談を受け付けているので、ぜひご連絡ください。

特定技能でミャンマー人を採用する場合の費用

特定技能でミャンマー人を採用する場合は、どの程度の費用がかかることになるのでしょうか。

ミャンマー現地から採用する場合と、国内在住者を雇用する場合をそれぞれ解説します。

ミャンマー現地から採用する場合

現地から採用する場合の一般的な相場は以下の通りです。

費用項目

費用相場

送り出し機関への手数料

20〜60万円

人材紹介の手数料

30~60万円

渡航費用

実費

在留資格申請費用

10〜20万円

住居準備費用

初期費用全般(住居の家賃によって異なる)

事前ガイダンス等の費用

1.5〜4万円

支援委託費用

2〜4万円/月

在留資格更新費用

4〜10万円

国によっては送り出し機関の利用が義務づけられていないところもありますが、ミャンマーは必須です。
そのため、送り出し機関への手数料がかかります。
 
渡航費は、時期や航空会社によって異なります。企業側で負担することは義務付けられていませんが、どうしても渡航費を負担してくれる企業の求人の方が人気です。住居準備費用についても同様です。
 
また、送り出し機関の中にはこれらは企業負担とするように求めるところもあるので、確認しましょう。

国内在住者を雇用する場合

国内在住者を雇用する場合は、以下が相場となります。

費用項目

費用相場

人材紹介の手数料

30~60万円

在留資格申請費用

10〜20万円

事前ガイダンス等の費用

1.5〜4万円

支援委託費用

2〜4万円/月

在留資格更新費用

4〜10万円

海外から招くわけではないので、送り出し機関を通す必要がありません。
また、渡航費用もなくなるので、費用を大幅に抑えることが可能です。

ただ、住居の準備は必要となる可能性がある点にご留意ください。

特定技能を活用するメリットは多い

いかがだったでしょうか。

在留資格である特定技能でミャンマー人を採用する場合のポイントやメリット、注意点などを紹介しました。採用にあたりおさえておきたいことをご理解いただけたかと思います。
ミャンマー人は勤労意識が高いことや、日本語レベルが高いなどの理由から、特定技能でミャンマー人を採用することによって企業の労働力不足解消が期待できます。
 
ただ、特定技能は手続きが複雑なこともあり、自社ですべて行うのは難しいと感じるケースもあるでしょう。そういった場合は、スタッフ満足をご利用ください。
ミャンマーのほか、ベトナム、フィリピン、ネパール、インドネシア、さらには国内から条件に合う人材が探せます。採用から教育まで総合的に支援しているので、ぜひご相談ください。

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