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留学ビザから就労ビザに変更するには?方法やポイントを解説

近年、日本で学ぶ留学生は多くなっており、正社員として採用したいとお考えの企業も多いのではないでしょうか。

しかし、留学ビザのままでは週28時間までしか働けないため、フルタイムでの雇用はできません。

本記事では、留学ビザから就労ビザへの変更方法や必要な要件、注意点などについて詳しく解説します。

在留資格を変更するときに企業側が注意すべきポイントも紹介します。
これから受け入れ体制を整えようとお考えの企業さまは、ぜひ参考になさってください。


目次[非表示]

  1. 1.留学ビザでは正社員で雇用できない? 
  2. 2.働くには就労ビザが必要 
  3. 3.留学ビザから就労ビザへの変更が許可される条件 
    1. 3.1.入管法が規定している業務内容に当てはまる
    2. 3.2.学歴や職歴、保有する資格などの基準に適合している 
    3. 3.3.素行が悪くない 
    4. 3.4.入管法で決められた届出をおこなっている 
  4. 4.留学ビザを在留資格の「特定技能」に変更するには
    1. 4.1. 外国人に試験に合格してもらう 
    2. 4.2.企業側で必要書類を用意する 
    3. 4.3.外国人に必要書類を用意してもらう
  5. 5.留学ビザを在留資格の「技術・人文知識・国際業務」に変更するには
    1. 5.1.外国人が要件を満たしているか確認する 
    2. 5.2. 企業側で必要書類を用意する 
    3. 5.3.外国人に必要書類を用意してもらう
  6. 6.在留資格変更許可申請の方法
  7. 7. 在留資格を変更するときに企業側が注意すべきポイント
    1. 7.1. ポイント①在留資格と一致した業務内容か確認する 
    2. 7.2.ポイント②入社に間に合うよう書類を揃える 
  8. 8.まとめ


留学ビザでは正社員で雇用できない? 

留学ビザでは、原則として週28時間以内のアルバイトしか認められていません。
そのため、フルタイムでの正社員雇用を検討される場合は、就労可能な在留資格への変更が必須です。

この制限は、留学生の本来の目的である「勉学」を確保するために設けられています。
ただし、春休みや夏休みなどの長期休暇中は、1日8時間までの就労が許可されます。

正社員として週40時間の勤務を予定している場合は、「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などの就労可能な在留資格への変更申請が必要です。

働くには就労ビザが必要 

就労ビザは、日本で働くために必要な在留資格です。
留学生が日本で就職する際は、「留学ビザ」から「就労ビザ」に変更しなくてはなりません。

就労ビザは「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」など16種類があり、それぞれ職務内容に応じた申請が求められます。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」は、専門知識を活用する職務、「特定技能」は特定産業での技能を活かす職務が対象です。

また、留学ビザから就労ビザへの変更には、雇用先企業の協力が欠かせません。
法務省入国管理局に申請する際は、必要な書類を正確に揃え、雇用契約や職務内容がビザの条件に合致していることを示す必要があります。

書類に不足があると審査に時間がかかるため、変更申請時には内定先企業と密に連携し、書類作成や提出スケジュールを整えましょう。

留学ビザから就労ビザへの変更が許可される条件 

就労ビザへの変更には、いくつかの重要な条件があります。
これらの条件をすべて満たす必要があるため、以下の4つの条件を事前に確認しておきましょう。

  • 入管法が規定している業務内容に当てはまる
  • 学歴や職歴、保有する資格などの基準に適合している
  • 素行が悪くない
  • 入管法で決められた届出をおこなっている

参照元:出入国在留管理庁|在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

入管法が規定している業務内容に当てはまる

条件のひとつに、就労を希望する職種が入管法で定められた範囲内である必要があります。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の場合、専門的な知識やスキルを活かせる職種であることが求められるでしょう。

単純作業や製造ラインでの作業などは、原則として認められません。
申請前に予定している業務内容が入管法の規定に合致しているかの確認が大切です。

不明な点がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
その際、具体的な業務内容や職務記述書を用意しておくと、より正確なアドバイスを得られるでしょう。

学歴や職歴、保有する資格などの基準に適合している 

就労ビザへの変更許可には、応募者の経歴が職種に適しているかの厳密な審査があります。
大学や専門学校での専攻と、就職を希望する職種との関連性が重要です。

すでに関連する職歴や資格を持っている場合は、それらも考慮されます。
たとえば、工学部を卒業した留学生がIT企業に就職を希望する場合、専攻分野と業務内容の関連性は高く評価されるでしょう。

一方、特定技能ビザでは学歴や専攻の関連性よりも、技能試験の合格や日本語能力試験(JLPT)の成績が重要視されます。

特定技能分野は実務能力が重視されるため、学歴や職歴に基づく審査とは基準が異なります。

まったく異なる分野への就職を希望する場合は、妥当性について詳細な説明が必要となることもあるので注意しましょう。

素行が悪くない 

就労ビザへの変更許可の条件には、在留期間中の法令順守状況について慎重な審査が行われます。
例えば、アルバイトの時間制限を守っているか、納税義務を果たしているかなどです。

交通違反や犯罪歴がある場合は、許可が下りない可能性が高くなるため、注意が必要です。

日本での生活全般において、誠実に規則を守り、責任ある行動をとってきたことを示す必要があるでしょう。

入管法で決められた届出をおこなっている 

就労ビザへの変更許可の条件には、留学中の各種届出(住所変更、所属機関の変更など)を適切におこなっているかが重要な判断材料です。

これらの手続きを怠っていると、在留資格の変更が認められない可能性があります。

特に、住所変更の届出は引越し後14日以内、所属機関の変更届出は変更後14日以内と期限が定められています。

また、資格外活動(アルバイト)についても、許可を得ているかどうかのチェックがあります。
届出の履行状況は、申請者の信頼性を判断する基準となるでしょう。

留学ビザを在留資格の「特定技能」に変更するには

特定技能への在留資格変更では、試験合格と必要書類の準備が重要です。

この資格は2019年4月に新設され、介護、ビルクリーニング、産業機械製造業など人材を確保することが困難な14の特定産業分野で認められています。

在留資格の変更には、外国人本人の資格要件の確認と、企業側の受け入れ体制の整備が必要となるため、計画的な準備が必要です。

手続きの流れは以下のようになります。

 外国人に試験に合格してもらう 

特定技能1号の取得には、技能と日本語の両面で基準を満たす必要があります。
試験合格は就労開始の前提条件となるため、採用計画の初期段階で確認すべき重要事項です。

特定技能の在留資格取得には、2つの試験への合格が必要です。

試験の種類

内 容

備 考

技能試験

職種に応じた技能水準の確認

特定技能評価試験

日本語試験

基本的な日本語能力の確認

国際交流基金日本語基礎テスト

または日本語能力試験N4以上

ただし、技能実習2号を修了している場合は、試験が免除されることがあります。

企業側で必要書類を用意する 

在留資格変更の申請には、企業側の受け入れ体制を証明する複数の書類が必要です。
申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 雇用契約書
  • 特定技能所属機関の概要書
  • 登記事項証明書(原本)
  • 決算報告書(直近の事業年度)
  • 事業所概要
  • 1号特定技能外国人支援計画書
  • 雇用理由書

特に1号特定技能外国人支援計画書は重要な書類です。
外国人材の生活環境整備や日本語学習支援など、具体的な支援内容を明確に記載しましょう。

またすべての書類は、原本または原本証明されたものでなければいけません。

外国人に必要書類を用意してもらう

申請者本人には、身分証明や資格を証明する書類の提出が求められます。
必要な書類は以下の通りです。

  • パスポート
  • 在留カード
  • 卒業証明書
  • 成績証明書
  • 技能試験合格証明書
  • 日本語試験合格証明書
  • 履歴書(写真添付)
  • 在留資格変更許可申請書
  • 証明写真(縦4cm×横3cm)

特に申請書は、記入漏れや誤記がないよう注意しましょう。
外国人だけでは難しい場合もあるので、企業のサポートは欠かせません。

提出書類は、出入国在留管理局の定める基準に従って準備することが重要です。

留学ビザを在留資格の「技術・人文知識・国際業務」に変更するには

「技術・人文知識・国際業務」は、専門的な知識やスキルを活かして働く外国人材に適した在留資格です。

IT技術者、翻訳者、貿易事務、経理など、幅広い職種での就労が可能となります。
変更申請の手順について、詳しく解説していきましょう。

外国人が要件を満たしているか確認する 

留学生の要件確認は以下の点が重要です。

確認項目

基 準

補 足

学歴要件

大学・短大・専門学校卒業

専攻と職務の関連性が必要

職務内容

専門的知識・技術を要する業務

単純作業は認められない

報酬基準

日本人と同等以上

最低賃金を上回ること

特に業務内容と留学時の専攻分野との関連性は、許可の可否を左右する重要です。
必ず、業務内容との照らし合わせを行いましょう。

 企業側で必要書類を用意する 

企業側で用意する書類は以下の通りです。

  • 雇用契約書
  • 会社の登記簿謄本
  • 決算報告書(直近1年分)
  • 事業所概要
  • 給与支払証明書
  • 職務内容説明書
  • 雇用理由書 

特に1号特定技能外国人支援計画書は重要な書類です。

外国人材の生活環境整備や日本語学習支援など、具体的な支援内容を明確に記載しましょう。
またすべての書類は、原本または原本証明されたものでなければいけません。

外国人に必要書類を用意してもらう

申請者本人には、身分証明や資格を証明する書類の提出が求められます。
必要な書類は以下の通りです。

  • パスポート
  • 在留カード
  • 卒業証明書または卒業見込証明書
  • 成績証明書(原本)
  • 在留資格変更許可申請書
  • 履歴書(写真添付)
  • 職歴証明書(該当する場合)
  • 資格証明書(取得している場合)
  • 証明写真

特に成績証明書は専攻分野の確認資料として重要です。

また、申請書類は出入国在留管理局の基準に従って準備し、記入漏れや誤記がないよう注意しましょう。

参照元:出入国在留管理庁|在留資格「技術・人文知識・国際業務」

在留資格変更許可申請の方法

留学生を正社員として採用する際、在留資格変更の手続きは避けて通れません。

申請は留学生本人が出入国在留管理局でおこなう必要がありますが、企業側のサポート体制が申請の成否を左右します。

申請時の費用は無料ですが、許可後に収入印紙(4,000円)が必要です。

スムーズな手続きのために、企業の採用スケジュールに合わせて、以下の流れで進めていくことをおすすめします。

申請の基本的な流れは以下の通りです。

手 順   
内 容            
担 当      
備 考        
1.事前準備
必要書類の確認とリスト作成
企業・留学生
チェックリストの活用
2.書類提出
出入国在留管理局での申請
留学生
企業担当者の同行推奨
3.審査待ち
書類審査と確認
出入国在留管理局
追加書類の要請の
可能性あり
4.結果受領
郵便での通知
本人宛
企業への報告必須
5.手続完了
在留カードの更新
留学生
期限内の受け取り

申請から許可までは通常1〜3ヶ月かかるため、十分な余裕を持って準備を進めることが大切です。記載例はこちらから確認できます。 書類に不備があると審査期間が延びる可能性があるため、事前チェックを慎重に行いましょう。

また、在留資格変更許可申請はオンライン申請もできるので、上手に利用するといいでしょう。

 在留資格を変更するときに企業側が注意すべきポイント

在留資格の変更申請をするときには、企業側が注意すべきポイントがあります。
ここからは、特に注意すべき2つを詳しく見ていきましょう。

  1. 在留資格と一致した業務内容か確認する
  2. 入社に間に合うよう書類を揃える

 ポイント①在留資格と一致した業務内容か確認する 

入管審査では、予定している業務内容と在留資格の整合性が重視されます。
以下の点を特に注意して確認しましょう。

書類名

種 類

備 考

パスポート

身分証明

有効期限内のもの

在留カード

身分証明

最新の情報が記載されたもの

卒業証明書

学歴証明

卒業見込証明書でも可

卒業証明書

学歴証明

原本必須・専攻分野の確認用

在留資格変更許可申請書

申請書類

記入漏れ・誤記に注意

履歴書

経歴証明

写真添付必須

職歴証明書

経歴証明

該当する場合のみ

資格証明書

能力証明

取得している場合のみ

証明写真

本人確認

出入国在留管理局指定サイズ

入管審査では、申請書類に記載された業務内容と実態に相違がないかを確認されます。
そのため、実際の配属先での具体的な業務内容を明確にしておきましょう。

ポイント②入社に間に合うよう書類を揃える 

在留資格変更の申請から許可までには、一定の時間が必要です。
以下のスケジュールを意識して準備を進めましょう。

採用内定時

スケジュール開始

卒業3ヶ月前

事前準備・要件確認

要件確認後

書類準備開始
(企業側・外国人側で並行作業)

卒業2ヶ月前

書類の最終確認

卒業1.5ヶ月前

書類の最終確認

卒業1.5ヶ月前

申請書類提出:入管審査(1~3か月)

書類の不備が
指摘された場合

書類準備に戻る


結果通知



許 可

在留カード受け取り

不許可

理由確認
再申請検討

卒業予定日直前

卒業予定日までに手続き完了

特に注意が必要なのは 、書類の不備があった場合の対応時間です。
追加書類の要求があった場合でも対応できるよう、余裕を持ったスケジュール管理をしていきましょう。

まとめ

人手不足が深刻化する日本では、留学生の正社員採用に注目が集まっています。
しかし、在留資格の変更には複数の要件確認や書類準備が必要で、特に初めての企業では多くの時間と労力を要するでしょう。

今回ご紹介した通り在留資格変更には、業務内容と在留資格の整合性確認、卒業前からの計画的な準備が重要です。

これらの手続きを自社でおこなうには負担が大きく、登録支援機関などの専門家への相談でスムーズな採用が可能となります。

スタッフ満足では、留学生の採用から在留資格変更手続き、その後の定着支援まで一貫してサポートしております。
外国人材の採用をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。

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