特定技能「介護」の概要|採用のメリットや基準も紹介
人員不足の解消が問題となっている介護業界では、特定技能や在留資格という形で外国からの人材・労働者を受け入れています。
特定技能と呼ばれる資格は介護以外の分野にも適用されていますが、今回は介護領域の雇用形態や受け入れ人数といった要件を詳しく解説していきます。
有資格者を採用するメリット・デメリット、現状についても取り上げていますので、介護分野で外国人を受け入れようと検討中の企業さまは、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.特定技能「介護」とは
- 1.1. 雇用形態
- 1.2.受け入れ人数
- 1.3.業務範囲
- 1.4.要件
- 1.5.受け入れ可能な施設形態
- 2.特定技能「介護」に関する現状について
- 3.特定技能「介護」の有資格者を採用するメリット
- 3.1.人員不足解消につながる
- 3.2.即戦力として活躍する可能性がある
- 4.特定技能「介護」の有資格者を採用するデメリット
- 4.1.育成が難しい
- 4.2. 煩雑な手続きが必要
- 4.3. 訪問系サービスでは働けない
- 5.特定技能以外の介護に関する在留資格
- 6. 特定技能「介護」の試験概要
- 7.特定技能「介護」受け入れのために事務所側に求められる基準と義務
- 8.特定技能「介護」についてよくある質問
- 8.1.特定技能「介護」で雇用した外国人は5年後どうなりますか?
- 8.2.技能実習生と特定技能の介護の違いは何ですか?
- 8.3.特定技能「介護」の外国人を採用する費用の相場は?
- 8.4. 特定技能「介護」の外国人の給料はいくらが相場ですか?
- 9.特定技能に関する要件を確認し採用活動につなげる
特定技能「介護」とは
特定技能「介護」は、深刻な人材不足を解消するために2019年に新設された特定技能制度の領域の一つです。特定技能は計16分野、1号と2号に分かれており、1号に認定された人材はさらに日本語能力と技術を磨いて2号を目指します。
ただし、2号資格には介護が含まれていません。
これは、ほかに在留資格「介護」があるからです。
特定技能2号が認められるのは、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人と定義づけられています。
在留資格「介護」を取得するためには、介護福祉士の資格を取得することが必須です。
「介護福祉士を取得している=熟練した技能を要している」と捉えられることから、2017年から存在している在留資格「介護」の制度を優先し、特定技能の介護には2号資格が含まれていません。
参照元:出入国在留管理庁「特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定)」
関連記事:介護業界における人手不足の原因と解決のための手立てを解説
雇用形態
特定技能「介護」の外国人労働者に対しては、アルバイトやパート勤務のような雇用形態は認められていません。
必ずフルタイムで直接雇用する必要があり、報酬についても日本人労働者と同様の水準・待遇が求められます。
特定技能「介護」の場合は最大5年の在留期間と決められているため、5年勤務し終えたあとは原則的に母国へ帰国しなければなりません。
特定技能1号として勤務しているあいだに介護福祉士の受験に必要な実務経験3年を満たし、介護福祉士資格を取得できると、在留資格「介護」に移行できます。
在留資格が取得できると制限なく更新がかけられる介護ビザが取得できるようになります。
受け入れ人数
特定技能「介護」外国人の受け入れ人数は、事業所ごとに「日本人等の常勤介護職員の総数」が上限となっています。
企業や法人全体ではなく一つひとつの事業所単位で考える必要があるため、日本人常勤介護職員が10名の場合は最大で10名の特定技能外国人が受け入れられることになります。
ここでいう「日本人等」には、介護福祉国家試験に合格した人や在留資格「介護」によって在留・勤務する外国人のほか、永住者・日本人の配偶者である外国人なども含まれています。
一方、技能実習生やEPA介護福祉士候補者、留学生は日本人等の中に含まれません。
業務範囲
特定技能「介護」では、施設利用者への身体介護とこれに付随する支援業務が業務の範囲となります。
食事や排泄、入浴といった基本的な身体介護に加えて、機能訓練の補助や日常的な介助、レクリエーションの実施も可能です。
また、お知らせやポスターなどの掲示物を管理・貼り出す仕事や物品の補充といった部分も付随的な業務であれば対応することができます。
これまで、特定技能で訪問介護に対応することは認められていませんでした。
ですが、2024年6月19日に行われた厚生労働省による外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会では、訪問介護を認めることなどを盛り込んだ中間まとめを提示しています。
行われた検討会では、日本人と同様に介護職員初任者研修の修了者であることを前提として、一定の条件下で認めることなどが話し合われたとのことです。
詳細についてはまだ定まっていませんが、2025年度の実施を目指している状況です。
※参照元:介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針
※参照元:日本経済新聞:訪問介護、特定技能外国人も可能に 研修の修了など要件
要件
すべての特定技能1号・2号の外国人は、以下に取り上げる8つの基準を満たしている必要があります。
【特定技能人材の共通基準】
|
さらに、特定技能1号のみの基準として以下の2点も確認します。
【特定技能1号人材の基準】
|
関連記事:特定技能1号と2号のビザの違いは?採用前に知りたい注意点を解説
受け入れ可能な施設形態
特定技能「介護」の受け入れ可能施設としては、以下の施設が挙げられます。
【特定技能「介護」の受け入れ可能施設】
|
例えば、特別養護老人ホーム、老人介護保険施設、介護付き有料老人ホーム、デイサービス、グループホームなどでは、特定技能外国人の活用が可能です。
現時点では、訪問系の介護サービスでは受け入れを実施することができません。
ただし、紹介したように特定技能でも2025年度から訪問介護対応できるように話し合いが進められています。
特定技能「介護」に関する現状について
特定技能「介護」資格をもつ外国人の受け入れ実績は、2019年9月の16名から2023年1月には17,066名まで増加しました。
介護産業全体でみれば特定技能がもっとも多く、入管庁の発表では2023年1月末時点の速報値で日本国内に在留する外国人の数は17,066名と報告されています。
試験合格者が多い国はインドネシア(10,051名)・フィリピン(7,499名)・ネパール(3,290名)の順に多く、上位3ヶ国の合格率は78.2%・64.7%・70.7%といずれも全体の6割以上が合格しています。
※参照元:厚生労働省「介護分野における外国人の受入実績等」
特定技能「介護」の有資格者を採用するメリット
特定技能「介護」の有資格者を採用する3つのメリットは以下のとおりです。
人員不足解消につながる
特定技能「介護」は、身体介護とそれに付随する支援業務が可能なため、対応可能な業務が多く現場での人員不足解消につながります。
技能実習の資格では夜勤が制限されていますが、特定技能であれば一人での夜勤も可能です。
さまざまな経験を積みたい外国人にとっても有益であり、国家資格である介護福祉士に合格していなくても就労できるメリットもあります。
特定技能外国人を雇用する企業は生活を支援・サポートする義務もあるため、日本にやってきて適切なサポートが受けられず困ることなく、業務に集中できるようになります。
外国人が集中して業務にあたることで現場の業務もスムーズに回るようになり、サービスの質も向上させられる可能性があります。
関連記事:特定技能外国人を採用する流れ
長期雇用が期待できる
特定技能制度は定期的に見直しが行われており、「介護」については2号資格が存在していません。
しかし、特定技能1号として勤務し、そこから在留資格「介護」へ移行すると、さらに長期での雇用が可能になります。
在留資格「介護」は2020年4月1日に法令が改正され、取得ルートに関わらず介護福祉士の資格を取得すれば認められるようになりました。
そのため、特定技能1号として勤務し、その後介護福祉士の資格を取得できれば介護ビザを取得し、5年・3年・1年・3ヶ月のいずれかの在留期間を選んで更新しながら働けるようになります。
資格の取得に加えて在留も許可されるため、「日本に住みたい」「日本に永住したい」と考えている外国人が、介護分野での就業を選んでくれる可能性は高いと考えられます。
即戦力として活躍する可能性がある
人員不足に悩む介護の現場では、日本語能力が一定レベル以上であり介護の技術ももつ特定技能外国人を即戦力として雇える可能性があります。
ただし、雇用したあとすぐに即戦力として活躍できるとは必ずしも言い切れず、日本語能力や介護技術には個人差があります。
日本人スタッフと同じ水準で日本語のコミュニケーションや介護技術を発揮できるようになるには、長期的な支援・育成が重要です。
施設によって求められるサービスの内容や質も異なるため、採用するだけではなく施設にも慣れ親しんでもらう必要があるでしょう。
一定の技能を習得したあとも長く同じ職場で働けるよう、特定技能外国人にとって働きやすい環境づくりを意識したいところです。
特定技能「介護」の有資格者を採用するデメリット
特定技能「介護」の有資格者を採用する際、育成や手続きといったさまざまなポイントを押さえておく必要があります。
採用企業にとってデメリットになりやすい部分を確認していきましょう。
育成が難しい
特定技能は12分野に分けられていますが、一番コミュニケーションを求められるのが介護分野とされています。
人と人の直接的なコミュニケーションが必要になるため、一定レベル以上の日本語能力が必要となります。
日本人かつ高齢の利用者を介護するため、正しい言葉遣いや目上への接し方、マナーを守った対応も必要になります。
採用後、スムーズに就労をするためには日本語を習得するだけではなく、対応力も磨かなければなりません。
雇用者である企業や団体は、特定技能外国人に対して日本語のほかにマナーや対応力を教えていきます。
文化の異なる外国人に接遇の基礎を教えていくことは簡単ではないため、マニュアルの整備や育成継続が重要です。
関連記事:介護現場で働く外国人と円滑にコミュニケーションをとるコツ
煩雑な手続きが必要
特定技能をもつ外国人を雇い入れるためには、煩雑な手続きを踏まなくてはなりません。
自社で支援体制が整えられていれば雇用ができるとはいっても、実際にはノウハウが少なく登録支援機関に依頼しなければならないケースがみられます。
一例として、特定技能をもつ外国人を募集しようとしても、実際には応募者が一人も見つからない場合があります。
そのような場合は人材紹介会社や登録支援機関のサービスを利用しなければなりません。
外国人の母国ごとの取り決めにも注意が必要です。フィリピンでは海外雇用庁による雇用契約書の事前チェックやガイドラインの遵守が必要となり、海外雇用庁に認可されたエージェントを通さない直接雇用は禁止されています。
エージェントや登録支援機関との契約手続きも必要になると考えると、雇用までには煩雑な手続きを経なければならない可能性があります。
関連記事:登録支援機関とは?登録支援機関の選び方と企業がおさえておくべき各種支援の詳細
訪問系サービスでは働けない
特定技能「介護」は、介護を必要とするさまざまな施設で就労できます。
一方で、訪問系サービスでの就労は認められていません。
すでに厚生労働省では「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」による会合を開き、訪問系サービスへの業務拡大についても議論しています。
将来的にはサービスの範囲が拡大されていくとも考えられますが、現行の制度では認可されていないため注意が必要です。
特定技能以外の介護に関する在留資格
特定技能以外の在留介護の資格には、在留資格・EPA・技能実習がそれぞれ挙げられます。
資格ごとの特徴を確認していきましょう。
資格 |
概要 |
在留資格「介護」 |
通称介護ビザ。日本に滞在して指定の施設に通い、介護福祉士の資格を取得することで取得可能。 |
EPA「特定活動」 |
EPA介護福祉士候補生は資格取得で在留資格「介護」への切り替えができる。 |
技能実習「介護」 |
介護福祉士の資格を取得することにより在留資格「介護」への切り替えができる。 |
在留資格「介護」
在留資格「介護」とは、外国人労働者の受け入れを目的として創設された制度です。
日本国内に滞在し、介護福祉士養成施設に通う外国人留学生が介護福祉士の資格を取得すると、介護ビザと呼ばれるビザが取得できるようになります。
資格と介護ビザをもって在留資格「介護」に認定され、日本国内での在留・就労が可能になります。
「EPA介護福祉士候補生」「技能実習」「特定技能」からも切り替えが行えるため、いずれかに該当する外国人を雇い入れている企業にとっては、在留資格に切り替えてもらうことで雇用が続けられるメリットがあります。
EPA(特定活動)
EPA(特定活動)とは、2008年より特定の国との間で人材の移動などを行い、経済関係を強化していく取り組み「経済連携協定」によって、日本の介護施設で就労・研修を経て国家資格を取得する外国人のことです。
医療や介護業界では、国家資格の取得を目指す看護師・介護福祉士候補者の受け入れが行われており、インドネシア・フィリピン・ベトナムといった送り出し国からやってきた人々がEPA介護福祉士候補者として勤務し、EPA介護福祉士の資格を取得します。
EPA介護福祉士候補生は介護福祉士の資格を取得すれば在留資格「介護」への切り替えが可能となります。
技能実習「介護」
技能実習「介護」は、開発途上国の人材に対して介護に関する技能や知識の移転を図り、経済発展を目指す人づくりへの協力を目的とした制度です。
技能実習「介護」では、実習の実施者である企業や団体が原則3年間同じ人材を雇用し、育成を図ります。技能実習生は介護福祉士の資格を取得すれば在留資格「介護」への切り替えが可能となります。
技能実習期間は最長5年ですが、5年を過ぎると母国に帰国するなどして雇用が終了する可能性があります。長期雇用を行う場合は特定技能や在留資格に切り替えを行わなくてはなりません。
関連記事:技能実習生とは?制度利用前に確認しておきたい問題や受け入れ方法
特定技能「介護」の試験概要
特定技能「介護」の取得には、以下の3つの試験に合格する必要があります。
【特定技能介護に必要な試験】
- 介護技能評価試験
- 介護日本語評価試験
- 日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上)
ただし、介護福祉士養成施設を修了した場合は試験が免除となります。
介護分野の技能実習2号を良好に修了すると特定技能「介護」に移行できるほか、試験が免除されます。
EPA介護福祉士候補者として4年間就労・研修に適切に従事している方も試験が免除となります。
介護技能評価試験
介護技能評価試験は厚生労働省が主催する試験で、特定技能で入国し、介護業務に就く際に一定の専門性・技能及び日本語能力を有しているかを確認するために行われています。
コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式と呼ばれる方式を採用し、コンピューターから出題された問題を画面上に入力して解答します。
原則的に毎月実施されているテストで、日本国内での受験と海外での受験が可能です。
2023年11月末時点で、国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9ヶ国(ベトナム・フィリピン・カンボジア・中国・インドネシア・タイ・ミャンマー・ネパール・モンゴル)等のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整った国で実施されています。
介護日本語評価試験
介護日本語評価試験は厚生労働省が主催する試験で、特定技能で入国し、介護業務に就く際に一定の専門性・技能及び日本語能力を有しているかを確認するために行われています。
コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式と呼ばれる方式を採用し、コンピューターから出題された問題を画面上に入力して解答します。
原則的に毎月実施されているテストで、日本国内での受験と海外での受験が可能です。
2023年11月末時点で、国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9ヶ国(ベトナム・フィリピン・カンボジア・中国・インドネシア・タイ・ミャンマー・ネパール・モンゴル)等のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整った国で実施されています。
日本語試験
日本語試験は、独立行政法人国際交流基金による「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催する「日本語能力試験(JLPT)」のN4以上を取得する必要があります。
JFT-Basic・JLPTともに日本と海外で年複数回実施されています。
介護に使用する日本語とは別に、日本で生活し就労する際に必要となる基礎的な日本語の能力を確認するための試験です。
関連記事:特定技能を取得するための試験とは?試験内容を詳しく解説
特定技能から在留資格「介護」へ移行する方法
特定技能「介護」から在留資格「介護」には、5年間の勤務期間中に介護福祉士の国家試験に合格することで移行が認められます。
介護福祉士の受験資格には実務経験3年以上が必要となるため、最短でも特定技能「介護」として3年間勤務しなくてはなりません。
特定技能「介護」受け入れのために事務所側に求められる基準と義務
特定技能「介護」外国人を受け入れる際、事務所側に求められる基準と義務についても確認していきましょう。
➀受け入れ企業自体の基準 |
|
②雇用契約の基準 |
|
③支援体制の基準 |
|
受け入れ企業が守るべき義務は以下のとおりです。
【特定技能所属機関の果たすべき義務】
|
特定技能「介護」についてよくある質問
介護の分野は人材が不足していることもあり、特定技能外国人の採用を検討している企業も多いでしょう。
ここでは、採用を検討するにあたり、よくある質問について回答していきます。
特定技能「介護」で雇用した外国人は5年後どうなりますか?
特定技能の在留期間は5年までと定められています。
ですが、5年後はすべての特定技能外国人が辞めてしまうわけではありません。
考えられるパターンは、大きく分けて2つです。
1つ目が在留期間の満了により、帰国するパターンです。
特に母国から出稼ぎを目的として日本で働いている外国人の多くは、帰国を検討することになります。
2つ目のパターンが、在留資格「介護」への移行です。
在留期限を迎えてしまえば引き続き特定技能の資格で働くことはできません。
ですが、介護福祉士の試験に合格できれば在留資格を「介護」に切り替え、引き続き日本で働くことが可能です。
ただ、受験資格を得るためには、3年間介護施設で実務経験を積み、介護職員実務者研修の資格を取得しなくてなりません。
介護職員実務者研修の資格取得には3~6か月以上かかります。
なお受験資格は「実務経験3年・介護職員実務者研修の資格」で得ることができますが、日本語レベル(N2レベル相当)の向上も必要です。
在留資格「介護」への移行を勧めるのであれば、受け入れ企業側や登録支援機関の協力も求められます。
技能実習生と特定技能の介護の違いは何ですか?
在留資格である特定技能との違いがわかりにくいと言われるのが、同じく在留資格の技能実習です。
似たようなものと理解している方もいるのではないでしょうか。
ですが、それぞれ以下のような違いがあります。
【技能実習と特定技能の違い】
特定技能 |
技能実習 |
|
制度の目的 |
人手不足が問題となっている産業分野における労働力の確保 |
日本で学んだことを母国に持ち帰り、母国の発展に貢献させる |
在留期間 |
既定のタイミングで更新することで最長5年在留可能。 |
既定のタイミングで試験を受けて合格することで最長5年在留可能。 |
従事可能な業務範 |
身体介護や身の回りの世話などの業務が可能。 |
身体介護や身の回りの世話などの業務が可能。 |
受け入れ可能人数 |
常勤日本人社員の人数まで受け入れ可能。 |
比率による制限があり、常勤社員と技能実習外国人の比率は4:1まで。 |
転職の可否 |
可能 |
原則不可 |
日本語能力 |
日本語試験に合格が必要で日本語能力試験の合格ラインはN4以上 |
入国時の要件はN4程度 |
特定技能と比較すると技能実習の方ができないことが多く、従事可能な人数も限定されることになります。
新規に介護の分野で活躍してくれる外国人を採用していきたいと考えているのであれば、特定技能外国人の採用を検討してみると良いでしょう。
特定技能「介護」の外国人を採用する費用の相場は?
採用にかかる費用相場の目安は以下の通りです。
【特定技能「介護」の採用にかかる費用相場】
費用項目 |
費用相場 |
送り出し機関への手数料 |
20〜60万円 |
人材紹介の手数料 |
30~60万円 |
渡航費用 |
4〜10万円 |
在留資格申請費用 |
10〜20万円 |
住居準備費用 |
初期費用全般(住居の家賃によって異なる) |
事前ガイダンス等の費用 |
1.5〜4万円 |
支援委託費用 |
2〜4万円/月 |
在留資格更新費用 |
4〜10万円 |
上記のうち、すでに日本で暮らしている外国人を採用する場合は、送り出し機関への手数料と渡航費用、住居準備費用はかかりません。
ただ、現在住んでいる所と職場が遠い場合は引っ越しが必要になることもあり、そういった場合は国内在住の外国人であっても住居準備費用が発生することもあります。
関連記事:特定技能外国人受け入れにかかる費用相場とコストダウンのポイント
特定技能「介護」の外国人の給料はいくらが相場ですか?
厚生労働省による令和5年賃金構造基本統計調査を確認してみると、在留資格「特定技能」で働く人の平均賃金は19.8万円でした。[1]
ただし、これは特定技能全体の平均賃金です。
特定技能「介護」で外国人を採用する場合、給料は同様の業務に従事している日本人と同等以上に設定する必要があります。
最低賃金を満たしていれば良いと勘違いしないように注意が必要です。
そのため、相場は業務内容・地域などによって異なります。
現在、日本人が行っている業務を特定技能外国人に任せたいと考えているのであれば、当該業務を行っている日本人従業員に支払っている賃金を参考にすることになるでしょう。
一つの参考にしてみてください。
関連記事:特定技能の賃金・給与の相場と決め方・賃金に関する注意点
特定技能に関する要件を確認し採用活動につなげる
今回は特定技能「介護」の雇用に関するポイントや採用のメリット・デメリット、受け入れ機関の基準について紹介しました。
技能実習やEPA(特定活動)として勤務している外国人を特定技能に移行すると、より長期での就労が可能になります。
また、特定技能から在留資格へ移行すれば、介護ビザの取得により長期的な就労が可能です。
人員不足の解消に貢献する外国人は、今後さらに需要が高まっていくと考えられています。
受け入れ機関の基準や義務も確認し、採用活動につなげてみてはいかがでしょうか。
スタッフ満足では外国人の採用と定着のトータルサポートを行っています。
特定技能外国人の採用支援も行っているので、特定技能の資格を有した外国人採用をご検討の企業さまは、お気軽にお問合せください。