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特定技能「介護」|試験内容と受験の申し込み・対策方法

日本は少子高齢化が続いており、今後はさらに介護関連の分野で人手が不足していくのではないかと考えられています。
そんな介護業界の人手不足解消に役立つとして期待されているのが、外国人労働者です。
 
本記事では特定技能「介護」について、おさえておきたい概要や試験の内容、受験申し込み手続きの方法などを解説します。
この記事を読むことによって試験合格に向けた対策もわかるようになるので、ぜひご覧ください。

特定技能・外国人採用に関するお役立ち資料はこちら

目次[非表示]

  1. 1.特定技能「介護」とは
  2. 2.特定技能「介護」の試験
  3. 3.特定技能「介護」の試験内容
    1. 3.1.日本語試験
    2. 3.2.介護技能評価試験(技術試験)
    3. 3.3.介護日本語評価試験(日本語試験)
  4. 4.特定技能「介護」の受験申込手続き
    1. 4.1.受験会場と日程
    2. 4.2.当日の必要書類
    3. 4.3.当日の流れ
  5. 5.特定技能「介護」の試験における合格率
  6. 6.特定技能「介護」の試験に向けた対策方法
    1. 6.1.無料テキスト
    2. 6.2.外国人向けの学習サイト
  7. 7.介護の分野は他と異なるので良く確認が必要

特定技能「介護」とは

特定技能は在留資格の一つであり、日本人だけだと十分な労働力が確保できない産業分野において認められています。
2024年4月時点では12の分野が対象となっており、介護はその中の一つです。
 
また、特定技能には、特定産業分野に関して相当程度の知識または経験を要する業務に従事する人を対象とした1号と、特定産業分野に関して熟練した技能を要する業務に従事する人を対象とした2号があります。
2号は「介護」以外の11分野が対象となるため、特定技能「介護」は1号に限った分野です。
 
利用者の心身の状況に応じた入浴や食事、排泄といったものの介助や、これに付随するレクリエーションの実施や機能訓練の補助といった支援業務が業務対象となります。

訪問系サービスは対象外です。
派遣での雇用は認められておらず、直接雇用となります。

なお、受け入れ不可であるサービス付き高齢者住宅、住宅型有料老人ホーム、訪問介護事業所といった訪問系サービスでも今後、特定技能外国人の雇用が検討されています。
参考:訪問介護、特定技能外国人も可能に 研修の修了など要件 - 日本経済新聞

関連記事:特定技能「介護」の概要とは|採用のメリットや基準も紹介



特定技能「介護」の試験

特定技能「介護」の在留資格を取得して日本で働きたいと考えている外国人は、あらかじめ以下の3つの試験に合格しなければなりません。
 
【合格が求められる試験】

  • 日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上)
  • 介護技能評価試験(技術試験)
  • 介護日本語評価試験(日本語試験)

試験は日本だけではなく、海外でも行われています。
令和6年2月の介護技能評価試験・介護日本語評価試験は、日本のほか、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、モンゴル、ネパール、インドネシア、タイ、インド、スリランカ、ウズベキスタン、バングラデシュで行われました。
なお、海外の方でも「短期滞在」の在留資格を取得すれば日本で試験を受けることも可能です。
 
試験の開催地などは特定技能総合支援サイトより確認できます。
 
試験の予約は2カ月後(60日後)のものまで可能となっており、試験を受験した後、45日間は次の受験ができません。
また、対象となるのは外国人のみなので、日本人の受験は受け付けていません。

特定技能「介護」の試験内容

特定技能「介護」の試験は、通常の日本語試験と技術試験である介護技能評価試験、日本語試験である介護日本語評価試験の合格が必要です。
通常の日本語試験とは、ある程度の日常会話ができて生活に支障がない程度の能力を示すためのものとなります。
一方、介護日本語評価試験は介護現場で働く上で必要な日本語力を持っていることを証明するためのものです。
 
なお、以下に該当する方は技能試験・日本語試験が免除されます。
 
【免除の対象者】

  • 介護職種の第2号技能実習を良好に修了した方
  • 介護福祉士養成施設を修了した方
  • EPA介護福祉士候補者としての在留期間満了(4年間)の方

ここでは、日本語試験と、 介護技能評価試験(技術試験)、介護日本語評価試験(日本語試験)に関して解説します。

日本語試験

日本語試験への合格が必要です。日本語試験は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2レベル以上、または日本語能力試験(JLPT)のN4レベル以上の合格が求められます。

それぞれの試験内容は以下の通りです。


国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

日本語能力試験(JLPT)

テストの形式

CBT方式

マークシート

構成・時間

  • 文字と語彙(約12問)
  • 会話と表現(約12問)
  • 聴解(約12問)
  • 読解(約12問)

※約50問60分間

  • 言語知識(文字・語彙):25分
  • 言語知識(文法):55分
  • 読解、聴解:35分

※N4レベルの場合

目的

ある程度日常会話ができて生活に支障がない程度の能力があるか判断する

日本語を母語としない人に対する日本語能力の測定

開催日程

日本は年に6回、海外は国により異なる

7月と12月の年2回

テスト結果

テスト終了画面で確認、または受験後5営業日以内に予約Webサイトで確認

後日送付される合否結果通知書(海外での受験者には証明書)、日本語能力認定書、またはオンラインで確認

どちらを選択するかは自由です。開催される日程が異なるので、受験予定のタイミングではどちらが向いているかも含めて検討する必要があります。
 
介護分野の場合は、後ほど紹介する介護日本語評価試験への合格も必要です。

介護技能評価試験(技術試験)

介護技能評価試験は技能試験であり、以下の形で実施されます。

試験言語
試験実施国の現地語
実施方法

コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式

受験資格者

17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上)
ただ、日本国内で受験をする場合は在留資格の取得が必要

試験実施時の注意事項

専用Webサイトに掲載

合否の通知

試験会場のコンピューター画面上と専用Webサイトで発表

試験時間

60分

試験科目

問題数45問(学科試験:40問、実技試験:5問)

コンピューター・ベースド・テスティング公式とは、テストセンターでコンピューターを使って出題・解答とするもののことをいいます。
受験者はブースでコンピューターの画面に表示されている問題をもとに画面上で解答する形です。

介護日本語評価試験(日本語試験)

その他の特定技能では通常の日本語試験しか行われないのですが、介護分野の場合は介護日本語評価試験への合格が必要です。

試験言語
日本語
実施方法

コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式

受験資格者

17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上)
ただ、日本国内で受験をする場合は在留資格の取得が必要

試験実施時の注意事項

専用Webサイトに掲載

合否の通知

試験会場のコンピューター画面上と専用Webサイトで発表

試験時間

30分

30分

問題数15問

介護技能評価試験と同じ試験日に受験ができます。

特定技能「介護」の受験申込手続き

特定技能「介護」の受験を申し込むにあたり、受験の申し込み手続きはあらかじめ予約サイトから行っておくことになります。
試験を実施している(株)プロメトリックのホームページから行いましょう。
 
手順は以下の通りです。
 
【ID作成手順】

  1. ホームページよりID作成ページにアクセス
  2. 注意事項と同意事項の確認
  3. Eメールアドレスの登録と確認
  4. パスワードの設定
  5. 個人情報の入力と確認
  6. 登録完了
  7. プロメトリックID確認

プロメトリックIDとは、介護技能試験と介護日本語評価試験を運営している(株)プロメトリックが発行するものであり、受験を希望する方はあらかじめ予約サイトからIDの作成が必要です。

プロメトリックIDを発行したら試験の予約を行います。
 
【試験予約の手順】

  1. 国内受験の場合は顔写真の撮影
  2. 登録済みのプロメトリックID、パスワードでログイン
  3. 試験予約へ進む
  4. 登録情報確認・各種同意事項
  5. 予約する試験の選択
  6. 特別項目入力
  7. 日時・会場検索
  8. 国内受験の場合は顔写真のアップロード
  9. 支払い方法の選択
  10. 予約完了 

予約を変更・キャンセルは行う試験の専用ページよりログインして行いますが、試験によって変更・キャンセルができない場合もあります。
変更可能な期限も試験によって異なるので確認しておきましょう。
 
受験会場と認定、必要書類、当日の流れも解説していきます。

受験会場と日程

受験会場と日程は以下の通りとなります。

実施場所

日本のほか、ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴルなど

実施回数・実施時期

原則として毎月実施

実施場所は「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」の中で国際交流基金日本語基礎テストを実施することとされた9ヶ国のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整った国と日本国内で行われることになります。

当日の必要書類

当日の必要書類は、以下の通りです。
 
【必要書類】

  • 確認書
  • 本人確認書類
  • ワクチン接種証明書(インドネシアで行われる一部試験会場のみ) 

確認書は、予約した試験の試験専用ページからログインを行い、予約試験一覧から表示されるものを印刷して持参しましょう。
 
海外で受験する場合は、有効な本人確認書類と確認書を印刷して持参します。
国内で受験する場合はパスポートか在留カードが有効な本人確認書類として認められるので、これらの原本と確認書を持参しましょう。
 
なお、スマートフォンなどの画面の提示やコピーしたものは認められません。
有効期限内で、写真付きであることのほか、プロメトリックIDに記載された氏名と同一である必要があります。
 
なお、当日本人確認書類の提示ができない場合は受験ができないほか、この場合でも受験料金は返金されないので注意が必要です。

当日の流れ

試験当日の流れは、以下の通りとなります。
国内受験と国外受験でそれぞれ解説します。
 
【国内受験当日の流れ】

  1. 試験開始の30分前から15分前までに受付場所へ行く
  2. 本人確認
  3. 本人確認書類以外の荷物をすべてロッカーに預ける
  4. 待合室で試験監督員の案内を待つ
  5. 入室
  6. 試験開始
  7. 試験終了 


【国外受験当日の流れ】

  1. 試験開始の30分前から15分前までに受付場所へ行く
  2. 本人確認
  3. 荷物の預け入れ
  4. 受験規定の確認
  5. セキュリティチェック
  6. チェックイン
  7. 試験開始
  8. 試験終了

受付では有効な本人確認書類の提示が求められます。

特定技能「介護」の試験における合格率

特定技能「介護」の試験を受験するにあたり、気になるのが合格率です。
ここでは、厚生労働省が発表している介護分野における特定技能試験結果について、令和6年2月のデータを紹介します。




介護技能評価試験

介護日本語評価試験


受験者数

(人)

合格者数

(人)

合格率

(%)

受験者数

(人)

合格者数

(人)

合格率

(%)

国内

1,275

847
66.4

1,169

864

73.9

フィリピン

211

147

69.7

253

161

63.6

カンボジア

37

28

75.7

29

18

62.1

ネパール

490

369

75.3

717

413

57.6

インドネシア

782

673

86.1

1,057

764

72.3

モンゴル

17

9

52.9

20

12

60

ミャンマー

1,186

1,138

96

1,535

1,311

85

タイ

30

29

96.7

35

31

88.6

インド

67

39

58.2

74

43

58.1

スリランカ

83

37
44.6
92s
63
68.5

ウズベキスタン

7
6
85.7
7
6
85.7

バングラデシュ

47
23
48.9
41
17
41.5

総合してみると、介護技能評価試験の受験者数は4,232人、そのうち合格者数は3,345人で、合格率は71.35%でした。
介護日本語評価試験については、受験者数の総合が5,029人、そのうち合格者数が3,703人で合格率の平均は68.1%です。
 
やや介護技能評価試験の方が合格率は高いことがわかります。
また、最も受験者数が多いのは日本で1,275人ですが、ミャンマーも1,186人受験しています。
合格率も介護技能評価試験が96%、介護日本語評価試験が85%といずれも高いのが特徴です。
 
合格率を総合的にみてみると低いわけではありませんが、極端に高いともいえません。
介護技能評価試験、介護日本語評価試験ともにしっかりと受験対策を行った上で取り組んでいく必要があります。
 
参考:厚生労働省:介護分野における特定技能試験結果について

特定技能「介護」の試験に向けた対策方法

特定技能「介護」の試験合格を目指すためには、必要な知識をしっかり身につけておくことが重要です。
ここでは、無料テキストと外国人向けの学習サイトを活用した学習方法を解説します。

無料テキスト

厚生労働省のWebサイト上に介護の分野に関して理解が深められる無料テキストも用意されています。
まず、介護の特定技能評価試験学習用テキストは、在留資格「特定技能」の「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」に関する知識を習得するためのものです。
 
他にも外国人のための介護福祉専門用語集、外国人のための介護福祉士国家試験一問一答、「介護の日本語」テキストが用意されています。
ボリュームもあるので、こちらのテキストを確認するだけでもさまざまな知識を身に付けられるでしょう。

外国人向けの学習サイト

厚生労働省補助事業では、特定技能「介護」の試験合格を目指すために役立つ日本語自律学習支援ツール「にほんごをまなぼう」を作成しています。
「にほんごをまなぼう」はWebコンテンツであり、日本の介護の現場で働くのに必要な基礎知識を学ぶことが可能です。
 
理解度に合わせて柔軟な形でカリキュラムが組めます。
また、目標を設定し、それに合った学習状況の管理も行えるのが特徴です。
 
コンテンツは多言語に対応しており、オペレーションも日本語・英語から選択できます。
外国人には理解は難しいような単語は、母国語で確認できるのも特徴です。
どのようなデバイスからでもアクセスできるので、外国人の方も空き時間などを活用して学びを深めていけるでしょう。
利用には無料のID登録が必要です。
 
参考:公益社団法人日本介護福祉士会:にほんごをまなぼう

介護の分野は他と異なるので良く確認が必要

いかがだったでしょうか。
特定技能「介護」の概要や試験について解説しました。
介護の分野はその他特定技能の作業分野と異なり、2号に含まれていないことや追加での試験が必要になるといった違いがあります。
 
特定技能「介護」で外国人の採用を検討している方はよく確認しておきましょう。
特に初めて外国人を採用する際は手続きなどが複雑で苦戦することが多いです。
 
人材紹介サービス「スタッフ満足」では、豊富な知見とノウハウを持って採用から定着までワンストップ対応しているので、ぜひご相談ください。

株式会社スタッフ満足 新井 宏典
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