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留学生から特定技能への切り替えは可能?必要な手続きや注意点

日本には「留学」の在留資格で在留している外国人留学生が数多くいます。
その中には、日本での就職を希望する方も少なくありません。
 
「在留資格を留学生から特定技能に切り替えて自社で働いてもらいたい」と考えている企業担当者さまもいるのではないでしょうか。
そこで、切り替えは可能なのか、特定技能の認定を受けることでどういったメリットがあるかなどを解説します。
 
この記事を読むことによっておさえておくべき基本や、必要な手続き、注意点などがわかるようになるので、ぜひ参考になさってください。

目次[非表示]

  1. 1.留学制度について
  2. 2.特定技能とは
    1. 2.1.特定技能の対象分野
  3. 3.特定技能の認定を受けるメリット
    1. 3.1.外国人側のメリット
    2. 3.2.企業側のメリット
  4. 4.留学生から特定技能への切り替えはできる?
  5. 5.留学生から特定技能へ切り替える際に必要な手続き
    1. 5.1.希望する技能試験に合格する
    2. 5.2.日本語能力試験に合格する
    3. 5.3.就職活動を行う
    4. 5.4.特定技能の雇用契約を締結する
    5. 5.5.健康診断を受ける
    6. 5.6.事前ガイダンスを受講する
    7. 5.7.ビザ変更の準備と申請を行う
    8. 5.8.在留資格変更許可の申請を行う
  6. 6.留学生から特定技能へ切り替える際の必要書類
  7. 7.留学生から特定技能へ切り替える際の注意点
    1. 7.1.外国人が注意すべきこと
    2. 7.2.企業が注意すべきこと
  8. 8.留学生を特定技能で採用し人手不足解消を目指そう

留学制度について

まずは留学制度とはどういったものなのかから確認しておきましょう。
留学生が日本に在留するために取得する在留資格「留学」は、日本での就学が認められている在留資格です。
 
大学や短期大学、高等専門学校、高等学校、中学校及び小学校等の学生・生徒が留学の在留資格で活動できます。
在留が認められている期間は、4年3カ月を超えない範囲での法務大臣が個々に指定する期間で、更新も可能です。
 
ベトナム、ネパール、中国、インドネシアなどからの留学生が多く、日本語学校で学んだ後に大学や専門学校へ進学するケースが多く見られます。
 
就学のための在留資格であることから、基本的に就労は認められません。
ただ、実際には生活費などが厳しい留学生も多数いることから「資格外活動許可」と呼ばれる許可を得ることにより、週28時間以内であればアルバイトなどで働くことは可能です。

特定技能とは

特定技能は、採用活動を行っても十分な数の日本人を雇うのが難しいと認められている産業のために作られた就労可能な在留資格です。
近年は求人を出してもなかなか応募が集まらず、人手不足に悩む企業が増えてきました。
そういった産業を支えるための制度です。
 
現在、12分野(14業種)で特定技能が認められています。
ただ、現在認められている以外の産業でも人手不足が加速していく可能性があることから、今後も業界・業種拡大が期待されている制度です。

特定技能の対象分野

2024年3月時点で特定技能の対象となっている12分野(14業種)は、以下の通りです。

分野

所管省庁

特徴・業務内容

介護

厚生労働省


利用者の心身状況に応じた形での入浴や食事、排泄の介助といった身体介護や、これらに付随する支援業務

ビルクリーニング

建築物内部の清掃作業

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

経済産業省

鋳造、鍛造などの「機械金属加工」、機械加工、仕上げなどの「電気電子機器組立て」、めっき、アルミニウム陽極酸化処理などの「金属表面処理」に関する業務

建設




国土交通省


左官や土工、とび、建築大工などのほか、海洋土木工なども含まれる

造船・舶用工業

船を製造するのに必要となる溶接、塗装、鉄工など、さまざまな業務

自動車整備

自動車の日常点検整備や分解整備、定期点検装備など

航空

地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務などの「空港グランドハンドリング」と「航空機整備」の2区分

宿泊

ホテルや旅館におけるフロント・企画/広報・接客・レストランサービスなど

農業



農林水産省


耕種農業全般と畜産農業全般。派遣での採用も認められている

漁業

漁業、養殖業の2種類に区分されており、試験も異なる。派遣での採用も可能

飲食料品製造業

飲食料品製造業全般の飲食料品製造や加工、安全衛生。ただし酒類は除く

外食業

飲食物調理、接客、店舗管理などの幅広い業務

「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は、素形材、産業機械製造、電気・電子情報関連産の3つの業種が統合された分野です。
もともとは別々の分野として制度が始まりましたが、2022年より統合されました。
 
特定技能には1号と2号があり、2号の方がより専門的な知識や経験が必要です。
一般的に1号から取得し、2号への移行を目指していく形となります。
 
1号では上記12の特定産業分野が対象となっており、2号はここから介護分野を除いたその他11の特定産業分野が対象です。
 
特定技能の在留資格を得るための試験は各分野で異なります。
そのため、例えば「航空」の特定技能資格を取得した人が「宿泊」に該当する分野で働くことはできません。
分野ごとの試験合格のほか、日本語試験の合格も必要です。

新たに「自動車運送業」、「鉄道」、「林業」、「木材産業」の4分野が特定技能制度の受け入れ対象に追加されることが決定しました。
現在の12分野から16分野に拡大し、令和6年度より今後5年間で最大82万人の受け入れを見込んでいます。
早くても5月から関係する省令・告示を改正、試験の作成をする予定となります。※3月29日時点

特定技能の認定を受けるメリット

留学の在留資格を取得して日本で学んでいる留学生が特定技能の認定を受けることにより、さまざまなメリットがあります。
ここでは、当該外国人から見たメリットと、企業から見たメリットを解説します。

外国人側のメリット

留学は勉強するための資格であることから、日本で本格的に働きたい、暮らしていきたいと考えた時には向いていません。
留学の在留資格で認められているのは、4年3カ月を超えない範囲での法務大臣が個々に指定する期間です。
更新することによって在留期間の延長は可能です。
 
ですが、留学の資格を更新し続けて日本に滞在する場合、学校に通うための費用を支払い続けなければなりません。
一方で、特定技能の資格に切り替えれば学校に通うことが必須ではなくなるので、学費がかからなくなるのは大きなメリットです。
 
また、現在はアルバイトとして働いているものの、週28時間以内の時間制限があり厳しいと感じている方もいるでしょう。
この時間制限もなくなるため、日本で本格的に働けるようになります。
 
それから、特定技能に在留資格を切り替えるためには各分野で設定されている試験に合格しなければならないのですが、合格したからといってすぐに切り替える必要はありません。
そのため、とりあえず在学中に特定技能試験に合格しておくといった形で余裕をもって将来に備えられるのもメリットです。

企業側のメリット

企業側のメリットとして、特定技能は学歴要件や実務要件がないことが挙げられます。
そのため、広く採用活動が行えるでしょう。
 
また、アルバイトとしてではなく、正社員として長時間働いてもらうことができるのも大きなメリットです。
 
特定技能1号では永住権は取得できないものの、2号に移行した場合は永住権獲得の条件を満たせることがあります。
自社で長く働ける外国人を探している企業にとってメリットが大きいです。

留学生から特定技能への切り替えはできる?

留学生が在留資格を留学から特定技能に変更することは可能です。
在留資格「留学」で短時間のアルバイトは可能ですが、長時間働くことはできないため、就労を希望する場合は就労可能な在留資格に切り替える必要があります。
 
留学生ということはすでに日本で日本語や日本文化に触れている人物であるため、採用後のコミュニケーションも取りやすいでしょう。
外国人を採用したいと考えているのであれば、在留資格を留学から特定技能に変更してもらって採用するのもおすすめの方法です。

留学生から特定技能へ切り替える際に必要な手続き

在留資格を留学生から特定技能に切り替えるためには、以下の手続きが必要です。

【手続きの流れ】

  1. 希望する技能試験に合格する
  2. 日本語能力試験に合格する
  3. 就職活動を行う
  4. 特定技能の雇用契約を締結する
  5. 健康診断を受ける
  6. 事前ガイダンスを受講する
  7. ビザ変更の準備と申請を行う
  8. 在留資格変更許可の申請を行う

これらの手続きに関して詳しく解説していきます。

希望する技能試験に合格する

まずは、就職を希望する分野を明確にし、分野ごとに行われている技能試験に合格する必要があります。
例えば、ビルクリーニングの分野で働きたい場合は「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」、農業の分野で働きたい場合は「農業技能測定試験」などです。
 
試験のタイミングは分野によって異なるので、早い段階で確認しておきましょう。

日本語能力試験に合格する

各分野で行われている技能試験に加え、日本語能力試験にも合格しなければなりません。
行われている日本語試験は「国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)」と「日本語能力試験(N4以上)」の2つです。
これらの試験のいずれかに合格し、合格証を受け取る必要があります。
 
日本語能力試験は、毎年7月上旬・12月上旬の年に2回しか行われていません。
一方、国際交流基金日本語基礎テストは実施回数も多いです。
 
なお、分野によっては技能試験・日本語能力試験の他にも必要な試験があるので、よく確認が必要です。

就職活動を行う

技能試験と日本語能力試験に合格したら、就職活動を行うことになります。
試験に合格した分野に該当する会社でなければ働けません。
各分野で何ができるのか、できないのかよく理解しておく必要があります。

特定技能の雇用契約を締結する

希望する会社で面接を受け、採用が決まったあとに特定技能の雇用契約を締結します。
この際、雇用契約書と雇用条件書の締結が必要です。
 
雇用契約書は一般的な採用でも作成されますが、特定技能専用のものを作成しなければなりません。
こちらは出入国在留管理庁のホームページからダウンロードが可能なので、確認しておきましょう。

参考:出入国在留管理庁:在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)

関連記事:外国人雇用時は助成金を活用!申請するときのポイントや注意点

健康診断を受ける

在留資格を留学から特定技能に切り替える前に、健康診断を受けなければなりません。
なお、1年以内に健康診断を受けていて診断書がある場合はそれを利用可能です。
 
健康診断を受ける必要があるのは、健康でない場合は就職が認められないことがあるためです。
ただ、医師の診断の結果異常があることが認められたものの、稼働する上での問題がないケースもあるでしょう。
こういった場合は健康診断個人表の備考欄に問題がないことを示す医師の意見などが述べられている書類の提出が必要になります。

事前ガイダンスを受講する

特定技能外国人として働き始めるためには、事前ガイダンスを受ける必要があります。
事前ガイダンスとは、働く上で必要になる業務内容や報酬、各種手続きの説明などです。
 
特定技能外国人を採用する受け入れ企業は、必ず行わなければならないと定められています。
なお、特定技能外国人の採用をサポートする登録支援機関に委託することも可能です。

ビザ変更の準備と申請を行う

ビザを留学から特定技能に切り替えるために必要な書類を準備します。
当該外国人が用意するもののほか、企業が用意する書類もあります。
特に企業が用意しなければならない書類は種類が豊富なので、時間に余裕をもってそろえましょう。

在留資格変更許可の申請を行う

書類をそろえて最寄りの出入国在留管理局に対して在留資格の変更を申請します。
審査にかかる時間は、1~3ヶ月ほどです。
問題なく在留資格の変更が認められれば、就職といった流れになります。

留学生から特定技能へ切り替える際の必要書類

留学生から特定技能へ在留資格を変更する場合、留学生がそろえなければならない書類が多々あります。
代表的な書類は以下の通りです。

【必要書類】

  1. 健康診断書
  2. 職種ごとに発行される特定技能評価試験の合格証
  3. 日本語試験合格を証明するための書類
  4. 直近年度の住民税の納税証明書
  5. 健康保険証のコピー
  6. 国民健康保険料の納付証明書
  7. 年金の納付記録

健康診断書は、申請前1年以内に受診した際のものが必要です。
1年以内に受診していない場合は、新たに健康診断を受けなければなりません。
また、外国で受診した場合は日本語訳も必要になります。
 
複数のアルバイトをしている場合は、各就業先の給与所得の源泉徴収票が必要です。
直近年度の住民税の納税証明書に関しては、納付が完了しているものでなければなりません。
 
年金の納付記録は国民年金保険料領収書の写しを申請月の前々月までの24ヶ月分用意しましょう。
年金の支払い免除を受けている場合は、その証明書類のコピーが必要です。

留学生から特定技能へ切り替える際の注意点

外国人が留学生から特定技能に在留資格を切り替える際には、いくつか注意しておかなければならないことがあります。
当該外国人と企業がそれぞれ注意すべきことを確認しておきましょう。

外国人が注意すべきこと

特定技能では12の分野が定められており、さらに細かい区分もあります。
まずは合格した技能試験ではどういった仕事が認められているのかよく確認しなければなりません。
 
また、アルバイトは所定の時間内におさめる必要があります。
原則として認められているのは、週に28時間以内です。
これを超えている場合は資格変更の申請が通らないこともあります。
アルバイトをしている場合は確定申告も行わなければならないので、適正に納税・納付を行っていることも重要です。
 
他にも、心身が健康ではなかったり、素行不良が認められたりする場合は申請が通らない可能性があります。

企業が注意すべきこと

受け入れ企業は、当該外国人が要件を満たしているか確認しなければなりません。
以下のような要件があります。

【要件】

  • 18歳以上
  • 健康状態が良好
  • 有効なパスポートを所持している
  • 保険金を徴収されていない
  • 必要な試験に合格している
  • 素行が不良でない
  • 納税義務・届出義務を履行している

例えば、有効なパスポートを所持していたとしても偽造パスポートである可能性もゼロではありません。
採用する企業は慎重に確認が必要です。
 
受け入れ企業に対して義務付けられている義務的支援の内容も確認しておきましょう。
他にも社会保険や税に関する法令、労働関係法令を順守する必要があります。
 
特定技能外国人を採用する際は、同様の業務を行う日本人と同等またはそれ以上の待遇で雇用する必要があるので、このあたりも注意しておきましょう。

また、留学生の場合、学校や国・行政などから奨学金を借りている可能性があります。
もちろん奨学金は返済の義務がありますので、企業が保証人になるなどの対応が必要になるケースが多々あります。
保証人になったは良いものの、途中で国に帰ってしまい連絡がつかなくなってしまうなど、なにかしらのトラブルがあると貸し倒れのリスクがあるので、十分に注意が必要です。

留学生を特定技能で採用し人手不足解消を目指そう

いかがだったでしょうか。
留学生から特定技能へ切り替える際に確認しておきたいポイントを解説しました。
基本や行わなければならない手続き、注意点などをご理解いただけたかと思います。
 
日本には実に多くの留学生がいるので、特定技能に切り替えてもらって採用できれば、自社の人手不足解消に繋がるでしょう。
 
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