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外国人介護士が定着する採用ガイド|制度・費用・流れ・成功事例まで徹底解説

日本人スタッフの採用がうまくいかず、求人を出しても応募が集まらない。採用できても早期に退職してしまう。こうした状況が続くなかで、外国人介護士を「現実的な選択肢」として検討し始めた施設長・人事担当の方は少なくありません。ただ、在留資格が複雑で何から調べればよいかわからず、費用感も見えにくいのが実情です。

この記事では、外国人介護士を採用するための在留資格の種類と選び方、採用のメリットと課題への対処法、費用の目安、採用の流れ、実際の介護施設の成功事例までを、初めて検討する方に向けて順を追って解説します。読み終えたときに「自施設でも進められそうか」「どの在留資格が合うか」を判断できる状態を目指します。

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目次[非表示]

  1. ・介護業界の人手不足はなぜ深刻なのか
  2. ・外国人介護士の受け入れは「特別な選択肢」ではなくなっている
  3. ・在留資格の種類と選び方
  4. ・外国人介護士を採用するメリット
  5. ・採用の課題と対処法
  6. ・外国人介護士の採用にかかる費用
  7. ・外国人介護士を採用する流れ
  8. ・介護施設での外国人採用 成功事例
  9. ・介護の現場で働く外国人スタッフの声
  10. ・まとめ:外国人介護士の採用を成功させるポイント
  11. ・よくある質問

介護業界の人手不足はなぜ深刻なのか

外国人介護士の採用を検討する前提として、介護業界がどれほどの人手不足にあるのかを数字で押さえておきます。日本人採用だけでは人材を確保しきれない構造的な背景が見えてきます。

2040年度に約57万人が不足する介護職員の需給ギャップ

厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年7月発表時点)によると、2022年時点で働いている介護職員は約215万人です。これに対し、2026年度には約25万人、2040年度には約57万人の介護職員が追加で必要になると推計されています。

これは現場の努力や処遇改善だけで埋められる規模ではありません。2040年度以降は高齢者数が減少に転じて介護需要も縮小に向かうと見込まれますが、それまでの十数年間は慢性的な人材不足が続く構造にあります。日本人の採用市場だけに頼る限り、施設運営に必要な人員を安定して確保することが難しくなっていきます。

日本人採用が限界に達している有効求人倍率の現状

人材確保の難しさは有効求人倍率にも表れています。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)」によると、全職業平均の有効求人倍率が約1.25倍(令和6年度平均時点)であるのに対し、介護関係職種は約4.08倍(令和6年度平均時点)に達しています。特に訪問介護員は14.14倍(令和5年度時点)と、施設介護職員(約3.79倍)の約4倍という水準です。

1人の求職者を4つ以上の事業所が奪い合う状態であり、求人広告を出しても応募が集まらないのは個々の施設の努力不足ではなく、市場全体の構造によるものといえます。従来の採用手法を続けるだけでは充足が難しくなっているなかで、採用の母数そのものを広げる選択肢が外国人介護士の受け入れです。

参考: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」

受け入れ後の支援まで手が回らない場合は、登録支援機関に委託できます。「介護に対応できる登録支援機関の比較と選び方」で対応内容を解説しています。

外国人介護士の受け入れは「特別な選択肢」ではなくなっている

「外国人を採用するのは一部の大規模施設だけ」というイメージを持つ方もいますが、実態は異なります。医療・福祉分野で働く外国人はすでに大きく増えており、外国人採用は業界の一般的な人材確保策になりつつあります。

医療・福祉分野で増え続ける外国人労働者の人数

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、医療・福祉領域(社会保険・社会福祉・介護事業)で働く外国人労働者数は次のように推移しています。

年(10月末時点)

医療・福祉領域の外国人労働者数

対前年増加率

2019年

34,261人

31.3%

2020年

43,446人

26.8%

2021年

57,788人

33.0%

2022年

74,339人

28.6%

2023年

90,839人

22.2%

2023年10月末時点で、医療・福祉分野で働く外国人労働者は90,839人にのぼります。5年間で2倍以上に増えており、外国人介護士はすでに多くの施設で戦力として定着しています。

特定技能が中心となりつつある在留資格別の受け入れ傾向

外国人介護士の受け入れは、EPA(経済連携協定)や技能実習から始まり、近年は特定技能「介護」での受け入れが急速に拡大しています。出入国在留管理庁の統計によると、令和7年12月末時点の特定技能「介護」の在留者数は67,871人で、令和7年6月末時点の54,916人から23.6%増加しています。

このあと詳しく解説しますが、特定技能は在留期間・業務範囲・コストのバランスがよく、多くの施設で受け入れの中心になりつつあります。次の章で在留資格ごとの違いを整理し、自施設に合う選択肢を見極めていきます。

参考: 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」

在留資格の種類と選び方

外国人介護士の採用でつまずきやすいのが、在留資格の理解です。介護で外国人を採用できる在留資格は複数あり、在留期間・転職の可否・コスト・就労範囲が異なります。ここでは主要な在留資格を整理し、多くの施設にとって特定技能が中心的な選択肢になる理由を解説します。

なお、技能実習制度は2024年の法改正により「育成就労制度」へ移行し、育成就労制度は2027年4月1日に施行されます(2024年6月公布時点)。これから受け入れを始める施設は、この制度変更を前提に検討する必要があります。

通算最長5年・将来は在留資格「介護」へ移行できる特定技能「介護」

特定技能「介護」は、深刻な人手不足を解消するために2019年に創設された在留資格です。在留期間は1号で通算最長5年で、夜勤や単独での業務が日本人と同一条件で可能なこと、配属初日から人員配置基準に算入できることが施設側の大きな利点です。

特定技能1号の在留期間を超えて働き続けるには、介護福祉士の国家試験に合格して在留資格「介護」へ移行する必要があります(介護分野には特定技能2号がありません)。在留資格「介護」を取得すれば在留期間の制限がなくなり、長期雇用が見込めます。

また、2025年4月1日からは、介護職員初任者研修の修了や原則1年以上の実務経験など一定の要件を満たす特定技能外国人が、訪問介護等の訪問系サービスに従事できるようになりました(2025年4月施行時点)。訪問介護の従事には研修の実施や責任者の同行訪問などの要件があるため、最新の要件は厚生労働省の公式情報で確認してください。

特定技能「介護」の要件と業務内容をより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事:特定技能「介護」の要件と業務内容を詳しく見る

2027年4月施行の育成就労へ移行する技能実習制度

技能実習「介護」は、日本の技能を母国に移転することを目的とした制度で、2017年から介護分野が対象になりました。在留期間は最長5年(更新不可)で、夜勤が不可、人員配置基準への算入が配属6ヶ月後からといった制約があります。

この技能実習制度は2024年の法改正により育成就労制度へ移行し、育成就労制度は2027年4月1日に施行されます(2024年6月公布時点)。育成就労は技能実習と異なり「人材育成と人材確保」を目的に掲げ、特定技能1号への移行を前提に設計されている点が特徴です。経過措置により既存の技能実習生はそのまま継続できますが、新たに技能実習で受け入れを始められる期間は限られているため、これから検討する施設は育成就労・特定技能を軸に考えるのが現実的です。

EPAと在留資格「介護」・身分系という他の受け入れルート

特定技能・育成就労以外にも、介護で外国人を採用できるルートがあります。

  • EPA(特定活動):インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国を対象とした経済連携協定に基づく枠組みで、JICWELS(国際厚生事業団)を通じて受け入れます。来日時点で一定の介護スキルを持つ人材が中心です。

  • 在留資格「介護」:介護福祉士資格を持つ外国人が取得できる唯一の永続就労資格です。在留期間に制限がなく、家族帯同も可能です。ただし資格保有者は限られます。

  • 身分系(永住者・定住者など):就労制限がなく、介護を含むどの職種でも柔軟に働けます。すでに日本で生活している人材が多く、即戦力として期待できます。

これらは「すでに高いスキルや資格を持つ人材を採用したい」「家族帯同を前提に長期で迎えたい」といったケースで向いています。

5つの在留資格を一覧で比べる比較表と「特定技能が主力」の理由

主要な在留資格を比較すると、それぞれの向き不向きが見えてきます。

在留資格

在留期間

転職

訪問系サービス

母集団形成のしやすさ(提案できる人員の多さ)

主な特徴

特定技能「介護」

通算最長5年(1号)

同分野内は可能

2025年4月から一定条件で可

多

夜勤可。配属初日から人員配置基準に算入。新設施設でも受入可

技能実習「介護」※

最長5年(更新不可)

原則不可

不可

多

配属6ヶ月後から人員配置基準に算入。夜勤不可。2027年4月に育成就労へ移行

EPA(特定活動)

4年間(介護福祉士合格で永続化)

不可

合格後は一定条件で可

少

インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国のみ

在留資格「介護」

制限なし(更新可)

可

可

少

介護福祉士資格が必須。家族帯同可。唯一の永続就労資格

身分系(永住者・定住者等)

在留資格による

制限なし

可

中(地域差あり)

就労制限なし。すでに日本で生活している人材が多い

※技能実習は2027年4月1日に育成就労制度へ移行(2024年6月公布時点)。

多くの施設にとって特定技能「介護」がバランスのよい選択肢になるのは、次の理由からです。配属初日から人員配置基準に算入でき、夜勤や単独業務も可能で、新設施設からでも採用できます。さらに介護福祉士を取得すれば在留資格「介護」へ移行して長期雇用につなげられるため、5年で終わらないキャリアパスを描けます。一定の介護知識と日本語能力を試験で確認したうえで来日する点も、現場で戦力化しやすい理由です。

参考: 出入国在留管理庁 / 法務省「育成就労制度の創設」

採用から支援までまとめて任せたい場合は、「介護分野に対応した人材紹介会社の比較と選び方」で各社の対応範囲を解説しています。

外国人介護士を採用するメリット

在留資格の全体像をつかんだところで、外国人介護士を採用することで施設にどのような変化が生まれるのかを、実際の導入事例をもとに整理します。人手不足の解消にとどまらない効果が見えてきます。

慢性的な欠員を埋める人材確保

最も直接的なメリットは、慢性的な欠員とシフトの不安定さの解消です。特定技能「介護」は配属初日から人員配置基準に算入でき、夜勤や単独業務も日本人と同一条件で任せられるため、シフトを組むうえでの戦力として早期に機能します。

医療法人愛信会 介護老人保健施設 愛の里(従業員約100名)では、日本人スタッフの採用に苦戦して人材不足が深刻化していましたが、特定技能人材の採用を進めた結果、15名の外国人スタッフ(内定済みを含む。2023年12月時点)が在籍するまでになりました。「外国人の方がいなかったら施設を運営できなかった」という声があるように、外国人介護士の採用は欠員リスクを大きく下げる手段になります。

特定医療法人ダイワ会 大和病院(従業員約210名)では、特定技能ビザによりフルタイムで5年間の雇用が見通せるようになり、シフト管理の負担が軽減したという成果が報告されています(2024年2月時点)。在留期間が明確なことが、計画的な人員配置につながっています。

職場全体に好影響をもたらす

意欲的に学ぶ外国人スタッフの存在が、既存の日本人スタッフや職場全体によい影響を与えるという声も多く聞かれます。

医療法人京昭会 ツヂ病院(従業員約120名)では、外国人スタッフに丁寧に教えることが指導者自身の再学習の機会になり、現場から「すごく一生懸命に働いている」という声が上がっています。有限会社かみまの グループホーム田園(従業員約20名)でも、ミャンマー人スタッフの一生懸命さが日本人職員によい影響を与えていると報告されています。

利用者やご家族からの評価につながった例もあります。外国人スタッフへの丁寧な教育を進めるなかで職場環境そのものが改善し、サービス品質の向上にもつながるという循環が生まれています。

採用の課題と対処法

外国人介護士の採用にはメリットだけでなく、向き合うべき課題もあります。ここではコミュニケーション・離職や帰国・受け入れ準備の工数という3つの不安について、現実的な対処法とあわせて正直に整理します。

言葉と文化の壁を埋めるコミュニケーション支援

最初に挙がる不安が、日本語レベルや文化の違いによる現場の戸惑いです。特定技能1号の日本語要件はN4相当で、日常的な介護会話には対応できますが、専門的な申し送りや認知症の利用者特有の話し方には慣れが必要です。

この課題は、教育体制と母国語サポートの仕組みで乗り越えられます。実際に医療法人愛信会 愛の里では、最初の面接候補者が「想像をはるかに上回る日本語能力」と介護経験を持っていたことが採用の決め手になりました。事前に日本語と介護知識を試験で確認したうえで来日する特定技能人材であれば、現場での戸惑いを抑えられます。受け入れ後の接し方や指導方法については、外国人スタッフへの説明会の実施や、日本語資料へのルビ打ちといった工夫が効果的です。

離職・帰国リスクを抑える定着支援と退職補償

採用コストをかけた後の早期離職や帰国も、見過ごせないリスクです。特定技能では同一分野内での転職が可能で、海外には転職のハードルが低い文化圏も多いため、育成後の離職は大きな損失になります。

対策として有効なのが、定期面談や母国語での相談窓口といった定着支援です。さらにスタッフ満足では、入社後1年以内に退職した場合に無料で追加の人材を紹介する退職補償制度(ミャンマー・スリランカ出身者が対象)を設けています。有限会社かみまの グループホーム田園では、この1年間の退職補償制度がスーパーホテルグループの実績とあわせて採用の決め手になったと報告されています。早期離職時のリスクを下げる備えがあることで、初めての外国人採用でも踏み出しやすくなります。

受け入れ準備と書類手続きの工数を減らす委託・連携

受け入れ環境の整備や在留資格に関する申請書類の負担も、担当者にとって大きな課題です。住居の手配、生活インフラの契約、在留資格の手続きなどを自社だけで対応すると、現場が疲弊してしまいます。

この負担は、登録支援機関への委託で抑えられます。登録支援機関は、特定技能外国人の支援計画の作成・実施や生活サポートを担う機関です。在留資格の申請書類の作成・申請取次は行政書士の業務にあたるため、スタッフ満足では行政書士と連携したサポートを提供し、担当者の手続き工数を抑えられる体制を整えています。受け入れ準備から入社後の支援までをまとめて任せられることで、現場は本来の業務に集中できます。

外国人介護士の採用にかかる費用

費用感が見えにくいことは、外国人採用をためらう大きな要因です。ここでは紹介料・登録支援委託料・給与水準・活用できる助成金まで、外国人介護士1人あたりの費用の全体像を概算で整理します。

採用時の紹介料・登録支援委託料

外国人介護士の採用にかかる費用は、大きく初期費用と継続費用に分かれます。

人材紹介料は業界平均で約60万円とされますが、スタッフ満足では1人あたり30万円(税抜)~です(2026年6月時点)。

登録支援の委託料は業界平均で月額2〜3万円程度のところ、スタッフ満足では月額1.6万円(税抜)~で、義務的支援を含む15項目を追加費用なしで提供しています。

海外在住の人材を採用する場合は、上記に加えて送り出し機関への手数料(20〜60万円)、渡航費(4〜10万円程度)、住居の初期費用などがかかります。

在留資格の申請費用(行政書士等への費用で10〜20万円程度)も見込んでおく必要があります。

技能実習の場合は監理団体への監理費が、EPAの場合はJICWELSを通じた費用体系が別途必要になるなど、ルートによって費用構造が異なります。

海外在住のミャンマー人を1名採用する場合、人材紹介料・渡航費・在留資格申請費用・住居初期費用・登録支援料(12ヶ月分)を合計すると、1年目で約79〜102万円が概算の目安です(渡航費・住居費は地域や時期で変動します)。

2年目以降は登録支援料のみとなり、年間約19.2万円程度に抑えられます。

関連記事: 特定技能外国人を採用する流れとかかる費用を解説

日本人と同等以上が原則となる給与水準

外国人介護士の給与は、同一労働同一賃金の考え方に基づき、同じ業務に従事する日本人と同等額以上に設定することが原則です。「外国人だから人件費を抑えられる」という前提では設計できない点に注意が必要です。

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(令和5年時点)における特定技能全体の平均賃金は月額19.8万円です。介護分野では地域や業務内容によって相場が異なるため、日本人介護職員と同じ賃金テーブルを適用するのが基本になります。給与相場の詳しい考え方や決め方を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事: 特定技能の賃金・給与の相場と決め方を確認する

採用コストを抑えるために確認したい助成金

採用や育成にかかるコストを抑える手段として、活用できる可能性のある助成金もあります。たとえばキャリアアップ助成金など、外国人の正社員化や処遇改善に関連する制度が対象になる場合があります。

ただし、助成金の要件や支給額は頻繁に見直されます。受給を前提に資金計画を立てる際は、最新の要件・支給額を厚生労働省や各自治体の公的機関で必ず確認してください(2026年6月時点)。自施設の状況に合致するかを事前に確認しておくことで、採用コストの見通しが立てやすくなります。

外国人介護士を採用する流れ

費用の目安がつかめたところで、実際にいつから動けばいつ入職できるのかを把握しておきましょう。採用の流れは、海外在住人材を採用する場合と、すでに国内にいる人材を採用する場合で大きく異なります。

海外在住人材を内定から入職まで約6ヶ月で迎える流れ

海外在住の特定技能人材を採用する場合の標準的なステップは次のとおりです。

  • 人材募集・要件ヒアリング:施設が求める人物像や条件を整理し、候補者を募集します。

  • 面接(通訳同席):オンラインなどで面接を実施します。通訳が同席するため、日本語に不安がある段階でも人柄や経験を確認できます。

  • 内定:採用を決定し、雇用契約に向けた準備を進めます。

  • 書類申請・在留資格手続き:在留資格認定証明書の交付申請など、行政書士と連携して手続きを進めます。

  • 入国:空港送迎、住居の手配、生活オリエンテーションなど、来日直後の生活立ち上げを支援します。

  • 入職:受け入れ施設での就業を開始します。

内定から入職までの期間は、おおむね約6ヶ月が目安です。在留資格の手続きに時間を要するため、人材が必要になる時期から逆算して早めに動き出すことが採用成功のポイントになります。

早期入職が見込める国内在住人材の採用ステップ

すでに日本国内に住んでいる外国人を採用する場合は、在留資格の手続きが簡略化され、海外採用より短期で入職できるケースがあります。たとえば留学などの在留資格から特定技能へ切り替える場合や、永住者・定住者などの身分系の在留資格を持つ人材を採用する場合です。

身分系の在留資格を持つ人材は就労制限がなく、在留資格の変更手続きが不要なため、比較的スピーディーに迎えられます。「急ぎで人材を確保したい」という施設にとっては、国内在住人材も有力な選択肢になります。海外採用と国内採用を組み合わせることで、短期と中長期の両方の人材ニーズに対応しやすくなります。

介護施設での外国人採用 成功事例

ここまで在留資格・メリット・費用・流れを見てきましたが、「自施設でも本当にできるのか」という不安は残るかもしれません。最後に、規模の異なる介護施設3社の具体的な取り組みと成果を紹介します。

約100名規模の施設で人材確保につなげた医療法人愛信会 愛の里様

医療法人愛信会 介護老人保健施設 愛の里(大阪市・従業員約100名)は、日本人スタッフの採用に苦戦して人材不足が深刻化していました。以前に在日外国人を直接採用した際に文化の違いでトラブルが生じた経験もありましたが、スタッフ満足の特定技能人材の紹介を選択しました。

最初の面接候補者が想像を上回る日本語能力と介護経験を持っていたことが採用の決め手となり、1人目の成功をきっかけに採用が連鎖的に続きました。現在は15名の外国人スタッフ(内定済みを含む。2023年12月時点)が在籍し、経験を積んだスタッフをグループ法人に出向させて、ほかの施設での受け入れ基盤づくりにも取り組んでいます。

コスト面でも「ほかの登録支援機関は月々の固定費に追加費用もかかるが、スタッフ満足では半額ぐらいの固定費で追加費用がなく、その分をスタッフの給与に還元できている」という声が寄せられています。

参考: 医療法人愛信会 介護老人保健施設 愛の里様の導入事例

大規模チェーンとして受け入れを広げる株式会社スーパー・コート様

株式会社スーパー・コート(大阪中心に有料老人ホームを運営・従業員約1,935名)は、少子高齢化とコロナ禍で職員の負担が増大するなか、限られたコストで外国人採用を加速させる必要に迫られていました。

スタッフ満足の導入後は採用コストを約30%削減し、月3〜4件のペースで安定的に採用を継続しています。2023年9月時点では外国人スタッフ数が466名、そのうち介護職員比率は30%超でしたが、2026年現在は外国人材が700名を超えるまでに拡大しています。

外国籍コーディネーターが母国語で定期面談を行うことで定着率が向上し、「施設に活気が出た。ご入居者が喜んでいる」という変化も生まれています。

将来的に「グローバル施設長」を育成する方針を掲げるなど、外国人採用を施設運営の柱の一つに位置づけています。

参考: 株式会社スーパー・コート様|採用事例|株式会社スタッフ満足

小規模グループホームでも実現した有限会社かみまの様の事例

有限会社かみまの グループホーム田園(福島県南相馬市・従業員約20名)は、「介護業界での外国人採用は難しいのでは」という先入観がありましたが、スタッフ満足からの提案を受けて前向きに検討しました。スーパーホテルやスーパー・コートというグループの実績と、1年間の退職補償制度が安心感につながり、ミャンマー人スタッフ3名の採用に至りました(2025年4月時点)。

「昔の日本人を見ているような気持ちになる。一生懸命さ・真面目さが素敵」という運営者の言葉のとおり、ミャンマー人スタッフの姿勢が日本人職員にもよい影響を与えています。従業員20名規模の小規模施設でも、適切なサポート体制があれば外国人採用は無理なく進められることを示す事例です。

参考: 有限会社かみまの/認知症高齢者グループホーム田園様の採用事例

介護の現場で働く外国人スタッフの声

スタッフ満足を通じて介護の現場で働く外国人スタッフに、来日のきっかけや仕事のやりがい、これからの目標を聞きました。資格取得や日本語学習に向き合う一人ひとりの声から、外国人材がどんな思いで介護の仕事に向き合っているのかが伝わります。

日本の介護に魅力を感じて来日し、利用者に頼られる介護福祉士ティエンさん


ベトナムから来日し、スタッフ満足のグループ会社スーパー・コートで介護福祉士として働くティエンさんは、日本を選んだ理由を「日本の介護技術と福祉の制度は世界の中の評価が高くて、自分ももっと勉強したいという思いがあって、だから日本に来ました」と話します。

介護という仕事について、「介護の仕事は単なるお世話じゃなくて、利用者様の人生に寄り添って、自分の優しさで生活を支えるという、仕事だと思います」と語ります。やりがいを感じるのは利用者からの言葉があるときで、「利用者様から、ありがとうの言葉で、何よりやりがいがあります」。「あなたのケアは安心できるよ」と言われたことが、資格取得を目指す原点になりました。

介護福祉士試験に向けては、「大学の授業が終わったあと、学校に遅くまで残って、前の過去問題を解きました」「覚えにくい言葉は、自分でメモして、何回も何回も見たりしてました」と、地道な努力を重ねたといいます。これからについては「将来的には、介護福祉士として経験を活かして、母国ベトナムと日本を繋ぐ、介護人材の育成に携わります」と、自身の経験を次の世代につなげようとしています。

関連記事:【スタッフインタビュー】介護福祉士のティエンさん!温かい心のこもった介護でご利用者さんから頼りにされてます!

看護の知識を服薬介助に活かし、介護福祉士を目指すフィリピン人介護士ニノさん

フィリピンで看護師免許を取得したのち、2018年に留学ビザで来日したニノさんは、日本語学校で1年半学んだあと、特定技能ビザに切り替えて介護の仕事に就きました。介護を身近に感じた背景を、「フィリピン人にとっては、介護の仕事は簡単なのかなと思いました。理由は、フィリピンの文化として、自分の祖父や祖母と一緒に住んでいることが多いからです」と話します。

日々の仕事では、フィリピンで培った医薬の知識が役立っているといいます。「服薬介助がとても楽しいです。薬の量や種類で、そのご入居者がだいたいどんな状況なのかもわかりますし…自分の知識を生かせて楽しいです」。一方で、「やはり、日本語が分からないことが多いが大変です。特に漢字やコミュニケーションが苦労します」と、言葉の壁の難しさも率直に語ります。

これから介護で働きたい人へは、「はじめて介護をするなら、日本語があまりわからないから、日本人のスタッフの方が多い施設で働きたいと思います。難しい日本語に触れる機会も多くなるし、成長の速度も上がると思うからです」とアドバイスします。夜勤や資格取得を見据えて漢字の学習を続けており、受け入れる職場に「すぐにサポートできる環境があると、とても働きやすくなると思います」と、定着に必要な支援も当事者の視点で語っています。

関連記事:【スタッフインタビュー】フィリピン人 特定技能介護士ニノさん!医薬の知識を生かして働きたい

【介護施設&病院向け】外国人採用 完全ガイド

介護施設・病院様向け 外国人採用ガイド

特定技能外国人を採用する際に必要な支援を全て網羅。

日本語・介護知識を習得済みの特定技能人材なら、身体介護やコミュニケーションも安心です。

介護・医療業界に特化した採用方法・費用感がわかる資料をご案内しています。

まとめ:外国人介護士の採用を成功させるポイント

外国人介護士の採用は、深刻な人手不足への現実的な解決策です。在留資格は特定技能を軸とし、育成就労も視野に入れるのが賢明です。

費用は初期と継続で分け、日本人と同等の賃金体系で計画的に算出しましょう。言葉の壁や離職リスク等の課題は、教育体制の整備や定着支援、外部専門機関の活用で解決可能です。適切な準備と支援体制があれば、小規模から大規模施設まで、外国人スタッフの戦力化は十分に実現できます。

まず何から始めればよいか迷う場合は、自施設に合う在留資格と費用感を具体的に把握することが第一歩です。

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よくある質問

Q. 外国人介護士はどのくらい即戦力になりますか?

特定技能「介護」の人材は、来日前に介護技能評価試験・介護日本語評価試験・日本語試験(JFT-BasicのA2レベル以上またはJLPT N4以上)に合格しており、一定の介護知識と日本語能力を備えています。配属初日から人員配置基準に算入でき、夜勤や単独業務も日本人と同一条件で任せられるため、現場で早期に戦力化しやすいのが特徴です。導入事例でも「想像を上回る日本語能力と介護経験を持っていた」という声が寄せられています。

Q. 外国人介護士の採用にかかる期間はどのくらいですか?

海外在住の特定技能人材を採用する場合、内定から入職までおおむね約6ヶ月が目安です。在留資格の手続きに時間を要するため、人材が必要になる時期から逆算して早めに動くことが重要です。一方、すでに日本国内にいる人材(身分系の在留資格保有者や留学からの切り替えなど)を採用する場合は、手続きが簡略化され、より短期で入職できるケースがあります。

Q. 外国人介護士の給与は日本人より安く設定できますか?

設定できません。外国人介護士の給与は、同一労働同一賃金の考え方に基づき、同じ業務に従事する日本人と同等額以上にすることが原則です。「人件費を抑える目的」ではなく、「採用の母数を広げて人材を安定的に確保する手段」として外国人採用を位置づけることが、定着にもつながります。

Q. 小規模な施設でも外国人介護士を採用できますか?

採用できます。従業員約20名のグループホーム(有限会社かみまの グループホーム田園)でも、ミャンマー人スタッフ3名を採用した実績があります(2025年4月時点)。受け入れ準備や生活サポートを登録支援機関に委託すれば、専任の担当者を多く割けない小規模施設でも無理なく受け入れを進められます。地方での採用にも対応可能です。

Q. 早期に退職してしまった場合のリスクはどう抑えられますか?

定期面談や母国語での相談窓口といった定着支援に加え、退職補償制度の活用が有効です。スタッフ満足では、入社後1年以内に退職した場合に無料で追加の人材を紹介する退職補償制度(ミャンマー・スリランカ出身者が対象)を設けています。採用コストをかけた後の早期離職リスクを下げる備えがあることで、初めての外国人採用でも踏み出しやすくなります。

Q. 在留資格の申請手続きは自施設で行う必要がありますか?

在留資格の申請書類の作成・申請取次は行政書士の業務にあたります。スタッフ満足では行政書士と連携したサポートを提供しており、登録支援機関への委託とあわせて、受け入れ準備から入社後の支援までをまとめて任せられる体制を整えています。担当者が手続きに追われて現場が疲弊する事態を抑えられます。

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株式会社スタッフ満足 新井 宏典
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