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特定技能「自動車運送業」とは?受け入れ要件や採用の流れ、費用を解説

慢性的なドライバー不足に加え、2024年4月の時間外労働上限規制で既存人員の実働時間も制限され、今の配送量を維持できるか見通しが立ちにくくなっている運送会社は少なくありません。求人を出し続けても応募が来ない状況は、自社だけの問題ではなく業界全体の構造問題です。

こうした状況への対応として2024年3月に「自動車運送業」が特定技能の対象分野に追加されました。トラック・タクシー・バスの3業種で外国人ドライバーを受け入れられる仕組みが整備され、日本人採用だけに頼らない人員確保の選択肢が生まれています。

この記事では、特定技能「自動車運送業」について基礎から解説します。3業種の対象業務、外国人ドライバーの就労要件や受け入れ企業として必要な準備、採用フローと費用など全体像から見落としやすい注意点までわかりやすく解説。制度の全体像を把握し、採用検討の方向性を決める材料にしてください。

なお、人材紹介会社については「 自動車運送業に強い外国人人材紹介会社10社を比較 」もあわせてご覧ください。

※本記事は公開日時点の情報です。最新の情報は出入国在留管理庁など公的機関にてご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 特定技能「自動車運送業」の制度概要
  2. 特定技能「自動車運送業」で任せられる業務
  3. 外国人ドライバーの3つの就労要件
  4. 受け入れ企業の要件
  5. 採用から就労までの流れ
  6. 特定技能「自動車運送業」の外国人採用にかかる費用
  7. 自動車運送業の外国人採用の注意点
  8. まとめ:特定技能「自動車運送業」の採用は業種別の要件確認と早期準備がカギ
  9. よくある質問

特定技能「自動車運送業」の制度概要

2024年3月29日の閣議決定で特定技能の対象分野に追加された自動車運送業。慢性的なドライバー不足が続くなか、トラック・タクシー・バスの3業種で外国人材の受け入れが可能になりました。制度全体の概要と規模感を最初に整理します。

参考: 国土交通省「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて」

ドライバー不足の実態

国土交通省の推計によれば、ドライバーの不足数は2030年に28万8,000人に達すると予測されています。

この構造的な不足に、2024年4月から始まった時間外労働の上限規制が重なりました。年間960時間の上限が適用されたことで、既存ドライバーの実働時間が制限され、これまでと同じ量の輸送を維持することが難しくなっています。

自社の採用難を「自社だけの問題」と捉えていると、対策が後手に回りやすくなります。求人を出しても応募が来ないのは業界全体の構造問題であり、国を挙げて外国人材の受け入れ制度を整備した背景がここにあります。

自動車運送業は1号のみ

自動車運送業分野で受け入れられるのは特定技能1号のみです。特定技能2号は設定されていません。

在留期間の上限は通算5年で、家族の帯同も認められていません。「特定技能1号で5年就労してもらい、その後は特定技能2号で長期在留に移行できる」というルートは、自動車運送業では現時点では選べない点を確認しておく必要があります。

長期にわたる戦力として位置づけたい場合は、就労可能な在留資格の選択肢を別途検討することになります。

なお、在留期間・家族帯同の制限は出入国在留管理庁「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針)」で定められています。

参考: 出入国在留管理庁 分野別運用方針

受け入れ人数の目標と推移

政府が設定した5年間の受け入れ見込数は22,100人(令和6〜10年度) です。令和6〜8年度については24,500人と設定されています。

参考: 出入国在留管理庁「特定産業分野の受入れ見込数」

2024年3月に制度が始まったばかりで、現時点では実際の在留者数はまだ少ない段階です。制度が走り始めたタイミングで採用に着手する企業は、候補者の確保や手続きの整備において先行できる余地があります。

特定技能「自動車運送業」で任せられる業務

自動車運送業の特定技能では、トラック・タクシー・バスの3業種で受け入れが可能です。ただし、対象業務や付随業務の内容は業種によって異なります。「どの業種で採用するか」を先に明確にしておくことが、採用計画を具体化するうえでの出発点になります。

トラック運送業の対象業務

トラック運送業(貨物自動車運送事業)における特定技能の対象業務は、貨物軽自動車運送・一般貨物自動車運送・特定貨物自動車運送の各事業における運転業務です。

参考: 出入国在留管理庁 分野別運用方針

運転業務に加え、以下の付随業務も担当できます。

  • 日常の車両点検

  • 積み込み・荷下ろしの補助

  • 運行記録の管理補助

就労にあたっては、日本の第一種普通・中型・大型免許が必要です。また、運行管理者の指示のもとで業務を行うことが前提となります。現場で判断を求められる場面では、日本語でのコミュニケーションが取れる状態を確保しておく必要があります。

タクシー運送業の対象業務

タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)における対象業務は、旅客輸送業務です。付随業務として、車両の清掃や乗降補助なども担当できます。

参考: 国土交通省 特定技能「自動車運送業」分野の運用方針

タクシーには、トラックよりも高い要件が設けられています。

  • 日本語能力: JLPT N3以上(JFT-Basicは不可)

  • 運転免許: 日本の第二種免許

旅客を安全に送り届け、接客も行う業種のため、言語要件と免許要件の両方がトラックより厳しく設定されています。候補者の語学レベルや免許の取得状況を事前に確認してから採用プロセスを進めることが求められます。

バス運送業の対象業務

バス(一般乗合旅客・一般貸切旅客自動車運送事業)における対象業務も、旅客輸送業務と付随業務です。

参考: 国土交通省 特定技能「自動車運送業」分野の運用方針

要件はタクシーと同様で、JLPT N3以上・第二種免許が必要です。JFT-Basicは不可の点も共通します。

路線バスは定時運行・多区間ルートの把握・停留所名の案内など、タクシーとは異なる業務特性があります。貸切バスでは長距離運行や団体対応が中心になるため、乗客とのコミュニケーションが発生する場面も多くあります。いずれも日本語力が日常業務に直結するため、N3水準の語学力を確認したうえで採用を進める必要があります。

外国人ドライバーの3つの就労要件

特定技能1号で就労するには、①業種別の技能評価試験への合格、②業種別の日本語能力要件の充足、③日本の運転免許の取得という3条件をすべて満たす必要があります。業種によって要件の水準が異なるため、採用する業種を決めたうえで各要件の充足状況を確認することが採用計画の前提になります。

業種別の技能評価試験

技能評価試験は、一般財団法人日本海事協会(ClassNK) が実施しています。

参考: ClassNK 特定技能「自動車運送業」技能評価試験

試験の概要は以下のとおりです。

  • 形式: 学科(○×式30問)・実技(三肢択一式20問)

  • 合格基準: 各科目60%以上

  • 受験料: 国内5,000円・海外37米ドル

  • 受験方式: CBT方式(随時)または出張試験方式

業種ごとに試験内容が異なります。トラック・タクシー・バスそれぞれ別の試験が設定されているため、採用する業種に対応した試験を受験していることを確認してください。海外在住の候補者が受験する場合は、出張試験のスケジュールを事前に確認しておく必要があります。

業種別の日本語能力要件

業種によって求められる日本語能力の水準が異なります。

参考: 国土交通省 特定技能「自動車運送業」分野の運用方針

業種

要件

JFT-Basic

タクシー・バス

JLPT N3以上

不可

トラック

JLPT N4以上、またはJFT-Basic A2以上

旅客業種(タクシー・バス)は接客・安全確保の観点からN3以上が必須で、JFT-Basicで代替することができません。一方、トラックはN4またはJFT-Basic A2以上と、旅客業種より要件が緩く設定されています。

候補者の国籍・語学レベルによっては、採用できる業種が絞られます。たとえば、ミャンマー出身でJLPT N4取得済みの候補者はトラックでは採用可能ですが、タクシー・バスへの就労には追加の学習が必要になります。採用を検討する段階で、候補者の語学レベルと採用したい業種の整合を確認してください。

日本の運転免許の取得

外国人ドライバーが日本で就労するには、日本の運転免許が必要です。取得ルートは主に3通りあります。

参考: 警視庁 外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには

① 外国免許の切り替え(外免切替)母国の免許を日本の免許に切り替える方法です。ジュネーブ条約やウィーン条約の締結国出身者であれば、筆記試験と技能試験(場合によっては免除)を経て取得できます。所要期間の目安は1〜3ヶ月程度です。

② 教習所での新規取得外国免許切り替えの対象外となる国の出身者や、第二種免許が必要な旅客業種への採用を想定する場合は、教習所での取得が必要です。費用の目安は25〜35万円程度になります。

③ 受験資格特例教習(第二種免許対象)タクシー・バス向けの第二種免許を最短3日程度で取得できる制度です。一定の要件を満たした候補者が対象になります。

運転免許を未取得の状態で入国する候補者については、特定活動55号(特定自動車運送業準備)を利用するルートがあります。国内で免許を取得してから特定技能1号へ在留資格を変更する流れで、詳細は「採用から就労までの流れ」で後述します。

受け入れ企業の要件

特定技能外国人を受け入れる企業は、すべての分野に共通する基本要件(日本人と同等の待遇・適正な雇用環境の整備など)に加えて、自動車運送業固有の要件を満たす必要があります。固有の要件のなかには取得・加入に数ヶ月を要するものがあるため、採用検討を始めると同時に着手することが求められます。

職場認証またはGマークの取得

在留資格の申請前までに、以下のいずれかを取得している必要があります。

  • 「働きやすい職場認証」(一つ星〜三つ星): 国土交通省が運営する認証制度

  • Gマーク(安全性優良事業所認証): 全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定する制度

参考: 国土交通省 働きやすい職場認証制度

「働きやすい職場認証」は一つ星の審査料が30,000円からで、申請から取得まで数ヶ月かかるケースがあります。「採用したい候補者が見つかったので申請しよう」と動いても、在留資格の申請に間に合わないリスクがあります。採用検討の初期段階で取得状況を確認し、未取得であれば申請を先行させてください。

特定技能協議会への加入

自動車運送業分野特定技能協議会への加入が、2024年6月以降は在留資格の申請前の必須条件とされています。

参考: 国土交通省 自動車運送業分野特定技能協議会

協議会の概要は以下のとおりです。

  • 加入申請受付: 2025年1月開始

  • 加入費・年会費: 無料

  • 審査期間: 申請から約1ヶ月

在留資格の申請直前に協議会への未加入が発覚し、スケジュールが数ヶ月単位でずれ込むケースがあります。採用を動かす前に加入申請を完了させておくことで、こうしたリスクを避けられます。

登録支援機関への委託

特定技能外国人を受け入れる企業は、義務的支援10項目(生活オリエンテーション・住居確保支援・銀行口座開設補助など)を実施する義務があります。これらの支援業務は、登録支援機関に委託することができます(委託は原則として行われることが多い形態です)。

参考: 出入国在留管理庁 分野別運用方針

委託先となる登録支援機関の選定方法や確認ポイントについては、以下の記事を参考にしてください。

関連記事: 登録支援機関とは?特定技能制度における支援内容や役割、選び方を解説

旅客事業者の追加要件

タクシー・バス事業者には、トラック事業者には課されない追加要件があります。

参考: 国土交通省 自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れについて

外国人ドライバーを採用した場合でも、新任運転者研修の実施が義務づけられます。また、その研修記録を3年間保存しておく必要があります。

日本人の新任ドライバーと同様の研修を実施し、記録管理の仕組みを整えておくことが求められます。タクシー・バスへの採用を検討している企業は、職場認証・協議会加入に加え、研修の実施体制の準備も早めに進めてください。

採用から就労までの流れ

採用検討の開始から就労開始まで、標準的な流れを4つのステップで整理します。協議会加入・職場認証の取得は在留資格の申請前に完了させる必要があるため、採用の意思決定と同時並行で進めることが前提になります。

関連記事: 特定技能外国人を採用する際の流れとかかる費用を解説

受け入れ準備

最初に確認すべきは、協議会加入・職場認証(またはGマーク)の取得状況です。いずれも在留資格の申請前に完了させておく必要があり、未完了の場合は申請を先行させます。

協議会加入は申請から約1ヶ月、職場認証は状況によって数ヶ月かかるケースがあります。「採用を決めてから手続きを始める」では間に合わないため、採用検討を始めた段階で取得状況を確認し、必要であれば即座に申請を開始してください。

この段階と並行して、登録支援機関の選定も進めます。支援の質・費用・対応言語を比較し、就労開始後の支援体制を採用前に確定させておくことで、後工程がスムーズになります。

候補者の選定と雇用契約

受け入れ準備が整ったら、人材紹介会社や海外の送り出し機関を通じて候補者を選定します。この段階では、採用する業種ごとの要件を候補者が満たしているかを確認します。

  • 技能評価試験(業種別)の合格有無

  • 日本語能力(トラック: N4またはJFT-Basic A2以上 / タクシー・バス: N3以上)

  • 運転免許の取得状況(取得済み・外免切替可能・未取得の別)

候補者が決まったら、2言語での雇用契約書を締結します。日本語と候補者の母国語の両方で作成することが求められます。給与・労働時間・業務内容を日本人と同等の条件で定めることが前提です。

在留資格の申請(免許未取得の場合は特定活動55号)

候補者が日本の運転免許を取得済みであれば、そのまま特定技能1号の在留資格を申請します。

運転免許を未取得の候補者については、特定活動55号(特定自動車運送業準備)として入国し、国内で免許を取得したうえで特定技能1号への在留資格変更を申請するルートがあります。

参考: 出入国在留管理庁 特定活動告示55号関連資料

特定活動55号の在留期間は、トラックが最大6ヶ月・タクシー/バスが最大1年で、更新はできません。この期間中は教習所等で免許を取得し、特定技能1号へ移行することになります。就労(運行業務)は特定技能1号への変更が完了してから可能になるため、在留期間内に免許取得と在留資格変更の両方を完了させる必要があります。

特定活動55号を利用する場合はスケジュール管理が特に重要です。旅客業種(タクシー・バス)は第二種免許の取得が必要なため、トラックより期間的な余裕があるとはいえ、入国直後から計画的に動く必要があります。

就労開始と入社後の手続き

特定技能1号として在留資格が許可されたら就労を開始できます。就労開始後も、登録支援機関と連携して義務的支援を実施します。

義務的支援の主な内容は以下のとおりです。

  • 生活オリエンテーション(生活ルール・労働条件の説明)

  • 住居の確保サポート

  • 銀行口座・携帯電話などの契約補助

  • 定期的な面談と相談窓口の設置

タクシー・バス事業者の場合は、これに加えて新任運転者研修の実施と3年間の記録保存が義務となります。

入社後の定着には、日常業務でのコミュニケーションの取り方や生活面でのフォローも影響します。母国語でのサポートができる体制を整えておくことが、早期離職のリスクを下げることにつながります。

特定技能「自動車運送業」の外国人採用にかかる費用

自動車運送業での特定技能外国人の採用は、他分野の標準的な費用に加えて、運転免許取得費や職場認証費が上乗せされる構造になります。採用計画を立てる段階で費用全体の規模感を把握しておくことが、予算設計の前提になります。

費用の内訳と相場

特定技能外国人を採用する際の主な費用項目と相場は以下のとおりです。

費用項目

業界相場

人材紹介料

約60万円

登録支援委託費

約28,386円/月(令和4年出入国在留管理庁調査)

ビザ(在留資格)申請関連費

10〜15万円程度

入国航空券

5〜10万円程度

登録支援委託費は、登録支援機関によって月額・サービス内容が異なります。費用だけでなく、対応言語・支援項目の網羅性・定着支援の実績を比較して選定することが求められます(2026年6月時点)。

関連記事: 特定技能外国人受け入れの費用相場とコストダウンのポイント

自動車運送業固有の追加費用

他分野では発生しない費用として、以下を採用計画に織り込む必要があります。

運転免許の取得費用外国免許の切り替え(外免切替)であれば数万円程度の手数料ですが、教習所で第一種免許を新規取得する場合は25〜35万円程度かかります。第二種免許(タクシー・バス)は受験資格特例教習を活用できる場合でも、別途費用が発生します。

職場認証の審査料「働きやすい職場認証」(一つ星)の審査料は30,000円からです。認証取得は在留資格申請の前提条件のため、採用前のコストとして見込んでおく必要があります。

特定活動55号を利用する場合の追加コスト免許未取得の候補者が特定活動55号で入国した場合、免許取得が完了するまでの期間(トラック最大6ヶ月・旅客最大1年)は就労できません。この期間の生活費・住居費・免許取得費用を誰がどう負担するかについて、採用前に候補者との間で取り決めを明確にしておく必要があります。

以上の項目を合算すると、自動車運送業の採用は他分野より初期投資が一段階多くなります。

関連記事: 特定技能外国人受け入れの費用相場とコストダウンのポイント

自動車運送業の外国人採用の注意点

制度の概要を把握した段階では見落とされやすいものの、実際の採用で問題になりやすいポイントを3つ整理します。

協議会加入・職場認証は在留資格申請前に完了が必要

2024年6月の要件改正以降、協議会への加入と職場認証(またはGマーク)の取得は、在留資格申請の前提条件となっています。

採用が決まってから手続きを始めると、協議会の審査(約1ヶ月)と職場認証の申請・審査(数ヶ月)が完了するまで在留資格の申請に進めず、就労開始が数ヶ月単位でずれ込むリスクがあります。採用の意思決定と同時に、これらの手続きを先行させてください。

採用を考え始めた段階で「自社はどちらを持っているか、持っていない場合は申請まで何ヶ月かかるか」を確認しておくことが、スケジュール管理の出発点になります。

タクシー・バスはN3以上と第二種免許が必要

旅客業種(タクシー・バス)はトラックより要件水準が高く設定されています。

  • 日本語能力: JLPT N3以上(JFT-Basicは不可)

  • 運転免許: 第二種免許

候補者の国籍や語学レベルによっては、タクシー・バスへの採用が難しく、トラックに限定せざるを得ないケースがあります。「外国人ドライバーを採用したいが、まずどの業種から始めるか」を検討する際は、候補者の語学レベルと業種要件の対応関係を先に整理してください。

N3水準の語学力を持つ候補者が限られる国籍では、トラックから採用を始めて定着実績を積み、その後に旅客業種へ展開するという段階的なアプローチも選択肢になります。

特定技能2号がなく、長期就労には別途設計が必要

自動車運送業は現時点で特定技能1号のみが設定されており、在留期間は通算5年が上限です。家族の帯同も認められていないため、長期にわたって戦力として定着させたい場合は、5年の上限を超えた後の在留資格について別途検討する必要があります。

現在、日本国内で外国人が長期的に就労継続できるルートとしては、技能実習制度から移行した育成就労制度(2027年施行予定、2024年改正)なども選択肢に含まれます。

関連記事: 【27年4月施行】育成就労制度とは?技能実習との違いや企業が準備すべきことを解説

「特定技能1号で採用したドライバーに、5年後も同じ職場で働いてもらうにはどうするか」という問いを、採用設計の段階から持っておくことが、長期的な人材確保につながります。

まとめ:特定技能「自動車運送業」の採用は業種別の要件確認と早期準備がカギ

2024年3月に特定技能へ追加された自動車運送業は、ドライバー不足の構造的な課題に対応するための制度であり、トラック・タクシー・バスの3業種で外国人材を受け入れられます。業種によって求める日本語能力や運転免許の種類が異なるため、候補者の現在のスキルに合わせた業種選びが採用成否を左右します。

受け入れ企業として見落とされやすいのが、職場認証と協議会加入の事前着手です。どちらも在留資格申請の前提条件であり、採用を決めてから動き始めると数ヶ月単位で後ろ倒しになります。採用検討と同時に準備を始めることで、候補者が揃った時点ですぐに申請へ進める体制が整います。

「外国人ドライバーの採用は難しそう」という印象が先行しがちですが、要件の全体像を把握してしまえば、自社の業種と候補者の状況に合わせた現実的な判断ができます。本記事で確認した要件をもとに、まず協議会加入と職場認証の取得状況から着手してみてください。

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よくある質問

Q. 特定技能の自動車運送業では、将来的に在留期間の上限なく働き続けられますか?

現時点では特定技能1号のみで、通算5年が上限です。特定技能2号(在留期限なし・家族帯同可)への移行は認められておらず、制度の動向を引き続き注視する必要があります。

Q. 協議会への加入はいつまでに済ませる必要がありますか?

受け入れ開始後4ヶ月以内に加入が義務づけられています。採用が決まってから手続きを始めると、協議会の審査(約1ヶ月)と職場認証の申請・審査(数ヶ月)が完了するまで在留資格の申請に進めず、就労開始が数ヶ月単位でずれ込むリスクがあります。採用の意思決定と同時に、これらの手続きを先行させてください。

Q. 外国人ドライバーが離職した場合、補償はありますか?

入社後1年以内の退職に対して、出身国を条件とした再紹介を無償で行う登録支援機関があります。離職リスクへの備えを採用前に確認したい場合は、委託先の登録支援機関に確認してください。

Q. 技能実習・育成就労と特定技能では、どちらが採用しやすいですか?

即戦力を求めるなら特定技能が向いています。技能実習・育成就労は育成目的で受け入れ期間が長い反面、転籍規制が緩和傾向にあります。自社の採用目的と体制に応じて選択することを推奨します。

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