在留カードを更新する理由と注意点を解説
在留カードの更新は、外国人が日本で滞在・就労するために欠かせない手続きです。
3ヶ月以上の滞在時に交付されるカードには、在留資格と在留期限が定められているため、期限内に更新しなければいけません。
更新を怠ると、不法滞在による罰則が科せられます。
また、企業側にも期限切れによる不法就労助長罪のリスクがあるため、在留カードの管理は細心の注意が必要です。
本記事では、在留カードの更新が必要な理由や具体的な手続き方法を詳しく解説します。
カードを確実に更新し、外国人従業員が安心して働ける環境づくりを目指しましょう。
目次[非表示]
- 1.在留カードとは
- 2.企業が在留カードの更新を確認しておく理由
- 3.在留カードの更新を申請するタイミング
- 4.在留カードの更新を怠った際のペナルティ
- 5.在留カードの更新方法
- 5.1.更新場所
- 5.2.必要書類
- 5.3.手順
- 5.4.費用
- 5.5.在留カードを更新する際の注意点
- 6.在留カードの更新手続き中に有効期限が切れた際の対処法
- 7.在留カードの更新手続きをせず有効期限が切れた際の対処法
- 8.在留カードを紛失した場合の対処法
- 9.まとめ
在留カードとは
在留カードは、日本に3ヶ月以上滞在する外国人に発行される公的な身分証明書です。
氏名や国籍、生年月日、住所のほか、外国人の在留にかかわる情報が記載されています。
中でも重要なのが、在留資格と在留期限です。
日本で許可されている滞在や活動を証明する役割を担っています。
また、運転免許証と同様に、身分証明書として使用できます。
注意すべきは、滞在期間中の常時携帯が義務付けられている点です。
不携帯の場合は、罰則が科せられます。
在留カードは、外国人が日本で生活・就労するために欠かせない証明書なのです。
企業が在留カードの更新を確認しておく理由
外国人を雇用する企業には、在留カードに記載されている在留資格と在留期限を確認する義務があります。
期限切れのカードを持つ外国人は不法滞在者になり、日本での就労や滞在が認められません。
また、期限切れの在留カードを持つ外国人を雇用する企業も、不法就労助長罪として3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される可能性があります。
外国人従業員は、仕事や日本での生活に慣れるのに精一杯な場合が多いです。
その結果、更新手続きに意識が回らない方もいます。
そのため、企業側は在留カードの管理に対して、積極的に関与する必要があります。
在留カードの更新を申請するタイミング
外国人が所持する在留カードには、有効期限が設定されています。
更新の開始時期は、在留資格によって異なるのが一般的です。
永住者および高度専門職2号に該当する外国人は、記載されている期限の2ヶ月前から更新手続きができます。
一方、特定技能などその他の資格に該当する場合は、在留期限の3ヶ月前から更新手続きに着手できます。
審査にかかる期間は、2週間から3ヶ月程度です。
したがって、余裕をもった申請が推奨されます。
なお、更新申請中に期限を超過してしまう場合は、審査猶予期間の特例として2ヶ月間の在留期間延長が認められます。
在留カードの更新を怠った際のペナルティ
在留カードの更新を怠ると、永住者以外の外国人は在留期限が切れます。
同時に、不法滞在者とみなされ、罰則が科せられるため注意が必要です。
罰則では、在留資格そのものが失効します。
ペナルティは3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金です。
さらに、不法滞在者として行政処分の対象になるほか、強制退去や出国命令を受ける可能性もあります。
一度でも不法滞在者として処分を受けると、少なくとも5年間は日本へ入国できません。
在留カードの更新を怠った際のペナルティは厳しいため、管理を徹底する必要があります。
在留カードの更新方法
更新場所 |
居住地管轄の出入国在留管理官署窓口、またはオンライン申請 |
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必要書類 |
・在留期間更新許可申請書
・顔写真(縦4cm×横3cm)
・現在の在留カード
・パスポートまたは在留資格証明書
・在留資格に応じた活動資料
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手順 |
1. 書類準備
2. 申請書提出
3. 審査(2週間〜3ヶ月)
4. 許可通知受領
5. 新カード受け取り
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費用 |
4,000円(収入印紙) |
注意点 |
・申請は期限の2〜3ヶ月前から可能
・審査中でも2ヶ月間の特例期間あり
・窓口受付は平日9時〜12時、13時〜16時
・本人以外の申請は委任状等が必要
・永住者も更新が必要
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在留カードの更新手続きは、居住地を管轄する出入国在留管理官署で行います。
マイナンバーカードを所持している場合は、24時間利用可能なオンライン申請も選択できます。
必要書類から注意点を理解し、スムーズな更新手続きを目指しましょう。
更新場所
在留カードの更新は、住所地を管轄する出入国在留管理官署の窓口で手続きを行います。
受付時間は平日の午前9時から正午、午後1時から4時までです。
ただし、手続きの種類によっては、特定の曜日や時間帯が指定される場合があります。
着実に手続きを行うためにも、不明な点は事前に確認しておきましょう。
手続きは、原則として本人が窓口に出向かなければいけません。
しかし、諸事情により難しい場合は、企業が代理で申請できます。代理申請の際は、本人との関係性を証明する書類や委任状の提出が必要です。
なお、現在はマイナンバーカードを持つ外国人に限り、24時間申請が可能なオンラインシステムを利用できます。
必要書類
在留カードの更新申請をする際は、在留期間更新許可申請書を用意しなければいけません。
写真は縦4センチ・横3センチのサイズ、現在の在留カードとパスポート、もしくは在留資格証明書が必要です。
さらに、在留資格によって定められた、活動内容に関連する資料も求められます。
転職をしている場合は、資格外活動許可書なども必要です。
提出書類は、在留資格の種類によって異なります。
確認を怠ると、手続きがスムーズにならない可能性があるため注意しましょう。
手順
在留カード更新の第一歩は、在留期間更新許可申請書と必要な添付書類の準備から始まります。
書類が整ったら、管轄の出入国在留管理官署窓口へ申請書を提出しましょう。
申請後の審査期間は、通常2週間から3ヶ月程度です。
問題がなく許可が下りると、出入国在留管理庁からハガキで通知が届きます。
通知を受け取ったら、現在の在留カードとパスポート、収入印紙4,000円を持参して窓口で新しい在留カードを受け取ってください。
オンライン申請の場合は、通知後に新しいカードが郵送で届く仕組みです。
費用
在留カードの更新手続きにかかる費用は、新規発行手数料として4,000円が必要です。
支払いは収入印紙で行い、申請時ではなく新しいカードの受け取り時に納付します。
オンライン申請でも金額は同じですが、納付方法が異なる場合があるため事前に確認しましょう。
なお、在留カードを紛失して再交付を申請する場合は不要です。
永住者や高度専門職2号の外国人も、在留カードの更新時には4,000円の手数料が発生します。
在留期間更新の申請が不許可となった場合でも、一度納付した手数料は返金されないため注意が必要です。
在留カードを更新する際の注意点
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在留カードの更新は、外国人本人だけでなく雇用企業にとっても欠かせません。
注意が必要なのは、在留期限と在留カードの有効期限が異なるケースがあることです。
16歳以上の場合、カードの期限は在留期間満了日まで有効ですが、16歳未満は在留期間満了日か16歳の誕生日のいずれか早い日が期限です。
永住者の場合は、交付日から7年後が有効期限になるため注意しましょう。
企業は従業員の在留カード情報をコピーで保管し、定期的に更新確認を行う必要があります。
在留カードの更新手続き中に有効期限が切れた際の対処法
在留カードの更新手続きには、2週間から3ヶ月程度の審査期間が必要です。
したがって、期限の直前に申請をすると、カードに記載された有効期限を超過する可能性があります。
しかし、在留期間更新の申請を一度でも行えば、在留期限を過ぎても2ヶ月間の特例期間が認められます。
更新手続き中はカードの裏面にその旨を示すスタンプが押され、期間中はこれまでと同様に日本での滞在や就労が可能です。
審査結果が出るまでは、追加の手続きを行う必要はありません。
ただし、手続き中の証明になる受理票を紛失しないよう注意しましょう。
在留カードの更新手続きをせず有効期限が切れた際の対処法
在留カードの更新手続きを行わないまま有効期限が切れてしまうと、永住者以外の外国人は不法滞在者です。
不法滞在には3年以下の懲役、または300万円以下の罰金があり、強制退去の対象になる可能性もあります。
ただし、故意でない数日程度の期限切れの場合は、速やかに出入国在留管理局に出向いて事情を説明すれば、担当官の判断で更新手続きに応じてもらえる可能性があります。
その際はパスポートと在留カードのほか、期限を過ぎた理由を記載した書面が必要です。
在留カードを紛失した場合の対処法
在留カードの紛失に気付いた場合は、速やかな対応が必要です。
まずは警察署で遺失物届を提出し、遺失物届出証明書を取得します。
その後、以下を持参して、管轄の出入国在留管理局で再交付申請を行います。
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基本的には当日中に再交付され、手数料もかかりません。
在留カードは常時携帯が義務付けられており、法律上、紛失に気付いてから14日以内の再交付申請を行う必要があります。
外国人の身分証明に欠かせない書類のため、紛失した場合は速やかに再発行手続きを済ませなければいけません。
まとめ
在留カードは、日本に滞在する外国人にとって重要な身分証明書です。
在留資格や期限を証明するために欠かせません。
企業側は従業員のカード管理を徹底し、期限切れを防ぐ必要があります。
更新手続きは、期限の2〜3ヶ月前から可能です。審査期間は、2週間から3ヶ月かかります。
また、パスポートや在留カードなどの書類と、4,000円の手数料が必要です。
期限切れは不法滞在になるため、厳しい罰則に科せられます。
外国人従業員が安心して働ける環境づくりを目指すためにも、企業は在留カードの管理体制を整えましょう。