
特定技能外国人をアルバイトで採用できる?
日本の人手不足解消策の一つとして、特定技能外国人の雇用が注目されています。
特定技能とは、介護など人手不足が深刻な16分野に外国人を受け入れるために設けられた在留資格です。
しかし、特定技能外国人をアルバイトで採用することはできません。
この記事では、その理由と、アルバイトが可能な在留資格について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.特定技能外国人はアルバイトで採用できる?
- 2.契約社員としての採用は可能
- 3.外国人をアルバイトで採用するための資格
- 3.1.身分・地位に基づく在留資格を持っている
- 3.2.留学
- 3.3.家族滞在
- 3.4.「技術・人文知識・国際業務」「技能」
- 3.5.特定活動
- 4.資格外活動許可申請について
- 5.資格外の就労は罰則の対象に
- 6.まとめ
特定技能外国人はアルバイトで採用できる?
特定技能外国人を雇用する場合、以下の労働条件を満たす必要があります。
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特定技能制度は、日本の人手不足解消を目的とした仕組みのため、原則としてフルタイム勤務が義務付けられています。
このため、アルバイト雇用は認められていません。
ただし、特例として農業・漁業分野では派遣雇用が可能です。
「農業」と「漁業」は派遣で採用可能
農業・漁業分野に限り、派遣形態での雇用が認められています。
これらの分野では、繁忙期と閑散期の業務量の差が大きいためです。
例えば農業の場合、収穫期に労働力が集中して必要になります。
閑散期には作業量が減少するため、その間は派遣での雇用が特例で認められているのです。
特定技能外国人を派遣で雇用する場合は、派遣元・派遣先の双方が、出入国在留管理庁の規定要件を満たす必要があります。
<派遣元企業に係る要件>
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<派遣先企業に係る要件>
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参照元:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」
この派遣雇用の仕組みを正しく活用することで、特定技能外国人の適切な就労を実現し、労働力不足を効率的に補えるでしょう。
また農業・漁業分野の特定技能外国人を派遣で雇用する場合も、派遣先での労働時間はフルタイムでなければいけません。
また派遣元の企業は、労働基準法や社会保険法令を遵守する必要があります。
関連記事:特定技能は派遣で雇用できる?派遣先、派遣元の注意点を解説
契約社員としての採用は可能
特定技能外国人は契約社員として雇用可能ですが、以下の条件を満たす必要があります。
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なお、派遣形態は農業・漁業分野以外では認められていません。
外国人をアルバイトで採用するための資格
アルバイト採用が可能な在留資格は次のとおりです。
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それぞれ詳しく解説します。
身分・地位に基づく在留資格を持っている
身分・地位に基づく在留資格を持つ外国人は、日本で自由に就労できます。
対象の在留資格は次のとおりです。
身分・地位に基づく在留資格 |
特徴 |
永住者 |
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日本人の配偶者等 |
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永住者の配偶者等 |
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定住者 |
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これらの資格を持つ外国人は法律上の制限がないため、アルバイトとして採用できます。
留学
留学生ビザを持つ外国人は、基本的には就労が認められていません。
なぜなら、日本の大学や専門学校、日本語学校等の教育機関で学ぶことを目的とした在留資格だからです。
ただし「資格外活動許可」を取得することで、週28時間以内のアルバイトが可能になります。
また、長期休暇中は1日8時間まで労働時間が拡大される場合もあります。
アルバイトが学業に悪影響を及ぼさないよう配慮しましょう。
留学生から特定技能へ移行する方法
留学生が特定技能に移行するには、在留資格変更申請が必要です。
この際、特定技能の試験(日本語試験および技能試験)に合格しなければいけません。
さらに、雇用契約が特定技能の基準を満たしているかが審査されます。
詳しい手順を知りたい方は「留学生から特定技能への切り替えは可能?必要な手続きや注意点」の記事も参考にしてください。
家族滞在
「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、主に就労ビザを持つ外国人労働者や留学生の配偶者や子どもが対象となります。
この資格では、基本的に就労は認められていません。
ただし「資格外活動許可」を取得すれば、アルバイトが可能になります。
留学生ビザと同様に週28時間以内(長期期間中は1日8時間以内)という制限がありますが、許可を得た範囲内であれば、幅広い職種で働けます。
「技術・人文知識・国際業務」「技能」
「技術・人文知識・国際業務」「技能」の在留資格は、特定の知識や技能を活用した業務を行うために認められるものです。
在留資格 |
詳細 |
技術・人文知識・国際業務 |
エンジニアや通訳など、専門的技術・知識を保有する外国人が取得する在留資各 |
技能 |
外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人など、専門スキルを保有する外国人が取得する在留資格 |
これらの資格を持つ外国人がアルバイトをする場合は、原則として資格の範囲内の業務に限られます。
例えば「技能」の在留資格で外国料理の調理師として就労している外国人は、同じ調理分野のアルバイトができます。
一方で、全く異なる分野の仕事を行う場合には「資格外活動許可」が必要になります。
特定活動
「特定活動」の在留資格は、外国人が特定の目的で日本に滞在し、就労を含む活動を行う場合に付与されます。
この資格には、法定特定活動、告示特定活動、告示外特定活動の3種類があり、それぞれ活動内容や条件が異なります。
例えば就職活動を目的とする「特定活動」の在留資格を持つ外国人は、事前に資格外活動許可を取得していれば、アルバイトとして雇用することが可能です。
ただし、風俗営業を行う場所での就労は認められていません。
また新型コロナウイルス感染症の影響を受けた外国人については、就職活動を目的とする「特定活動」への在留資格変更が認められる場合があります。
具体的な対象者は次のとおりです。
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参照元:出入国在留管理庁「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による雇用状況の悪化のため解雇,雇い止め,自宅待機等となった方について」
特定活動にはさまざまな種類があります。
アルバイトが可能な特定活動かは、パスポートに添付されている指定書を確認してください。
もし就労不可の特定活動でも、資格外活動許可申請を行えば、アルバイトとして採用可能です。
資格外活動許可申請について
資格外活動許可は、在留資格の目的外の業務に従事する場合に必要なものです。
許可を取得していない外国人がアルバイトをすると、資格外活動罪に該当する可能性があります。
資格外活動許可は、地方出入国在留管理官署で申請可能です。
提出書類や詳細は出入国在留管理庁の「資格外活動許可について」を確認してください。
審査には数週間かかる場合もあるため、早めの準備が重要です。
資格外の就労は罰則の対象に
資格外活動許可を取得せずに就労を行った場合、労働者本人だけでなく、雇用主にも厳しい罰則が科される可能性があります。
不法就労助長罪に問われると、雇用主には3年以下の懲役、300万円以下の罰金が科されます。
そのため、外国人人材を採用する際には必ず在留カードの裏面を確認し、資格外活動許可が記載されているか確認してください。
許可が確認できない場合は、雇用開始前に資格外活動許可の申請手続きを進めましょう。
まとめ
特定技能外国人は原則として正社員での雇用が求められます。
外国人をアルバイト雇用したい場合は、その方がアルバイト可能な在留資格を保有していなければいけません。
ただし、アルバイトには週28時間以内の労働時間制限や仕事内容の制限があります。
また資格外活動許可を受けずに就労させると、不法就労罪のリスクがあります。
そのため、労働力を安全に確保するには、特定技能外国人の雇用がおすすめです。
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