特定技能外国人を雇用する場合は保険の加入も必要?任意保険も確認
日本人の雇用が進まず、人手不足に悩んでいる会社で活用されているのが、外国人労働者を雇用するための「特定技能制度」です。
国が認めている12の産業分野において、一定の専門性・技能を持った外国人の受け入れができます。
特定技能外国人を採用する際によく確認しておきたいのが、保険に関することです。
「保険の加入は必須?」と疑問に感じている方のため、加入しなければならない保険や任意保険などについて紹介します。
この記事を読むことによって特定技能外国人を採用するにあたり、確認しておきたい保険に関する基礎や注意点がわかるので、ぜひご覧ください。
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特定技能の外国人が加入しなければならない保険【義務】
日本国内で働くのであれば、特定技能の外国人であっても加入しなければならない保険があります。
義務として定められているのは、健康保険、雇用保険、年金保険、労災保険、介護保険の5つです。
それぞれ解説します。
健康保険
健康保険は加入が義務づけられています。
病気やケガをした際だけではなく、出産した際などにも適用される保険です。
市区町または国民健康保険組合によって運営されています。
健康保険に加入していると、ケガなどをした際に3割負担で医療サービスが受けられるので、万が一に備えるためにも非常に重要な保険といえるでしょう。
健康保険の保険料は、被保険者の給与の金額に応じて設定されることになります。
支払いは事業主と被保険者本人で折半し、給料からの天引きが可能です。
雇用保険
雇用保険とは、労働者が失業した場合に備えるための保険です。
雇用保険と労災保険を合わせて「労働保険」と呼びます。
例えば、失業手当も雇用保険から賄われています。
こちらも万が一に備えるための保険といえるので、日本人はもちろん、外国人にとっても重要です。
他にも就職促進給付や教育訓練給付、雇用継続給付、育児休業給付金なども雇用保険によるものです。
1週間の所定労働時間が20時間以上ある場合は加入対象となるので、基本的に加入する形になるでしょう。
保険料の支払いは事業主と被保険者本人で折半して行います。
給料から天引きして徴収が可能です。
年金保険
年金には、会社員が加入する厚生年金と、自営業やフリーターなどが対象となる国民年金があります。
厚生年金の保険料は事業主と被保険者本人で折半して支払う形となりますが、国民年金の場合は全額自己負担です。
特定技能外国人の場合、法人に勤めていてなおかつ社会保険への加入条件を満たしている場合は厚生年金保険に加入することになるでしょう。
一方、法人に勤めてはいるものの適用除外者に該当する場合は国民年金へ加入します。
外国人労働者の場合は将来的に母国に帰国する可能性もあるので、納めたお金を年金として受け取れない可能性も考えられます。
そのため、支払いに対して抵抗感じる外国人もいるでしょう。
ですが、脱退一時金と呼ばれる保険料の返還制度が用意されているので、支払った分が無駄になることはありません。
特定技能外国人を雇用する際は脱退一時金についても詳しく説明し、理解しておいてもらいましょう。
労災保険
労災保険とは、労働者の業務上、または通勤によって発生した傷病に対する保険制度です。
仕事中のケガなどで働けなくなってしまうと収入が途絶えてしまいますが、労災保険によって自身で負担することなく治療費の支払いをしてもらえるのが特徴です。
保険料は雇用主が全額負担する形となります。
介護保険
40歳以降になると徴収が始まるのが介護保険です。
外国人労働者であったとしても日本人と同様に介護保険に加入し、保険料を支払っていく形になります。
なお、厚生労働省では介護保険制度について多言語で説明するリーフレットを用意しているので、外国人労働者に制度の説明をする際にはこちらを活用してみるのもおすすめです。
参考:厚生労働省:介護保険制度について(40歳になられた方(第2号被保険者)向け:令和2年11月版)
加入がおすすめの保険【任意】
外国人労働者も日本人と同様に任意保険への加入が可能です。
任意保険にはさまざまな種類がありますが、中でも注目したいのが「特定技能外国人総合保険(JITCO保険)」です。
特定技能外国人を対象とした保険であり、公的保険だけではカバーできないような補償内容となっています。
外国人労働者は母国から離れた地で暮らしているということもあり、日々の生活の中で多くの心配事を抱えています。
また、生活環境が変わることにより体調を崩してしまう方も珍しくありません。
そういったときに手厚い補償が受けられるJITCO保険は、外国人労働者にとっても心強いものといえるでしょう。
JITCO保険は、母国出発から帰国するまでの講習期間を含む在留期間をカバーするものです。
補償内容は以下の通りです。
【補償内容】
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喧嘩や犯罪に関わるもの、美容整形など、一部保険金支払対象とならないものもありますが、それ以外であれば治療費は実質的に無料です。
第三者への損害賠償も対象になっているため、万が一の訴訟費用のほか損害賠償金などに備えることもできます。
また、救援者費用等保険金と呼ばれるものが支払われるのですが、これは、病気・ケガなどによって死亡したり危篤状態となったりした場合に、現地までの親族の渡航費用を支払ってくれるものです。
保険タイプによって救援者費用の額は異なりますが、200~300万円が支払われます。
親族の往復交通費のほか、ホテル宿泊費などが対象です。
保険料の負担が大きいものだとなかなか検討できませんが、JITCO保険の保険料は非常にお手ごろ価格となっており、月々の支払いで見ていくと月1,000円以下のものもあります。
公的保険では就業時間内のトラブルに対応できるものの、それ以外のタイミングで通院や入院を要するトラブルが起こってしまうと対応できません。
安心して生活できるようにするためにも、万が一のことを考えて任意保険への加入を勧めておいた方が良いでしょう。
保険加入に際しての注意点
外国人にとって日本の保険制度は複雑でわかりにくい部分もあります。
そのため、保険加入者本人への丁寧な説明を行いましょう。
わからないことがないか確認し、疑問などがあればそれにこたえる必要があります。
特に加入が必須である保険ではなく、任意保険は加入への理解が得られないことも珍しくありません。
こういった場合は、保険未加入だった場合にどのようなリスクが想定されるのかを理解してもらうことで加入を勧めやすくなります。
また、何かあったときは必ず保険が支払われると勘違いしている可能性もあるため、どういったケースでは保険金が支払われないのかあらかじめ理解しておいてもらうことも重要です。
それから、任意保険の保険料を給与から保険料を天引きする場合は、労使協定と呼ばれるものを結んでおかなければなりません。
本来、任意保険は給料から強制的に天引きすることが禁止されています。
ですが、労使協定を結ぶことによって、天引きが可能です。
本人に任せると保険料の支払いを忘れてしまう可能性もあるため、可能であれば労使協定を結んで給料から保険料を天引きする形を選択すると良いでしょう。
このあたりも本人に良く理解と納得をしてもらうことでトラブルが起こりにくくなります。
外国人労働者にとっても保険は重要
いかがだったでしょうか。
特定技能外国人を採用するにあたり、確認しておきたい保険について紹介しました。
加入が義務づけられているもののほか、任意保険もあります。
可能であれば任意保険への加入も進めておきましょう。
ただ、保険についてうまく説明できなかったり、外国人が理解してくれなかったりすることも考えられます。
そういった場合は、ぜひ「スタッフ満足」までご相談ください。
数々の外国人スタッフ採用に貢献してきた経験を活かし、採用から定着、教育まで対応しています。