
建設業で外国人労働者を雇用する方法は?在留資格や一連の流れを解説
さまざまな業界で人手不足が進んでいますが、中でも建設業は、とくに人材確保が難しい分野です。
しかし、昨今は外国人労働者を雇用する会社も多く、今後ますます建設分野で活躍する外国人材は増えていくと考えられます。
今回は建設業で外国人労働者を雇用する方法について紹介するので、どの在留資格を申請すればいいのかや、雇用するまでの一連の流れを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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目次[非表示]
- 1.建設業で外国人労働者を採用するには?
- 2.建設業で働ける在留資格の種類
- 2.1.特定技能(建設分野)
- 2.2.技能実習
- 2.3.技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 2.4.技能
- 2.5.その他の在留資格
- 3.建設業で外国人を雇用する際の最適な在留資格
- 3.1.即戦力になる人材を確保したい企業は「特定技能」
- 3.2.育成と長期雇用を目指す企業は「技能実習」
- 3.3.施工管理や設計などを採用したい企業は「技人国」
- 3.4.自由度が高く長期雇用を目指したい企業は「その他の在留資格」
- 4.建設業で外国人を受け入れるための条件
- 5.建設業で外国人労働者を雇用する流れ
- 5.1.STEP1:採用方針を明確にする
- 5.2.STEP2:受け入れ体制の整備
- 5.3.STEP3:在留資格の確認
- 5.4.STEP4:募集・採用活動
- 5.5.STEP5:在留資格申請
- 5.6.STEP6:入国・雇用開始
- 5.7.STEP7:就労後のフォロー
- 6.建設業で外国人労働者を雇用する際に必要な書類一覧
- 7.建設業で外国人労働者を雇用するメリット
- 7.1.労働力の安定的な確保ができる
- 7.2.社内の活性化と生産性向上が期待できる
- 7.3.教育やマニュアル体制が強化できる
- 8.建設業で外国人労働者を雇用する際のポイント
- 8.1.文化や宗教に対する違いを理解する
- 8.2.労働条件と待遇は日本人社員と同等以上にする
- 8.3.生活面のサポート体制を整備する
- 8.4.労働者災害補償保険の加入と安全管理を徹底する
- 8.5.定期的なフォローと相談できる体制を整える
- 9.建設業の外国人人材紹介は「スタッフ満足」に依頼
- 10.まとめ
建設業で外国人労働者を採用するには?
冒頭で触れたとおり、人手不足が続く建設業界こそ、外国人労働者の採用を積極的に検討するのがおすすめです。
一方で、外国人を雇用する場合、日本人を採用するときとは異なる手続きをしなければなりません。
たとえば外国人が日本で働くためには「在留資格」を取得しなければなりませんが、在留資格にもいくつか種類があり、それぞれ取得要件・従事できる業務に差があります。
就労可能な在留資格を持たない外国人を働かせたり、本来は認められていない作業に従事させたりすると、受け入れ企業が「不法就労助長罪」に問われる可能性もあるため注意しなければなりません。
たとえ故意でないとしても、法令に違反していると「不法就労助長罪」として処罰されてしまうため、採用前に必ずパスポート・在留カードなどを確認することが重要です。
また、採用後も法令を遵守するためには、その在留資格で従事できる業務内容を把握しておかなければなりません。
建設業で働ける在留資格の種類
在留資格は多岐にわたりますが、そのうち建設業で働けるのは「特定技能(建設分野)」「技能実習」「技術・人文知識・国際業務(技人国)」「技能」「その他の在留資格」の5種類です。
それぞれ就労できる業務に差があるため、詳しく見ていきましょう。
特定技能(建設分野)
特定技能とは、日本国内の人手不足を解消するために設けられた制度で、通算在留期間が5年間の「1号」と、更新が許可され続ける限り無期限に就労できる「2号」に分けられます。
1号と2号の違いは次のとおりです。
比較項目 | 1号 | 2号 |
技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
通算在留期間 | 5年間 | 更新が許可され続けた場合は無期限 |
家族の帯同可否 | 不可 | 要件を満たせば配偶者・子の帯同可能 |
※特定技能の在留期限は最大5年間だったものが、例外的に6年まで延長可能。
延長可能な条件と、通算在留期間に含まれない期間が新たに追加。
「建設分野」は、特定技能1号・2号ともに就労が認められています。
特定技能で就労が想定されているのは、「土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業」「建築物の新築、増築、改築、移転、修繕、模様替に係る作業」「電気通信・ガス・水道などのライフライン設備の設置、整備、変更、修理に係る作業」です。
まずは特定技能1号の外国人労働者を受け入れることになりますが、雇用期間中に2号へ移行できれば、長期にわたって活躍してもらえます。
ただし特定技能2号へ移行するためには、工程を管理する役職(班長など)としての実務経験も必要なため、受け入れ企業としてしっかり教育する必要があるでしょう。
関連記事: 特定技能「建設」とは?
技能実習
技能実習は、外国人に日本企業で技術を習得してもらい、それを母国の発展に役立ててもらうことを目的とした、一種の国際貢献制度です。
技能実習制度には、「企業単独型」と「団体監理型」の2形態が存在します。
企業単独型 | 団体監理型 |
海外現地法人・合弁企業・取引先などと連携し、実習生を直接受け入れる | 監理団体が海外で技能実習生を募集し、日本企業へ紹介する |
ほとんどの企業は、「団体監理型」で実習生を受け入れます。
特定技能制度と異なり、人手不足解消目的で利用することはできず、技能を習得した後は帰国しなければなりません。
また、単純労働にも従事させられないため注意してください。(特定技能は単純労働も可能です)
技能実習での従事が想定されているのは、さく井・建築板金・冷凍空気調和機器施工・建具製作・建築大工・型枠施工・鉄筋施工・とび・石材施工・タイル張り・かわらぶき・左官・配管・熱絶縁施工・内装仕上げ施工・サッシ施工・防水施工・コンクリート圧送施工・ウェルポイント施工・表装・建設機械施工・築炉の22職種です。
なお、要件を満たせば、技能実習から特定技能へと在留資格を移行することも可能です。
関連記事: 技能実習生とは?
技術・人文知識・国際業務(技人国)
技術・人文知識・国際業務(通称:技人国ビザ)は、高度人材のための在留資格です。
建設分野と関係のある科目を履修している大学卒業者・大学院修了者で、または建設業の実務経験が10年以上ある人材を受け入れる際に利用されます。
技人国で受け入れるのは高度人材であるため、特定技能・技能実習のように、現場作業(大工・とび・左官など)に従事することはできません。
技人国ビザでの従事が想定されているのは、CADオペレーター・現場監督・施工管理職・設計職・営業職などです。
なお、建設業の特性上、上記のような専門的なスキルが必要な業務を実施するために、一時的に現場へ出ることは認められています。
また、本来の業務のために、一時的な研修として現場に出ることも可能です。
ただしこの場合、現場へ出る必要性を立証しなければなりません。
技能
技能実習・特定技能とは別に、「技能」という就労資格も存在します。
これは外国人労働者が自国で身に着けた技術を、日本で活用するための在留資格です。
建設分野の場合、外国ならではの建設技術、たとえばゴシック・バロック・ロマネスク・中華建築などの技術が必要な現場では、「技能」ビザで就労します。
ただし、「技能」ビザで在留する外国人労働者が従事できるのは、外国ならではの建設技術を活かせる作業に限られます。
また、「技能」ビザが認められるためには、その外国ならではの建設技術において、5〜10年以上の実務経験が必要です。
簡単に取得できる在留資格ではないため、単に日本人の替わりとなる人材を求める場合には、他の在留資格を活用したほうがいいでしょう。
その他の在留資格
建設分野に就労できるその他の在留資格としては、身分系ビザが挙げられます。
身分系ビザとは、外国人の身分・地位に基づいて認められる在留資格のことです。
ここまで紹介した就労ビザ(特定技能・技能実習・技人国・技能)と異なり、身分系ビザには就労制限がなく、日本人と同じ条件で働けることが特徴です。
なお、身分系ビザには「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の4種類があり、それぞれの概要は次のとおりです。
身分系ビザの種類 | 概要 |
定住者 | 外国人の特別な事情を考慮し、個別に許可された身分系ビザ 日系2世・3世、日本人と離別した元配偶者、連れ子など |
永住者 | 無制限に日本で暮らせるビザ 更新の必要がなく、日本で安定的に暮らしている外国人が取得している |
日本人の配偶者等 | 日本人と結婚した外国人や、その子・養子など |
永住者の配偶者等 | 永住者と結婚した外国人、その実子 |
建設業で外国人を雇用する際の最適な在留資格
ここまで5種類の在留資格を紹介してきましたが、外国人労働者を採用したい理由、もしくは外国人労働者に任せたい業務によって、最適な在留資格は異なります。
いくつか代表例を紹介するので、採用計画を立てる際の参考にしてみてください。
即戦力になる人材を確保したい企業は「特定技能」
現場で即戦力となる人材を確保したい場合には、「特定技能」で外国人労働者を受け入れるのがおすすめです。
建設分野の現場では、業務経験があり、なおかつ日本語レベルも高い人材が求められる傾向にありますが、特定技能1号の取得要件は下記のとおり定められているため、どちらの条件も満たせます。
技能水準 | 「建設分野特定技能1号評価試験」または「技能検定3級」の取得 ※初級技能者が通常有すべき技能・知識を習得している状態 |
日本語能力 | 「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」に合格 ※ややゆっくりとした日常的な会話なら、内容がほぼ理解できるレベル |
特定技能1号は、一定の技能と日本語能力が客観的に証明されているため採用後の教育コストを抑えられるメリットがあります。
即戦力を求める企業にとって、特定技能制度は人材確保に最適な手段と言えるでしょう。
育成と長期雇用を目指す企業は「技能実習」
外国人を育成し、長期雇用を考えている場合は、「技能実習」制度の活用がおすすめです。
技能実習には1号(1年目)・2号(2〜3年目)・3号(4〜5年目)の3段階があり、合計で最長5年まで在留できます。
実習は1号からスタートし、試験に合格すると、2号・3号とステップアップしていくことが特徴です。
さらに、技能実習2号を良好に修了した場合、技能実習の職種・作業と関連する「特定技能1号」へ移行できます。
つまり、建設分野の技能実習生が順調に成長すれば、特定技能外国人として、さらに長期にわたって就労できるのです。
施工管理や設計などを採用したい企業は「技人国」
現場作業員ではなく、施工管理職や設計職などの高度人材を採用したい場合は、「技人国」ビザを持つ外国人を採用します。
「技人国」ビザを持つ人材は高い専門性を有しており、なおかつ在留期間の更新に上限がないため、中核的な戦力としての活躍が期待できることもポイントです。(「技人国」ビザでの就労後、条件を満たせば「永住者」ビザへ切り替えられます)
ただし特定技能外国人・技能実習生と比べると、高度人材を見つける難易度は高いため、海外現地とのネットワークが強固な人材紹介会社へ相談したほうがいいでしょう。
自由度が高く長期雇用を目指したい企業は「その他の在留資格」
制限なく柔軟に業務を任せたい場合や、長期間にわたって安定的に雇用したい場合は、就労系ビザではなく、身分系ビザを持つ外国人の採用を検討してみてください。
先述したとおり、身分系ビザには就労分野・在留期間などの制限がないため、日本人とまったく同じ条件で雇用できます。
特定技能・技能実習・技人国は、正社員として受け入れる必要がありますが、身分系ビザを持つ外国人はアルバイトとして雇用することも可能です。
ただし、雇用条件は厳しくないとしても、身分系ビザを持つ外国人の母数は限られるため、実際に採用することは簡単ではありません。

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建設業で外国人を受け入れるための条件
建設業で外国人を受け入れるためには、外国人が在留資格を保有しているだけではなく、企業側も「建設特定技能受入計画の作成・届け出」や「建設技能人材機構(JAC)・CCUSへの登録」という条件を満たさなければなりません。
それぞれどのような手続きなのか、詳しく見ていきましょう。
建設特定技能受入計画の作成・届け出
特定技能制度を活用して外国人人材を受け入れる場合、企業側は「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通省へ提出する必要があります。
そもそも建設業では、これまでも外国人技能実習生を受け入れていました。
しかし建設業の技能実習生は失踪率が高く、その原因は受け入れ企業の労働基準法違反だと指摘されています。
このため特定技能制度においては、このような法令違反・失踪を防ぐために、外国人が安心して働ける環境をどのように作るのかを定めた受入計画の提出が義務化されたのです。
国土交通省に「建設特定技能受入計画」が承認されないと、特定技能外国人が就労を開始できないため、余裕を持ったスケジュールで申請しましょう。
外国人の在留資格申請については、この受入計画の申請が完了してからでないと進められません。
なお、建設特定技能受入計画の主な認定基準は、次のとおりです。
受入企業が建設業許可を取得している
受入企業と特定技能外国人の双方が、建設キャリアアップシステムに登録している
建設技能人材機構(JAC)へ加入し、行動規範を順守する
特定技能外国人の報酬が、日本人と同等以上に設定されている(技能レベルによる)
外国人が十分理解できる言語で雇用内容について説明している
1号特定技能外国人に対しては、国土交通大臣が指定する講習・研修を受講させる
管理機関などによる巡回指導を受け入れる
これらの申請を自力で進めるのが難しい場合は、建設業に強い外国人人材紹介会社に相談するのもおすすめです。
建設技能人材機構(JAC)・CCUSへの登録義務と手続き
先述した認定基準に含まれるとおり、外国人を受け入れる建設分野の企業は、建設技能人材機構(JAC)と建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録しなければなりません。
JACとは、日本の建設業に従事する特定技能外国人が、適正な給与・待遇を受けるために、建設業界の団体・企業が立ち上げた組織です。
建設分野で特定技能外国人を雇用する企業は、必ずJACへ加入しなければなりません。
そしてJACが定めた「建設業における共通行動指針」を順守し、外国人労働者を不当に扱ってはならないとされています。
JACへは、JACの正会員団体の会員になるか、JACの賛助会員になるか、いずれかの方法で入会します。
一方、CCUSとは、技能者の就業実績・資格などを登録し、技能の評価、工事品質の向上、現場作業の効率化などに役立てることを目的に、国土交通省が主導して構築したシステムです。
CCUSは外国人・日本人を問わず登録可能なシステムで、日本人については完全な登録義務化には至っていないものの、外国人を受け入れる建設企業は登録が義務付けられています。
CCUSには、企業・外国人双方が情報を登録する必要があります。
企業の登録に際しては資本金の額に応じて6,000円〜240万円の手数料がかかり、有効期限は5年間です。
また、システム内で事業者情報・現場情報などを管理するための「管理者ID」の利用料が、毎年1IDあたり11,400円かかります。
外国人については、申請方法に応じて2,500〜4,900円の技能者登録料がかかり、有効期限は資格カードの発行日から9年経過後最初の誕生日までです。
外国人本人がCCUSへの登録をスムーズに進められるとは限らないため、人材紹介会社と協力して、適切にサポートするのが望ましいでしょう。
建設業で外国人労働者を雇用する流れ
外国人労働者を雇用する場合、在留資格関連の手続きが必要となるため、日本人を採用するときよりも流れが複雑です。
ここからは建設業で外国人労働者を雇用する場合のフローを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP1:採用方針を明確にする
外国人人材の採用を成功させるためには、まず最初に採用方針を明確にしなければなりません。
考えるべき要素は次のとおりです。
どのような業務を任せたいのか
どのようなスキル(技術・日本語能力)の人材が欲しいのか
何人採用したいのか
いつまでに採用したいのか
どのくらいの期間働いてもらいたいのか
とくに業務内容・スキルによって、取るべき採用戦略は大きく異なります。
戦略が二転三転すると、スムーズに採用活動を進められないため、必ず方針を明確にしておきましょう。
なお、社内スタッフだけで採用方針を考えることが難しい場合は、人材紹介会社に戦略立案段階からサポートしてもらうのがおすすめです。
STEP2:受け入れ体制の整備
外国人労働者を受け入れるためには、社内体制を整備しておく必要もあります。
たとえばマニュアルがない場合は、外国人労働者がすぐに業務内容を理解できるよう、できるだけ簡単な日本語で書かれたマニュアルや、イラストを使ったマニュアルを用意しておきましょう。
また、外国人労働者が暮らすための住居や、日本で生活し始める際に必要な手続き(スマートフォン契約・銀行口座開設など)を、どのようにサポートするのか考えておくことも大切です。
自社スタッフだけでのサポートが難しいと感じる場合は、採用後のアフターフォローにも対応している人材紹介会社へ相談してみてください。
STEP3:在留資格の確認
受け入れ体制の整備と並行して、どの在留資格なら、従事させたい業務に対応できるのかを確認します。
それぞれの在留資格ごとの要件を、改めて比較してみましょう。
在留資格 | 従事できる業務 |
特定技能(建設分野) | 土木分野・建築分野・ライフライン設備分野 (単純作業も可) |
技能実習 | 大工・とび・左官など (単純作業は不可) |
技術・人文知識・国際業務 | CADオペレーター・現場監督・施工管理職・設計職など |
技能 | 外国ならではの建設技術 |
その他の身分系ビザ | 就労制限なし (日本人と同等条件で就労可) |
なお、人材紹介会社へ依頼している場合は、どの在留資格で採用すべきかアドバイスしてもらえます。
STEP4:募集・採用活動
受け入れ体制が整い、どの在留資格で雇用するかが決まったら、求人募集を開始しましょう。
募集方法としては、自社サイトやハローワークなどで自力で募集する方法と、人材紹介会社を頼る方法の2通りが考えられます。
ただし希望条件に合う外国人人材を見つけるのは簡単ではなく、在留資格関連の手続き・就労後のサポート業務なども必要なことから、外国人専門の人材紹介会社を頼るケースが多いです。
なお、「建設工事の現場において従事する職」については、日本人・外国人を問わず、有料で紹介することが禁止されています。
しかし施工管理職などは現場作業が主たる業務ではないため、有料紹介も可能です。
人材紹介会社を利用する場合は、適正な手数料になっているかどうか確認をしましょう。
しかし施工管理職などは現場作業が主たる業務ではないため、有料紹介も可能です。
自社で募集したい職種が、有料紹介の対象かどうかは把握しておきましょう。
STEP5:在留資格申請
面接を経て内定を出したら、外国人労働者と雇用契約を結び、在留資格を申請します。
在留資格は、原則として外国人本人が申請するものですが、単純な手続きではないため、外国人が自力で対応することは現実的ではありません。
また、受け入れ企業として用意しなければならない書類も多いため、行政書士に依頼することをおすすめします。
在留資格の申請にかかる期間は1〜3か月程度を見込んでおきましょう。
STEP6:入国・雇用開始
在留資格が取得できたら、来日準備を進めます。
先述したとおり、空港への出迎えや、役所での各種手続き、銀行口座の開設、住居確保などは、人材紹介会社へサポートを依頼すると安心です。
また、建設業では安全管理が何よりも優先されるため、現場に出て働いてもらう前に、日本の建設業ならではのルールについて研修しておくといいでしょう。
また、日本人スタッフを対象に、外国人労働者とのコミュニケーション方法などを研修しておくのもおすすめです。
人材紹介会社によっては、これら研修もサポートしてくれるため、必要に応じて相談してみてください。
STEP7:就労後のフォロー
外国人労働者に活躍してもらうためには、就労後も継続してフォローすることが大切です。
とくに来日直後は、言葉の壁・文化の違いを感じやすく、メンタルヘルスを崩してしまう可能性もあるため注意しましょう。
定期的な面談を実施し、業務面・生活面での悩みがないか確認してみてください。
また、在留資格によっては、受け入れ企業にアフターフォローが義務付けられていることもあります。
たとえば特定技能の場合、受け入れ企業には「生活オリエンテーション」「日本人との交流促進」など一定の支援業務が義務付けられています。
この支援業務は、『登録支援機関』と指定されている企業にのみ委託できるため、人材紹介会社が指定を受けているか確認してみてください。
建設業で外国人労働者を雇用する際に必要な書類一覧
建設業で外国人労働者を雇用する際には、さまざまな書類を揃えなければなりません。
申請する在留資格によって多少の差があるものの、代表的な書類について把握しておきましょう。
受け入れ企業が用意する書類 | 雇用契約書 労働条件通知書 採用理由書(外国人を雇用する必要性を示す) 決算書 外国人雇用状況届出書 |
外国人労働者が用意する書類 | パスポート(顔写真と在留許可ページ) 在留カード・就労ビザ 履歴書・職務経歴書 日本語能力証明書 |
在留資格ごとに必要となるその他の書類 | 【特定技能】 特定技能雇用契約書 建設特定技能受入計画の認定通知 技能試験の合格証明 日本語試験の結果 【技能実習】 技能実習計画認定申請書 建設業許可証 監理団体の概要書 【技術・人文知識・国際業務】 大学などの卒業証書・卒業証明書のコピー 職歴証明書(実務経験の証明) 【技能】 職歴証明書(実務経験の証明) |
在留カード・就労ビザについては、コピーではなく必ず原本を確認し、ビザの種類や、在留期限に問題がないかを確認しておきましょう。
就労資格がない外国人や、在留期限が切れている外国人を雇用すると、受け入れ企業も罰則の対象となってしまうためです。
なお、実際の申請時に必要な書類は、行政書士などから指示されるため、余裕を持って揃えておきましょう。
建設業で外国人労働者を雇用するメリット
外国人労働者を受け入れるかどうか、迷っている方もいるかもしれません。
しかし、次に紹介する3つのメリットに魅力を感じる場合は、ぜひ前向きに外国人労働者の採用を検討してみてください。
労働力の安定的な確保ができる
慢性的な人手不足の続く建設業界ですが、外国人労働者を雇用すれば、安定的な労働力を確保することが期待できます。
外国人労働者の多くは、なるべく長期にわたって日本で働きたいと考えています。
そして現場で働く外国人労働者は、当初は技能実習もしくは特定技能1号(どちらも最長在留期間は5年)の就労資格で来日しますが、しっかりと技能を身に着ければ、在留期間に上限のない特定技能2号へと移行できます。
日本人の採用が難しいと感じている企業こそ、ぜひ意欲の高い外国人労働者の雇用を検討してみてください。
社内の活性化と生産性向上が期待できる
外国人労働者は先述したとおり、日本で働く意欲が高い傾向にあります。
ほとんどの人材が真面目かつ積極的で、建設技術を習得しようとする姿勢が優れていることが特徴です。
このような外国人労働者が現場に加わることは、既存の日本人スタッフにとっても良い刺激となり、結果として社内が活性化したり、生産性が向上したりする効果が期待できます。
また、外国人労働者が現場に参加することで、会社に多様性が生まれると、これまでになかった業務改善アイデアを思いつくかもしれません。
固定化された組織に柔軟性を生みたい場合も、ぜひ外国人労働者を活用してみてください。
教育やマニュアル体制が強化できる
外国人労働者を受け入れる際は、これまで明文化されていなかった業務をマニュアル化する必要があります。
また、外国人労働者にどのように日本ならではの建設業務を習得させるか、教育プログラムを考える必要もあるでしょう。
このような過程を経て、社内の教育体制・マニュアルを強化できる点も、外国人労働者を受け入れるメリットだといえます。
また、マニュアルを作成して教育体制を整えることは、日本人従業員が成長するきっかけにもなるでしょう。
さらに、しっかりとした教育体制やマニュアルがあると未経験の人材も受け入れやすくなり、より人手不足を解消しやすいこともポイントです。

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建設業で外国人労働者を雇用する際のポイント
建設業で外国人労働者の採用を成功させるためには、いくつか意識すべきポイントが存在します。
とくに初めて外国人労働者を受け入れる場合は、次の5つのポイントを意識してみてください。
文化や宗教に対する違いを理解する
外国人労働者を受け入れる際は、文化的・宗教的な違いを理解して接することが重要です。
たとえばイスラム教徒は、アルコールを飲みません。
竣工後に飲み会をする会社も多いですが、イスラム教徒のスタッフには無理に飲ませないようにしましょう。
また、日本人よりも時間にルーズな外国人労働者も珍しくありません。
しかしこれは、常識がないわけではなく、国民性の違いです。
むやみに非常識だと注意するのではなく、研修などを通じて、徐々に日本のルールに合わせてもらうといいでしょう。
労働条件と待遇は日本人社員と同等以上にする
外国人労働者だからといって、低賃金・長時間労働をさせることはできません。
外国人労働者も労働基準法で保護されるため、日本人社員と同等以上の待遇で雇用契約を結ぶ必要があります。
給与や労働時間などの条件はもちろん、法定休日・有給休暇はしっかりと与え、社会保険に加入する必要もあるため、確実に手続きしてください。
初めての外国人採用で、どのような雇用契約書を用意したらいいのか分からない場合は、人材紹介会社へ相談することも可能です。
生活面のサポート体制を整備する
外国人労働者が仕事に集中するためには、業務面でサポートするだけではなく、生活基盤を整えることも重要です。
先述したとおり、住居確保・銀行口座開設・スマートフォン契約などは、外国人が一人で手続きするのが難しいため、受け入れ企業がサポートするようにしましょう。
とくに住居については、外国人であることを理由に入居を拒否することはできないとされているものの、現実的には保証人などを用意できず、賃貸契約を結べないケースもあります。
このため外国人労働者が暮らす部屋は、受け入れ企業として契約することも検討してみてください。
労働者災害補償保険の加入と安全管理を徹底する
外国人労働者も、労働者災害補償保険(労災保険)へ加入できます。
建設業の現場では、どれだけ気を付けていても怪我をしてしまう可能性があるため、万が一の場合に外国人労働者が困らないよう、入社時に保険加入手続きも進めておきましょう。
また、そもそも怪我をしないように、日本の建設現場のルールを徹底的に教えることも重要です。
安全に関するルールは、文化の違いを尊重するのではなく、日本のやり方に合わせてもらいましょう。
真面目な外国人労働者が多いため、しっかりと指導すれば、すぐに日本のルールに順応してくれます。
定期的なフォローと相談できる体制を整える
外国人労働者が長期的に活躍するためには、定期的なフォローが欠かせません。
職場で積極的にコミュニケーションを取ることはもちろん、定期的に落ち着いた環境で面談する時間も設けてみてください。
なお、日常的に困ったことがある場合に、外国人労働者が気軽に相談できる窓口を明確にしておくことも大切です。
社内の人事担当者、もしくは人材紹介会社のアフターフォロー担当者を窓口としておけば、外国人労働者も安心して働けます。
建設業の外国人人材紹介は「スタッフ満足」に依頼
株式会社スタッフ満足は、特定技能外国人の人材紹介から雇用後の定着支援(登録支援業務)まで、外国人の採用支援をトータルサポートしております。
スタッフ満足は、スーパーホテルグループとして、グループ会社のホテル、介護施設、病院といったサービス業を中心に、2012年から外国人の採用と育成に携わり、経験とノウハウを蓄積してきました。
現在、2,000名以上の外国人の支援を行っております。
豊富な経験と実績をもとに、人材紹介・登録支援機関業務だけでなく、海外現地での送り出し機関の運営(ミャンマー・スリランカ)など、幅広い事業に取り組んでおります。
外国人人材紹介会社をお探しの方は、ぜひ株式会社スタッフ満足へご相談ください。

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まとめ
人手不足が著しい建設分野でこそ、外国人労働者を積極的に活用するのがおすすめです。
しかし一口に外国人労働者といっても、建設分野で働ける在留資格は「特定技能(建設分野)」「技能実習」「技術・人文知識・国際業務(技人国)」「技能」「その他の在留資格」と多岐にわたります。
適法に外国人労働者を受け入れるためにも、どの在留資格が自社が求める職種に対応しているのか、あらかじめ把握しておくことが重要です。
また、優秀な外国人労働者を自力で見つけるのは簡単ではないため、ぜひ実績豊富な外国人人材紹介会社へ相談してみてください。




