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特定技能「産業機械製造業」とは?受け入れ企業の要件も解説

昨今、日本ではあらゆる業種で人手不足による産業の弱体化が深刻化しており、ものづくりの分野である、産業機械製造業も例外ではありません。
この問題を受け、解決策の一つとして、特定技能「産業機械製造業」が創設されました。
 
本記事では、特定技能「産業機械製造業」の基本情報を、受け入れ企業の要件とともに解説します。
特定技能人材の採用にあたって、情報収集されているご担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.特定技能「産業機械製造業」の概要
  2. 2.特定技能「産業機械製造業」が創設された背景
  3. 3.特定技能「産業機械製造業」を取得することで就業できる業務
  4. 4.受け入れ企業(特定技能所属機関)の要件
    1. 4.1.要件① 企業が日本標準産業分類に該当している
    2. 4.2.要件② 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に加入する
    3. 4.3.要件③ 支援体制の義務を果たす
  5. 5.特定技能1号「産業機械製造業」の取得方法とその条件
    1. 5.1.方法① 「製造分野特定技能1号評価試験」と「日本語試験」に合格する
    2. 5.2.方法② 技能実習から特定技能「産業機械製造業」へ移行する
  6. 6.特定技能2号「産業機械製造業」の取得に必要な条件
  7. 7.特定技能「産業機械製造業」の試験の概要
  8. 8.特定技能「産業機械製造業」の採用にあたっての諸費用
  9. 9.特定技能「産業機械製造業」を有する外国人を雇用し、人手不足の解消につなげましょう

特定技能「産業機械製造業」の概要

2019年4月に出入国管理法が改正され、そこで新設された外国人の在留資格が、「特定技能」です。
特定技能を取得した際に従事できる業務は、特に人手不足が深刻とされる12分野・14業種と定められています。
 
特定技能のうち、「産業機械製造業」は、もともと1業種1分野でしたが、2022年に製造に関するほかの分野と統合して「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」となりました。
 
産業機械製造業とは、工場や事務所内で使用される産業機械(工作機械)を製造する産業ことです。
機械を作る機械という意味で「マザーマシン」ともよばれるこれらの産業機械には、農業・工業・木工・建設機械などが該当します。
産業機械製造業は、日本の製造業を支えるために欠かせない業界であり、交通や通信インフラの基盤を整備する重要な役割を担っているのです。
 
企業が特定技能「産業機械製造業」を有する外国人を雇用する際には、いくつかの条件があります。

【特定技能「産業機械製造業」の雇用条件】

条件

概要

雇用形態

正社員やアルバイトなどの直接雇用に限られ、派遣での受け入れは不可

報酬

同様の業務に従事する日本人の報酬と同水準以上

受け入れ人数

5年間で最大5,250人

なお2024年1月現在、在留資格認定証明書の交付が一時停止されています。
特定技能「産業機械製造業」の特定技能取得者の人数が、2022年3月末で6,021人となり、受け入れ予定人数の5,250人を超える状況となったためです。
 
ただし、技能実習・留学などの在留資格のある外国人は、条件を満たせば特定技能1号への在留資格の変更や、在留期間の変更・更新の許可が下ります。

特定技能「産業機械製造業」が創設された背景

特定技能「産業機械製造業」が創設された背景には、国内の厳しい人手不足があります。
労働力不足は、早急な改善が見込めない一方で、ロボットをはじめとする産業機械に対する需要は、国内外問わず年々高まっています。
製造工程の自動化も進められているものの、高度な技術力が必要で自動化が難しい作業もあり、人手不足の問題は一朝一夕にはなかなか解決しないのが現状です。
 
産業機械製造業に関連する職業の有効求人倍率は、およそ3倍もの数値となっており、金属プレス工やプラスチック製品製造工の人材が特に不足しています。
 
こうした状況下にあっても、製品の開発・設計から製造に至るまで高い品質が求められる日本の産業機械製造業では、高度な技術力を失うわけにいきません。
さらに、技術革新の進展や海外企業の進出などを受け、たゆまない技術の更新と継続的な研究開発、および人材育成も求められています。
 
そこで、新しい在留資格である特定技能「産業機械製造業」を創設し、外国人人材の手を借りて、このような状況を打破しようと試みているのです。

特定技能「産業機械製造業」を取得することで就業できる業務

特定技能「産業機械製造業」を取得した外国人は、鉄工や仕上げ、めっきなどを含む19の業務に就くことができますが、このすべてに一つの資格で従事できるわけではありません。
 
製造業分野の19の業務は、「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分に分類されており、各区分に属する業務はそれぞれ異なります。
それにともない、資格も3区分に分けられているため、当該外国人は取得した資格に対応している業務にのみ就労可能です。
 
従来は、19の業務ごとに試験を受ける必要があるうえ、一つの資格に対して認められていたのはその業務のみでした。
2022年の制度改正で、製造業分野の業務区分はこの19区分から「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分に再編・統合されました。
外国人人材も日本人従業員と同じく、区分の範囲内の技能であれば幅広く従事できることとになったわけです。
 
なお、3区分の業務の内訳については後述します。

【特定技能「産業機械製造業」で行える業務】

業務区分

内容

鋳造

高温で溶解した金属を、鋳型に流し込み製品を作る

鍛造

強度を高めるために、金属を打撃・加圧し、目的の形状に加工する

ダイカスト

高熱で液体化させた金属を金型に流し込み、鋳物を短時間で大量に生産する

機械加工

旋盤やフライス盤、ボール盤などを工作機械や切削工具を用いて目的の形状に加工する

金属プレス加工

金型を用いて金属材料にプレス機械で荷重を加え、さまざまな形状に曲げて成形する

鉄工

鉄鋼材の加工や取り付けから組み立てまで行う

工場板金

工業製品に使われる金属薄板の加工や組み立てを行う

めっき

金属の材料表面に薄い金属を被覆して、腐食を防止する

アルミニウム陽極酸化処理

アルミニウムを陽極で電解処理して、人工的にアルミニウムの酸化物である酸化皮膜を生成する

仕上げ

手工具や工作機械により部品を加工・調整し、部品の仕上げおよび組み立てを行う

機械検査

各種測定機器を用いて機械部品を検査する

機械保全

工場の設備機械の点検・修理・メンテナンスなどを行い、機械の正常な運転を維持し保全する

電子機器組立て

電子機器の組み立ておよび補修を行う

電気機器組立て

電気機器の組み立てや、電気系・メカニズム系の調整や検査を行う

プリント配線板製造

半導体の電子部品を配列・接続するためのプリント配線板を製造する

プラスチック成形

プラスチックへ熱と圧力を加えるか、冷却することによって成形する

塗装

塗料を用いて被塗装物に塗膜を形成する

溶接

熱または圧力もしくはその両者を加え、金属部品を接合する

工業包装

工業製品を輸送するために、製品の特性や目的に合わせて包装する

特定技能人材は、指導者の指示を理解し、あるいは自らの判断によって、これらの作業に従事する必要があります。

受け入れ企業(特定技能所属機関)の要件

ここまで、特定技能「産業機械製造業」の基本情報について解説しました。
 
特定技能人材を雇用する企業のことを、特定技能所属機関とよびます。
特定技能「産業機械製造業」の資格をもつ外国人人材の採用を検討している企業は、どうすれば受け入れが認められるのでしょうか?
 
産業機械製造業において、特定技能人材を受け入れて特定技能所属機関となるには、3つある要件をすべて満たす必要があります。

ここからは、その3つの要件を紹介しますので、特定技能人材の採用を目指す企業のご担当者様はぜひ参考にしてみてください。

要件① 企業が日本標準産業分類に該当している

特定技能「産業機械製造業」の外国人人材を採用する企業は、総務省が制定している日本標準産業分類に該当している必要があります。

【日本標準産業分類】

産業機械製造業の範囲(日本標準産業分類における番号および名称)

2422

機械刃物製造業

248

ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業

25

はん用機械器具製造業(ただし、2534工業窯炉製造業、2591消火器具・消火装置製造業および2592弁・同附属品製造業を除く)

26

生産用機械器具製造業(ただし、2651鋳造装置製造業、2691金属用金型・同部分品・附属品製造業および2692非金属用金型・同部分品・附属品製造業を除く)

270

管理、補助的経済活動を行う事業所(27業務用機械器具製造業)

271

事務用機械器具製造業

272

サービス用・娯楽用機械器具製造業

273

計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業

275

光学機械器具・レンズ製造業

参照:経済産業省 「製造業における特定技能外国人材の受入れについて」
 
なお、特定技能「産業機械製造業」を取得した外国人を受け入れるには、上記の産業内において直近1年間で製造品出荷額等が発生していることが条件になります。

要件② 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に加入する

産業機械製造業の特定技能所属機関になるには、経済産業省が設置する「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」に加入することも求められます。

この組織は、以下の活動を実施しています。
 
【製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会の活動内容】

  • 特定技能「産業機械製造業」の外国人を受け入れる制度の趣旨や優良事例を周知する
  • 特定技能所属機関に対して法令遵守の啓発を行う
  • 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報収集および分析を行う
  • 地域別の人手不足の状況の把握および分析を実施する
  • 特定技能外国人の受け入れに必要なそのほかの情報・課題の共有・協議を実施する

重要なのは、特定技能「産業機械製造業」の外国人人材を受け入れる前に協議・連絡会への加入を済ませなければならない点です。
申請が混み合っている場合、加入手続きに数か月を要するケースもあるため、できるだけ早めに手続きすることをおすすめします。

要件③ 支援体制の義務を果たす

各種支援を行うことも、特定技能「産業機械製造業」の外国人人材を採用する要件の一つです。
 
企業が特定技能人材を雇用するには、「事前ガイダンスの提供」「公的手続きへの同行」「日本語学習の機会の提供」など、10項目の支援実施が義務付けられています。
適切な支援によって、特定技能人材が日本での業務や日常生活を円滑に送れるようサポートするのが目的です。
 
なお、支援すべき内容は多岐にわたるうえ、専門的な内容も含まれます。
そのため、出入国管理庁から認定された、登録支援機関に委託し、これらの支援を代わりに実施してもらうことも可能です。

関連記事:登録支援機関とは?

特定技能1号「産業機械製造業」の取得方法とその条件


特定技能には、「1号」と「2号」があります。

ここからは、外国人が特定技能1号「産業機械製造業」を取得するための2つの方法と、その条件をそれぞれ解説していきます。

方法① 「製造分野特定技能1号評価試験」と「日本語試験」に合格する

「製造分野特定技能1号評価試験」と「日本語試験」の両方に合格すれば、特定技能1号「産業機械製造業」を取得することができます。
 
産業機械製造業における「製造分野特定技能1号評価試験」には、学科試験と実技試験があります。
学科試験では100点満点中65点以上、実技試験では100点満点中60点以上が合格基準です。
ただし、実技試験といっても現在は学科試験と同様に、ペーパーテスト方式で実施されています。
 
試験は、日本国内、もしくはフィリピン・インドネシア・タイなどの海外で受験することも可能です。
 
そして、日本での労働に必要な日本語の水準を当該外国人が有していることを証明するために、規定の日本語試験への合格も必要です。
日本語試験には、日本国際教育支援協会(JLPT)の運営する日本語能力試験のN4レベル、または国際交流基金の運営する日本語基礎テストの2つが該当します。

方法② 技能実習から特定技能「産業機械製造業」へ移行する

技能実習2号を修了して在留資格「特定技能1号」へ移行する方法でも、特定技能1号「産業機械製造業」を取得できます。
 
技能実習とは、日本の技術を海外の人材に教える研修制度のことです。
技能実習2号で、産業機械製造業に関する実習を良好に修了すれば、試験を受けることなく、特定技能「産業機械製造業」に移行することができます。
つまり、技能実習2号を修了すれば、必要な技能や日本語の水準を満たしていると見なされ、「製造分野特定技能1号評価試験」と「日本語試験」を免除されるというわけです。
 
特定技能1号は、最長5年間の就労が認められており、これまで日本に滞在していた技能実習生は移行によって在留期間を伸ばせます。

関連記事:技能実習から特定技能へ移行するメリット・デメリットや注意点

特定技能2号「産業機械製造業」の取得に必要な条件

特定技能2号「産業機械製造業」を取得する方法は、特定技能1号「産業機械製造業」からの移行のみです。
 
1号から2号への移行には、「製造分野特定技能2号評価試験」および「ビジネス・キャリア検定3級」、または「技能検定1級」への合格が必要です。
それと同時に、適切な業務内容の経験と、日本国内に拠点がある製造業の現場において3年以上の実務経験も求められます。
 
なお、特定技能2号を取得すると、要件を満たせば、当該外国人の配偶者と子どもにも在留資格が与えられ、日本で生活することが可能になります。

特定技能「産業機械製造業」の試験の概要

製造分野特定技能1号評価試験は、2022年度の制度改正にともない、試験区分の見直しも併せて行われました。
 
まず、新たに編成された3つの業務区分「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」に属する業務のなかから就労予定の業務を選び、それぞれの区分共通問題を受けます。
次いで、各区分の学科と実技試験を受けますが、これは両方ともペーパーテスト方式です。
19ある業務のなかの一つに合格すれば、同じ区分内のすべての業務に従事することができるものの、区分を越えた就労は認められていません。
 
3区分ごとの業務内訳を、以下の表にまとめました。
 
【製造分野特定技能1号評価試験の業務区分と新しい試験区分】

機械金属加工(15科目)

電気電子機器組立て(9科目)

金属表面処理(2科目)

・鋳造
・鉄工
・塗装
・ダイカスト
・機械加工
・電気機器組立て
・金属プレス加工
・仕上げ
・機械検査
・工場板金
・プラスチック成形
・機械保全
・鍛造
・溶接
・工業包装

・機械加工
・プリント配線板製造
・仕上げ
・機械検査
・プラスチック成形
・機械保全
・電気機器組立て
・電子機器組立て
・工業包装

・めっき
・アルミニウム陽極酸化処理

試験問題は、経済産業省のWebサイトに掲載されているので、確認してみてください。
 
また、受験資格は試験日において満17歳以上であることにくわえ、日本国内で受験する場合は、在留資格を有していることも必要です。
 
上記の試験のほかに、「日本語能力試験のN4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト」に合格すると、特定技能1号「産業機械製造業」を取得できます。

特定技能「産業機械製造業」の採用にあたっての諸費用

特定技能「産業機械製造業」を有する外国人人材の採用にあたり、必要な費用を確認しておきましょう。
なお、採用予定の外国人の国籍や委託する登録支援機関などによって、かかる費用は変動するため、以下はあくまで概算となります。

【特定技能「産業機械製造業」の採用にかかる諸費用】

項目

費用

人材紹介会社への手数料

1名あたり10万〜30万円

送り出し機関への手数料

1名あたり20万〜60万円

在留資格申請書類作成に関する委託費用

1名あたり10万〜20万円

在留期間更新申請に関する委託費用

1名あたり4万〜8万円

義務的支援に関する委託費用

1名あたり2万〜4万円

 自社で特定技能「産業機械製造業」の外国人人材を採用する場合、特別な費用はかかりません。
しかし、募集条件の見せ方や外国語での求人作成などに、工夫を凝らす必要があるため、特に初めての募集なら、人材紹介会社に依頼することをおすすめします。
 
また、国外に在住している外国人を採用する場合、二国間協定によって送り出し機関を通さなければならない国も存在します。
送り出し機関とは、日本での就労希望者や知識・技術を学びたい外国人を募集し、日本に総客する機関のことです。
送り出し機関を必ず通さなければならない国は、フィリピン・カンボジア・ベトナム・ミャンマーの4か国です。
 
一般的に、特定技能における在留資格申請は、準備しなければならない書類の数が膨大かつ複雑であるため、登録支援機関や行政書士に委託します。

関連記事:特定技能外国人受け入れにかかる費用相場とコストダウンのポイント

特定技能「産業機械製造業」を有する外国人を雇用し、人手不足の解消につなげましょう

いかがでしたでしょうか?
 
特定技能「産業機械製造業」が創設された背景には、深刻化の一途をたどる人手不足に対し、今後も外国人人材に依存せざるを得ない国内事情が横たわっています。
 
特定技能を取得した外国人は、産業機械製造業における業務に従事することが可能ですが、雇用する企業側には、いくつもの受け入れ要件があります。
人材の採用に際してもさまざまな工夫が必要なため、慣れないうちは人材紹介会社の利用がおすすめです。
 
スタッフ満足では、特定技能「産業機械製造業」を有する外国人をはじめとする、外国人採用をお手伝いしております。
採用後のサポートも実施しているので、人手不足にお悩みのご担当者様はお問い合わせください

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