介護現場で働く外国人と円滑にコミュニケーションをとるコツ
介護の分野で外国人を採用しようと考えている事業者様のなかには、どのように関係を構築すればよいのか、お悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
言語や文化が異なる相手と仕事をすることに不安が募るのは、致し方ないことです。
そこで本記事では、外国人介護人材と円滑にコミュニケーションをとるためのコツをご紹介します。
指導方法のポイントも押さえて、スムーズな意思疎通を実現しましょう。
目次[非表示]
外国人介護人材を採用する際に留意すべき点
外国人介護人材を採用する際は、日本人との違いを念頭に置かなければなりません。
そのため、以下のようなことに配慮する必要があります。
① 言葉の壁
外国人とコミュニケーションをとる際に、私たちが考慮すべきなのは、“相手の日本語はネイティブレベルではない”という点です。
相手は異国の土地で、不慣れながら一生懸命日本語を理解しようとしていることを忘れてはなりません。
外国人介護人材は、各々の在留資格を取得する過程で、日本語能力試験に合格しています。
しかしながら、日本語は文字の種類が多く、難易度が高い言語の一つなので、そのレベル感は人によって異なります。
意思疎通に齟齬が生まれることは、常に想定していなければなりません。
② 宗教・価値観
国が異なれば、文化や宗教、価値観などが異なるのは当たり前です。
日本人にとっては一般常識であっても、外国人にとっては考えられないことかもしれません。
これは、逆の立場になっても言えることです。
価値観の違いを理解して、お互いの文化や宗教を受け入れる広い心をもちましょう。
③ 在留資格
介護の分野で外国人を受け入れるためには、以下にまとめた4つの在留資格の仕組みを理解する必要があります。
外国人介護人材の在留資格
在留資格 |
概要 |
特定技能1号「介護」 |
|
技能実習「介護」 |
|
在留資格「介護」 |
|
EPA介護福祉士候補生 |
|
在留資格によって、在留年数や技術標準が異なります。
実際に、外国人の採用にあたっては、それぞれの制度の目的を理解したうえで人材を選ぶことが重要です。
関連記事:特定技能「介護」とは?試験内容と受験の申し込み・対策方法
外国人介護人材へ指導する際に心がけること
ここまでのご説明で、外国人を採用する際は、言葉や文化の違いに理解を示したり、在留資格の種類を把握したりすることが大切なのがおわかりいただけたかと思います。
では実際に、受け入れた外国人を指導する際は、どのように接するとよいのでしょうか?
以下で、具体的に解説します。
① ゆっくりとわかりやすい言葉で話す
外国人に確実に理解してもらうためには、できるだけゆっくり、なおかつわかりやすい日本語で話すことが大切です。
多忙を極める介護現場では、ついつい早口であれこれ指示を出してしまいがちです。
しかし、相手が間違って理解してしまえば、重要なミスにもつながりかねません。
一度に話す内容は、なるべく短い文章にまとめて、相手が理解しているかどうかを適宜確認しながら伝えるように意識しましょう。
介護の現場では、専門用語もたくさん飛び交いますが、外国人の前では難しい用語や漢字は使用せず、シンプルな言葉を使うのもポイントです。
また、ここで覚えておきたいのは、日本語は会話のなかで頻繁に主語が省略される言語であるということです。
日本人であれば、雰囲気や文脈から理解できる言葉も、外国人にとっては主語や目的語が省略されると誰に何を言われているのかわからなくなります。
外国人と日本語でコミュニケーションをとる際は、主語や目的語を省略しないように気をつけながら話すことを心がけてください。
② 明確に指示を出す
日本語がネイティブではない外国人に指示を出す際は、具体的かつ明確な表現を意識的に使うように努めましょう。
曖昧で抽象的な表現の多い日本語は、相手によって受け取り方が異なり、伝えたいことが伝わらない可能性も考えられます。
遠回しな表現はコミュニケーションのエラーにつながるため、“Yes”または“No”という、はっきりとした言葉で伝えることをおすすめします。
また、話す際にジェスチャーを交えて伝えるのも有効です。
会話中のジェスチャーは、相手がより日本語を理解するきっかけにもなるので、積極的に取り入れてみてください。
③ 質問しやすい環境を作る
外国人が、わからないことを質問しやすい環境を作るのも現場の職員が意識したいことの一つです。
介護の現場では、特に“報告・連絡・相談”が欠かせません。
どんな些細なことでも早めに報告し、相談することがスムーズに業務を遂行するためにも必要です。
そのため、外国人が何か報告しようとしている場合は、時間をかけて耳を傾けてあげましょう。
「わからないことを気軽に聞ける」「悩みを聞いてもらえる」といった風通しの良い環境は、遠慮せずに業務に携われるだけでなく、日本語の上達を促すことにもつながります。
質問や相談、雑談等が気軽にできる職場は、良好な人間関係を築くのにも非常に大切です。
④ キャリアパスを明示する
キャリアパスをあらかじめ明示しておけば、将来的に長く働いてもらえる可能性が高くなります。
昇格や昇給制度、教育体制、段階ごとの評価基準、そこに至るまでにかかる時間などを整理して示しておきましょう。
本人の現在のレベルや、今後の目標、現状の達成度など定期的にフィードバックすることで、職場への定着だけでなく、モチベーションの維持にもつながります。
登録支援機関について
外国人介護人材の採用・就業を進めていくのであれば、できる限り業務を委託するのがおすすめです。
ここからは、外国人を採用したいとお考えの事業者様が活用できる“登録支援機関”についてご紹介します。
登録支援機関とは
登録支援機関とは、外国人を受け入れる企業に代わって、支援業務のすべて、または一部をサポートしてくれる機関のことです。
本来は、受け入れる外国人に対して、受け入れ企業側が支援計画を作成して実施しなければなりません。
しかし、「人手が足りない」「受け入れる外国人と円滑にコミュニケーションをとることが難しい」といった理由で、事業者側で支援するのが困難なケースがあります。
このような問題を解決してくれるのが、登録支援機関なのです。
登録支援機関へ委託するメリット
事業者が登録支援機関に支援業務を委託するメリットは、以下の通りです。
支援業務を登録支援機関に委託するメリット
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登録支援機関に委託する最大のメリットは、外国人に対する支援業務に社内のリソースを割かなくてもよい点です。
これによって、受け入れ事業者の負担を軽減することができます。
また、事業者からの支援が不十分であるという評価が下された場合は、外国人を雇用することが難しくなる可能性があります。
「外国人を安全に雇用しつづけたい」とお考えの場合は、登録支援機関に初めから任せてしまうのが安心です。
さらに、外国人を十分に支援できなければ、会社への不満にもつながります。
不満が募ると転職されてしまうリスクが高くなるので、心配な場合は、登録支援機関への委託を視野に入れるとよいでしょう。
関連記事:登録支援機関とは?特定技能制度における支援内容や役割、選び方を解説
外国人介護人材と意思疎通を図る際は、理解度を確認しながら、わかりやすい日本語で伝える
今回の記事では、外国人介護人材と円滑なコミュニケーションをとるためのコツをご紹介しました。
言語が異なる外国人に指示を出す際は、ゆっくりとわかりやすい日本語で伝えるようにしましょう。
また、報連相しやすい環境を整えることや、個人の成長に欠かせないキャリアパスを提示することは、モチベーションの維持にもつながります。
その結果、長期的に働いてもらえることにもつながるのです。
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